1980年代までニホンジカの北限は宮城県の牡鹿半島か、岩手県の五葉山周辺に限られた個体群がいるだけだった。
それが2000年代に入りその五葉からジワジワと生息域を広げ始め、岩手県では北上高地のほぼ全域、明治期に一度絶滅して現在は個体群の定着は確認されていない青森県でも時おり目撃例があるため、もはや本州最北端への侵入は時間の問題と言われれている。
岩手では特に早池峰山周辺での林業被害が顕著で、北アや南ア同様に固有の高山植物にも被害及んでいるらしい。
北上高地は昔から尾根筋に放牧地が広がっており、特に冬期は使われてないため恰好のシカの餌場となっていると思われる。
さらに国内木材の需要を見込んでか植林地を増やしているため、一時的な伐開地も散見され、結果的にシカの餌場を人が提供する状況になりつつある。
伐開地内を移動中に見かけた若い牡ジカ。この前日に親子グマと20mほどの距離でニアミスしており、ガサガサと動くものにかなり神経使っていたのでこちらが先に気が付いた。
それでも小生が風上だった..親子グマの時は逆にこちらが風下だった..ので、カメラを構えてすぐに尻毛を白く膨張させて飛び跳ねつつ逃げていった。