前線通過に伴う雪の予報も出ていたが、とりあえず滞在中はそこまで気温が下がらず、断続的な雨模様であった。
ただ、さすがにアルプスの山の端は遠目にも雪だったけどね。
風が無かったのでこういう天候の際は車のリアハッチに避難。視界がある限りは観察は続行である。
コリメート装備を出すまでもないちょっとした観察に使用しているスワロの旧STS65。
なるべく軽量コンパクトで運用したいので、脚周りはPeak DesignのTravel Tripodに従来はLeofotoのBV-10を組み合わせて使っていたが、この夏からSmallRigの小型のビデオ雲台で運用している。
BV-10より固定力やカウンターバランスは劣るが、サイズが一回り小さくてさらにコンパクトであり、強風の中でもない限りはまあそれなりに使用可能。
一番気に入っているのはパン棒の長さを調節できること。ビデオ雲台はどれも無駄にパン棒が長く、フィールドスコープを覗く際は右手が体より後ろに回ってしまい、どうにも使い勝手が悪い。人によってはパン棒を前側に回している人もいるぐらいだし。
その点、SmallRigの雲台はパン棒を140〜330mmの範囲に伸縮できるため、体の前面でパン棒を操作できて便利である。
耐荷重は約5kgあるので、ミラーレスカメラに標準ズームレンズ程度なら動画撮影も可能である。スチル撮影で使う際は、例のごとく雲台をそっくり外して使えばOK。
ついにグローバルシャッター搭載の民生用デジタルカメラが登場した。
すでに技術的には実現されていたが、それを量産品として最初に出すのはセンサーを自社で設計・製造できるソニーかキヤノンだろうとは思っていたが、α9IIIとしてソニーが世界初ということになった。
今さら言うまでもないが、グローバルシャッターはセンサーに配置された受光素子からすべて同時に露光可能なため、従来のCMOSに比べてローリングシャッター現象による歪みがほぼ解消される。
高感度に弱いとか消費電力が激しいというデメリットもまだ残されているが、それでも動体撮影には圧倒的に有利となるため、スポーツ競技やモータースポーツ、航空機、動物(特に鳥)などを狙うカメラマンには悲願のカメラとなるだろう。
民生品とは書いたが、予想される実売価格は90万近くするので、さすがにまだ一般人がおいそれと手を出せる価格帯ではないが、仕事で使ういわゆるプロカメラマンには十分設備投資の範疇だろう。
前述のデメリットが解消され、普及価格帯まで下りてくるにはまだ数年は掛かりそうだが、我々のようにそこまでシビアな性能を要求しない向きは、じっくり待てば良い。
そしてこうなると気になるのは先を越された?キヤノンの動きだが、来年はパリ五輪の年であるので、予てから噂の絶えないR1..または1Rか?..がどんな仕上がりが出てくるのは注目される。
ゴォーという音とを立てて、稜線を強い風が吹き抜ける。
みちのくを北から南へ移動する途中、久しぶりに伊豆沼へ立ち寄ってマガンたちの朝のねぐら立ちを見物してきた。
四半世紀ぐらい前はガン類4万少々でそれでもその数には驚いたものだが、ちょうど同日に一斉カウントをしていたらしく、速報では5万8千という話だった。もちろん伊豆沼・内沼、蕪栗沼周辺全体を含めればその数で収まるわけもなく、10万は軽く超えているだろう。
恐らくは個体数が増えたと言うより、伊豆沼周辺への一局集中ということだろうと想像。それだけ彼の地に冬の間の彼らの胃袋を支える餌資源があるということに他ならないが、もし鳥インフルが流行った場合を考えると、九州出水のツル同様厳しいことになるだろう。
昔よく足を運んでいた頃は伊豆沼の獅子ヶ鼻がポイントであったが、年にも依るが総数としては蕪栗沼のほうが多いようである。
ということでこの日は蕪栗沼でねぐら立ちを眺めていた。3回に別れて出立していったが、動画は最後の集団が飛びった時の様子。
しばらくみちのくへ出張っている間にすっかり空気が入れ替わった。地元の山々も稜線が白く冠雪し、一週間前に夏日があったとは思えないほど冷え込んでいる。
どうやら季節は秋を通り越して、一気に冬へと移り変わったようである。
北東北から南東北に移動してきた日は好天に恵まれたが、翌日は寒冷前線が東日本を通過した影響で暴風が吹き荒れ、遮蔽物のない伐採地跡は立っていられないほど。
夕方に風が収まって雲が少し上がったら、標高の高いところは積雪となっていた。
猛烈に寒かったため、今シーズン初のダウンとオーバーズボンを着込む羽目に。
ニュースでも騒がれている通り北東北はクマの生息数が多く、必然的に目撃や熊害事故も多い。
実際、春から仕事で毎月当地に出張ってきているが、遠くに近くにクマを観ない月は今のところ一回もない状況。
冬が来ればこの騒ぎも収まってくるとは思うが、食べ物にありつけず腹が減った状態で無事に冬ごもりに迎えられるかは厳しい状況なので、積雪具合によってはまだクマ騒動も続く可能性もあるな。
落葉した森ではミズナラとクリにクマ棚が見つかる。木々が葉を落としたことで、遠目にもその存在がよく見て取れる。
毎月観ていた景色の中で、クマたちがせっせとドングリを食べていたのに、こちらはまったく気が付かずにいたということだ。