春の環境調査ウィークの後半は、春まだ浅い東北から新緑が展葉する南関東へと転戦。
季節は打って変わって一気に春真っ盛りで、夏鳥たちはすでに子育てモード全開。
しかしヤマビルまで活性化していて、定宿の風呂場の脱衣所でウネウネしていたのにはさすがに閉口。誰よ連れてきたのw
クマ出没中注意の立て看板を横目に林道から逸れて林内へ。
周辺で対象の繁殖兆候があればすぐに引き返す算段でいたので、パナライカ100-400+OM-1とGPS代わりのスマホ、それに熊よけスプレーだけの軽装備。ダニを警戒して一応雨具のズボンだけ履く。
それにしても「クマ生息地注意」ならまだわかるが、この手の「〜中」的な看板は一体いつ立てたのかという話になる。日付書き込むと立て替える手間が増えるのと、入会林が隣接しているので山菜採りへの警告的な意味合いなのだろう。
ただ、案山子と同じでいつもそこに立っていると慣れてしまって警告の意味をほとんど為さなくなるので、適度に間引くなりしたほうが良いのにとは毎度思うことである。
iPhoneのHDRでもぱっと見はここまで撮れる。
それにGPS精度も以前と比べると格段にアップしていて、林内でも結構な精度でログを残せるのだから、今のスマホの進化はすごい。
Google先生の衛星写真で植生を確かめつつ、行きは一旦標高を上げてから谷筋に沿って降りた..途中3mほど滑落?して雨具のズボンが泥だらけにw..が、帰りは登り返しが面倒になって等高線に沿って戻る。
が、距離は短くなったが、ユキツバキとシャクナゲに行く手を阻まれ藪こぎを強いられ、結局掛かった時間はほとんど同じだったというオチw
写真はその途中の日当たりの良いギャップで見掛けたキクザキイチゲ。
雪解け水がほとばしる春の瀬をしゃがみこんで撮っていたら、目の前をカワセミ2羽が追いつ追われつ春のチェイスで上流方向へ。
そしてその直後には頭上をキャラキャラ鳴きながら下流方向へ飛び去るヤマセミが。
来月には対岸の沢沿いの棚田にアカショウビンも渡ってくるので、ここはカワセミ3種を同時に観ることができる貴重な場所だ。
OM-1でライブNDに新たに追加されたND64モードで撮影。従来機はND32までだったが、OM-1から6EV相当の減光が可能となっている。
ピーカンの日中にNDフィルタも三脚も必要とせず、こういったシーンを手持ちで狙えるのはE-M系など旧オリンパス機とOM-1のみである。
時間を遡って記録するプリキャプチャなど、この手のコンピューテショナル・フォトグラフィをインチキなどと揶揄する了見の狭い輩を時々見かけるが、デジタルカメラで撮影している時点ですでに加工されたデータを見ていることに気がつないア○な情弱としか言いようがない。
ナイコンがファームアップでZ9に同様の機能を追加するようだが、そうなったらそのア○連中は手のひらを返すように「これからはカメラが何でもできないとイカン」とか言い出すに決まってるぞw
今週は春の環境調査ウィーク..あくまで個人的な話..なのでその現場手伝いで野外活動に集中。前半は東北の端っこの雪国の山間地へ。
オオルリ、クロツグミ、サンショウクイ、センダイムシクイなど夏鳥たちがそわそわしているまだ芽吹き前の農村部にも、ようやく遅い春がやって来ていた。
田起こし前の田んぼの畦ではツクシが伸び始めていたが、里ではソメイヨシノが満開をピークをやや過ぎた当たりといったところか。
夏鳥たちの合唱を聞きつつも、目の前の畦にはまだツグミやタヒバリの姿もチラホラ。夏鳥たちに押し出されるように北へ向かう途上だろう。
ツグミのカットはノートリだが、鳥がこのサイズ感でもガチで目にピンが来ているので、OM-1は被写体認識以前にクロス測距のAFポイントの増加..1053点オールクロス像面位相差クアッドピクセルAFって長ぇーなw..による精度の向上が、結果的に解像感のアップにつながっていると思われる。
金カムこと「ゴールデンカムイ」が映画で実写化されると聞いて、金カムファンとしては微妙に歓喜している。
原作の漫画は今月で完結を見るが、引き続きアニメーション版は新たなシーズンが制作されているので、実写化するとなると色々制約の多い演出もあるので、その辺はアニメーション版にお任せだ。
そもそもストーリーの根本にアイヌ文化の生々しい描写があって、今の時代だとセンシティブな問題もはらんでいるので、その辺りをどうクリアしてくるのか興味ある。
何しろ今どきカワイイだけの安売り状態となっているシマエナガやエゾリスの皮を剥いで食うシーンとかあって、そういう「生きものは他の生きものを食って命をつなぐ」という当たり前の真理を、頭の中がお花畑の連中が理解できるのか。
それに原作を読めばわかるが、なかなかエログロで下ネタ満載でもあるので、映倫に引っかかるのではと危惧してみたりw
とにかく幕末から日露戦争までの亡霊たちと、極東から蝦夷地の大自然とアイヌ文化を舞台にした金塊争奪の冒険活劇と聞いただけで、そりゃ心躍らないわけはないではないか。
ちなみに最初に微妙と書いたのは、漫画原作の実写化は外すか当たるかが両極端なものが多く、例えば進撃の巨人やジョジョの奇妙な冒険などは前者であり、デスノートやるろうに剣心は後者と言えよう。
ともかく、実写版あるあるの俳優ありきのキャスティングで、原作の人物設定を変えたりしないようお願いしたところだ。金カムこそその原作の世界観を絶対に崩してほしくないぞ。
東の空が夜明け前のゴールデンタイムに染まる。こんな感じに色づく季節もそろそろお終いだ。
赤城高原ではまだ見掛けないが、平野部ではもうアオダイショウが姿を見せている。奥山でもじきに出始める頃なので、営巣中の天狗様の餌動物にヘビの仲間がメニューに加わるのも時間の問題だ。
餌としてはノウサギなど獣の他、ヤマドリのような大型の鳥が望ましいのだが、岩場や林道の日当たりの良い場所で日向ぼっこしているヘビの仲間はハンティングの対象としては手っ取り早く、背に腹は代えられないのが日本の天狗様の餌事情なのである。
トカゲの時と同じで、OM-1の鳥の被写体認識はヘビでも認識枠が表示されて一応目にピンが来た。
やはり鳥と親戚筋の爬虫類だからオッケーなのか?という戯言はさておき、実は被写体認識が反応したのジッとしていた最初だけで、アオダイショウがスルスルと移動を始めるとあさっての方に行ってしまって、AFが帰ってくることはなかった。
何となく頭部と目の位置関係がもっとも重要なようで、さらに首と体が分離できる形状、つまり肩のような構造があると確実なのかもとか邪推してみたり。
どうせそこはAIの仕事なのでどうでも良いと言えば良いのだが、鳥の被写体認識と言いながら鳥以外にも反応されるとどうもスッキリしない。
これが犬・猫を想定していると思われる動物認識だったらどうなるのか気になるところだ。
林内で立ち尽くしていると、カサカサと足元の林床で音がする。息を潜めていると、落ち葉の中を歩き回るトカゲを見つけた。
時々落ち葉の裏から顔を上げて周囲を確認しているが、身動ぎしないこちらに気が付かないのか、足元をウロウロして我関せずである。
春はツバメの飛来やウグイスの初鳴き、桜の開花が告げるものと世間の相場が決まっているが、森の中でうごめく爬虫類を目にしても同様に春を感じることができる。
それは爬虫類が自由に動き回れるほどに気温が高くなったという証拠でもあるからね。
上の写真がニホントカゲの成体で、下の青くメタリックに光る方は幼体である。双方とも3mと離れていない場所で見掛けた。
どちらもOM-1の被写体認識で撮影しているが、鳥でもないのに鳥認識が発動したのは、やはり鳥類が爬虫類から進化した種であるとAIが判断しているのか!?
などと考えつつ、落ち葉の裏からトカゲが顔を上げる度に被写体認識枠がEVFに現れるのを面白く眺めていたが、まあ実際は頭部の形状とその中に目がある構造の物体に反応しているのだろう。
これは個人的な見解だが、恐らくOM-1の被写体認識はくちばしの有無はそれほど重要視されてないのかもね。
鳥の写真ばかり載せていると野鳥カメラマンと思われそうだが、OM-1はレンズを向ければ歩留まりよく鳥の写真が撮れてしまうので、時期も時期だししばらくはそれも致し方なしだw
まあ写真を始めた理由がそもそも鳥だったので、その認識自体は当たらずとも遠からじだが、鳥を専門に撮るのは15年以上前に足を洗っていて、今は生きものと自然全般に広くと言ったところだ。
で、先日の妙義での与太話。
引き上げ時に駐車場に留めた車脇にヤマガラがフレンドリーにやって来て、花の中から何かの幼虫をついばんでいたので、OM-1で狙っていたところ、ニヤニヤしながら白レンズを抱えたオッサン..というか爺さんだな..が近づいてきた。
こちらが撮っているヤマガラを狙いに来たのかと思っていると、「何だヤマガラか」とつぶやきそのまま続けて、やれマイクロフォーサーズはセンサーが小さいからダメだの、オリンパスなんかもう終わりだとの腐し始めた。
何だコイツと思い振り返ると、抱えていたご自慢のEOS R5とRF100-500?を目の前にかざして、やっぱり写真はフルサイズだよねぇなどとほざきやがった。
これは久しぶりにフルサイズと白レンズでマウントするカメラ親父の登場だなと判断し、すかざす肩から下げていたGF100-200付きのGFX100Sで桜を撮るふりをしながら、「そうだよなぁ、やっぱ写真はセンサーサイズと何より画素数だよなぁ」とつぶやくと、バツが悪そうにR5を小脇に無言で去って行ったとさ。
ということで、GFXは悪霊退散によく効く御札のような存在だなと、あらためて思い直した日であったw
G9PROやGH5、それにGH6にも被写体の自動認識機能が用意されている。前者2つは後からファームアップされたものだが、GH6は最初から搭載されている。
当時G9PROの人物認識にはスポーツイベントなどの行事物で便利に使わせてもらったが、動物まで認識できるというのは後から知った。
ディープラーニングによるAI技術は家電屋に一日の長があるので、パナがその方面で優秀なのは業界では知られた話だが、カメラのAFの世界でもその技術が生かされているわけだ。
ということで、GH6もG9同様に人や生きものをファインダーに捉えれば、EVF上に認識枠が現れて補足し続けてくれる。何かと批判の的になるDFD..位相差式ではなくコントラスト検出式..によるAF駆動だが、G9よりは測距スピードも精度も向上していているのは確かだ。
ただ、GH6とOM-1を常にセットで使っているので、OM-1とAF周りを比べてしまうのは酷ではあるが、本機能についてはやはりOM-1のほうが優秀であると感じる。特に過剰とも言えるOM-1の動物の検出能力は、使えば使うほど撮影者が堕落していきそうで怖いw
シメもツグミもまだ近所で見かけるが、先日のアトリ同様に北上中の立ち寄り組だろう。
何気にレンズを向ければ勝手にカメラが物体をAIで認識してくれるなど、フィルムとMFカメラで写真を始めたオッサンには夢のような話である。
鳥など画面内に占める割合が小さくともそこそこの検出率で、しかも写真だけでなく動画でもその被写体検出が使えるのだから、いやはや良い時代になったもんだ。
ちなみにGH6も複数の物体を同時に認識するとそれぞれに検出枠が表示されるが、OM-1同様にとりあえず一番近い物体に合焦しにいく仕様。ただ、OM-1と違って一番近い「検出枠」に合焦する確率?はGH6のほうが高い。