カメラのストラップは文字通りカメラを携行するために身体に引っ掛けるものだが、無機質なカメラの造作にあって、カメラバッグと並んで個性を主張する小道具の役割も担っている。デザインや色、造作に凝って特にカメラ女子を意識した製品は百花繚乱と言えよう。
C社メインの頃はプロサービスがタダでくれたストラップを使っていたが、その後動画を撮るようになってからはストラップを自由に脱着できるOP/TECH(オプテック)の製品を使うようになった。
フィックスで動画撮影する場合、可能な限り振動を発生する要素を除去する必要があるため、ストラップをブラブラさせておくのは避けたいところ。その点、OP/TECHは独自のコネクターシステムを採用していて、必要ない時はリーダー部を残したままショルダー部だけ取り外せるため、非常に重宝していた。
OP/TECHはC社時代も含め20年近く愛用してきた..実際は間にナイコンのストラップを好んで使っていた時期がある..のだが、カメラがミラーレス化してシステム全体が小型になってくると、サイズ感が少々取り回しづらく感じるようになっていた。そこで色々調べた結果、新興のPeakDesign(ピークデザイン)が良さそうだと試験的に導入、結果すべてをPeakDesignに切り替えた。
FUJIFILM X-H1 / XF35mm F1.4 R
PeakDesign独特のアンカーと呼ばれるパーツとストラップ。ストラップ部は幅の違いで何種類か用意されているが、そもそもの目的からして一番細いタイプをチョイス。
先にPeakDesignを新興と書いたが、同社の生い立ちがクラウドファンディング(米Kickstarter 2010年)でスタートし、実際の製品のヒットで成功したことでもその意味は判るだろう。
FUJIFILM X-H1 / XF35mm F1.4 R
素材は車のシートベルトに使われているようなしなやかさと強靭さを感じさせるもので、使わない時はクルクルと丸めて収納しておける。何より同時にカメラを肩から下げるのは最大2台なので、ストラップ自体は2本あれば済むというのは経済的だろう。
右の小型クランプにアンカーが付いているのが、後述するレンズフットにアンカーを装着するためのアクセサリで、これは拙者独自のアイデア。
FUJIFILM X-H1 / XF35mm F1.4 R
ストラップを外すとカメラボディ側にアンカーが残る(写真左)。動画撮影含め三脚に載せた時、カメラバッグに収納する時にはストラップは外している。また、このまま残ったアンカーごとボディを握っても、アンカーはほとんど気にならない。
アンカーのリーダー部が思いのほか細くて不安の意見を耳にするが、メーカーのプロモーション動画を見る限りそんなこともなく、実際に使ってみて逆に人の力で引きちぎるのは無理だとすぐ判る。耐荷重90kg以上とくればそれはそうだろう。摩耗してくると赤いインジケータが表に出てくるので、そこで換え時と判断できるようだ。
ちなみにフジのXシリーズ、パナのGx系には何れもストラップ用の三角環が付属しているが、アンカーの装着には必要ないのですべて外している。
前述のアンカー付属の小型クランプ改を望遠ズームの三脚座に装着した例(写真右)。小型クランプはアルカスイス互換なので、アルカスタイルのプレート類すべてで使用できる。
ボディ右側(グリップ側)のストラップをレンズフットに装着することで、肩から掛けた際にレンズが身体から出っ張ったりして、歩行中にぶつけることを防ぐことができ、これは結構便利である。
それにカメラを構える際、グリップ側のストラップが握りの邪魔にならないのは二重丸。撮影中にカメラを持ち替える時、意外にグリップ側のストラップは邪魔になるんだよね。
iPhone 6
撮影時はショルダーのカメラバッグに交換レンズだけ収納し、望遠ズームと標準ズーム(写真は広角ズーム)を装着した2台のカメラを両肩からたすき掛けにしている。
前述の通り一番細いストラップにはショルダー部に滑り止めが付いていないので、滑りやすい素材であることも相まって、たすき掛けにしたカメラをスルスルとスムーズに入替えられて使い勝手が良い。
ストラップの長さ調節も簡単。調節部のループを引っ張ればワンアクションで完了だ。写真のようにたすき掛けにする際は、それぞれの長さをずらしておけば、万が一双方が体の前や後ろに同時に回っても、ぶつかることを裂けることができる。