隣県近県の里山奥山の落葉広葉樹林。
今年は色付きが遅かった分、落葉も遅れ気味の印象。
雪国の山里の田んぼはすでに冬じまいとなって、後は根雪を待つだけとなっている。
気温が上がって前日の積雪は解けたが、その雪解け水の残る田んぼでは、アキアカネたちが最後の産卵行動で大忙しだった。
遠くばかり集中して眺めているので、時折り足元の周辺にも目を落とすと、打って変わった陽気を謳歌する虫たちに気が付く。
今年の冬鳥は全国的に当たり年。個人的には今月に入ってからベニマシコの遭遇率が高い。
東北から中部日本まで、原野や空き地があれば必ずと言っていいほど見かける。夏の原生花園と違ってレンズ向けるさっさと草むらに隠れてしまうけど。
今年うちの庭に渡って来たのは若い個体。時々仕事場の窓から可憐な姿を拝むことが出来る。
名前の紅は夏羽の色で、本州で見かける冬羽はそこまでの鮮やかさはなく、少しくすんだ銀朱っぽい色合いになる。
それでも初めて観察して依頼、ベニマシコと言えばこの色なのである。
わらじとんかつ食いに秩父まで出張ったついでに、近くの武甲山に登ってみた。
武甲山は石灰岩質の山で、山の北側半分で石灰岩の切り出しが行われており、ご覧の通りの見てくれの山である。
よく名の知れた山ではあるが、山頂以外どうにも視界のない山で、ひたすらスギとヒノキの木立の中を登ることになる。まあ絶対に春先は登りたくない山だな。
山頂から北方向の視界はご覧の通り。秩父市街地の向こうに遠く我が郷里の赤城・榛名を望める。
登ってから気付いたのだが、山頂の御嶽神社はヤマトタケルの東征伝説が起源とのことで、狛犬がオオカミだった。なかなか由緒正しい古の御神体のようで。
この日は朝の天気予報で夜から雪の予報が出ていたが、日中は風もなく穏やかなだった。
まだススキの残る日当たりの良い草地の原野に立っていたが、周囲を白っぽいものが飛んでいるのに気がつく。
手をかざすと狙ったように落ちてきたのは雪虫。雪が降り出す季節に姿を現すので一般的に雪虫と呼ばれるが、正確にはアブラムシの仲間である。
と言っても詳しくは種名までは知らなかったので調べてみたが、トドノネオオワタムシとケヤキフシアブラムシという種を雪虫呼ぶらしい。
白っぽい蝋物質でできた綿状のものを体に纏うのがトドノネオオワタムシで、時に大量に発生してその飛ぶさまが雪が降るように見えることから、雪虫と呼ばれるらしい。
ただ名前の印象とは異なり、大発生する北海道や東北では害虫の扱いとのことだ。