月別アーカイブ : 2018/04

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萌黄色の季節

2018/4/20

赤城山麓の標高400〜500m付近はすっかり新緑の萌黄色に染まり、植物が持つ葉緑素(クロロフィル)のグラデーションと遅咲きのヤマザクラが見事なコンビネーションを見せてくれる。

この時期と紅葉の季節に山を眺めると、日本の自然林がいかに多種多様で様々な樹種で構成されているかが一目瞭然だ。こんな情景を愛でながら昼飯を頬張っていると、つくづく日本人で良かったなぁと思ってしまう。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / Velvia

ここしばらくはPRO Neg.やETERNAなど、彩度を抑えたフィルムシミュレーションを使っていたが、この新緑の情景の前ではやはりガッツリVelviaを使っておきたい。

鯉のぼり

2018/4/19

もうすぐ端午の節句ということもあって、残雪の上越国境をバックに赤城西麓の空を力強く鯉のぼりが泳ぐ。

農家にとって男の子は大事な跡継ぎであり、いつの時代も大切に祝われてきた。赤城高原の農家はどこも広い敷地を持っているので、こじんまり家の中に飾る兜よりも、風を受けて雄大に泳ぐ鯉のぼりのほうがよく似合っている。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / PROVIA

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / PROVIA

FUJIFILM X-H1 / XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS / PRO Neg. Std
FUJIFILM X-H1 / XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS / PRO Neg. Std

我が家より100mほど標高の高い上の集落では、お十二様のソメイヨシノが満開になっていた。ご多分に漏れずこれも例年よりは一週間ほど早いことになる。

枝先の花をよく見ると、花が開ききる前に昨日の雨に打たれたためか、すこし勢いがない感じ。でもこれから開くつぼみもあるので、まだしばらくは桜の季節を楽しめそうだ。

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ストーブ点火

2018/4/18

ここ数日寒い日が続いてやや困惑している。一昨日、昨日と朝晩はストーブ点けないとやってらんない状況だった。

今日は昼前まで雨模様だったが、午後になって急激に春の陽気に戻ってくれて助かった。その雨上がり早々、先日渡ってきたばかりのクロツグミが嬉しそうに歌い出した。

FUJIFILM X-H1 / XF50-140mm F2.8 R LM OIS WR / PROVIA

FUJIFILM X-H1 / XF50-140mm F2.8 R LM OIS WR / Velvia

県北の山間の集落だと、まだまだ桜が絶賛満開中。ただ例年とちょっと違うのは薄っすらと新緑も始まっている点かな。

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サクラヒガラ

2018/4/17

先々週、某所での撮影の立ち会いの間、近くに巣でも構えているのかソメイヨシノに頻繁にヒガラがやって来ていた。ただ待っているのはヒマだったので、車からG9 PROを降ろしてきてサクッと撮影してみた。

カラ類なので例のごとくひと所にジッとすることなくトリッキーな動きだったが、連写番長たるG9 PROの面目躍如で、ひたすら先読みして連写で挑んだ。

もちろん、横では撮影業務が進行中だったので、電子シャッターによる音無しの構えだったのは言うまでもない。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

パナライカの100-400は換算800mmという長焦点にも関わらず非常にコンパクトで、こういう人目のある場所で使用するには都合が良い。

よく都市公園で三脚に載せた巨大な白レンズ..黒レンズもいるが..の使用者を見かけるが、よくもまあこんなところでご苦労さんとしか言えないね。

ちなみに4枚目はメジロ、5枚目はシジュウカラ。都市公園の桜の季節はメジロ写真が多く出回るが、この日のメジロは時間内には低いところに下りてきてくれなかった。

今年は久しぶりにブナが花を付ける年である。

ブナは数年おきに花をつける。そのため実がなる年とならない年があるため、年によっては凶作という事態になり、ツキノワグマのようにブナの実を当てにしている生きものには打撃となる。

とは言えクマもブナの実だけ食べているわけではなく、その時々で腹いっぱい食えるものを探しているので、世の中が騒ぐほどのこともないのだが、総量からすると食糧事情が悪くなるのは事実なので、里での目撃頻度が高くなるのは仕方ないだろう。

という事で、今年の秋はクマ騒動は少なかろうと想像するが、自然の成り行き上それは秋になってみないと判らないのが実際のところだ。

FUJIFILM X-T2 / XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR / PROVIA

左がブナの雄花のつぼみ。右はブナ林ではおなじみのコシアブラの新芽。

ちなみにブナは風によって受粉する風媒花。桜のように虫や鳥など生きものの力を借りる..場合は虫媒花と呼ぶ..ことはないので、花自体は目立つ必要がないため、見た目の色味も薄く地味なものだ。なので知らない人には花を咲かせた事実さえ判らないだろう。

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オートフォーカス(以下AF)の黎明期はフィルムカメラの時代まで遡る。ミノルタのαショックはある年代の人から上の層なら記憶にあるだろう。

当時のAFは文字通り人の手から機械へピント合わせという行為を移譲することだったので、シャッターボタンの押下と連動していたのは自然の成り行きだった。

ただ、今のようにAF測距点が多点でなく中央1点、多くても横並びに5点程度だったので、中央で主題にピントを合わせてからフォーカスをロック(以下AF-L)し、フレーミングし直すという一つ余計な作業が必要であった。

そこで、記憶では最初はC社EOS-1..1989年発売の当時世界最速AFのフィルムカメラ..だったと思うが、カスタムセッティングでシャッターボタン押下とAF動作を切り離し、背面にあったAEロックボタンにAF動作を割り当てられるようにしたのである。

この件は某風景写真の大家が関係しているとかいないとか聞き及んでいるが、何れにせよ該当ボタンがカメラを握った右手親指で押す位置にあったことから、以降この動作を親指AFと呼ぶようになったのである。

FUJIFILM X-T2 / XF35mm F1.4 R

うちに現存するC社最後のフィルムカメラであるEOS-1Vの背面。1や1nの時代はAEロックボタンが兼用であったが、1Vから専用ボタン(左側のボタン)に変わった。

親指AFは静物写真である風景の分野で喜ばれたのは言うまでもないが、生きものを撮るカメラマンにもこの動作はすんなり受け入れられた。そしてその後は現在に至るまで、ほぼすべてのメーカーのカメラに独立したAFボタンが装備されている。

ただ、近年その右手親指は色々忙しいのである。最たるものはAF測距点の多点化に伴い用意されたフォーカスレバー的なUIであるが、それ以外にも露出補正やAEロック、フジならばフィルムシミュレーションの選択など、撮影前または撮影時に様々な役割が増えてきているのだ。

それら一連の行為をファインダーを覗きながら一気に行えるのは便利この上ないのだが、それにも増して親指は忙しい。しかもメーカーが異なるとボタンやレバーの位置も違えば役割自体逆のこともあり、ピントを合わせようとして別の機能が呼び出されたりしてしまうことも自ずから増えてきているので厄介だ。

FUJIFILM X-T2 / XF35mm F1.4 R

フジのX-Tシリーズにはカメラを握る右手中指の当たる位置に、ファンクションボタンが用意されている。写真はX-H1だがこれはX-T1の時代から引き継がれてきているものだ。

他メーカーにも同じ位置にボタンがあるカメラはあるが、フジの場合ここにカスタムセッティングでAF作動を割り当てることができる。つまり、AF作動を中指の専任担当とし、親指は露出周りの別の仕事に専念させることで、撮影に至る一連のシーケンスを分業化で一気呵成に行えるのである。

EOS時代、AFボタンとサブ電子ダイヤルを行ったり来たりして過労死寸前だった右手親指だったが、フジのXシリーズを使うようになってからはほぼ露出補正担当、時々AF測距点選択他という役割に落ち着いている。

と、こうなるとうちの場合はパナのGH系が異端児化してしまうことになる。GH4以降はほぼ動画専用機と捉えているので問題ないと言えばそうなのだが、正直なところGH5でも中指AFが欲しいのが本音ではあった..

FUJIFILM X-T2 / XF35mm F1.4 R

それがどうだろう、ユーザーの声が届いたのかどうかは別にして、G9 PROには右手中指の当たる位置にFnボタンが装備されたのである。しかもカスタムセッティングには相当のこだわりがあるパナなので、当然ここにAF作動を割り当てることができる。

FUJIFILM X-T2 / XF10-24mmF4 R OIS

直前まで望遠ズーム付きX-H1で撮影していて、目の前に来たところで首から下げていたX-T2にスイッチしてスローシャッターで流し撮り。右手親指で露出補正しつつ、中指AFでワイドトラッキングAFを使って撮影。露出補正もAF作動も親指だけでは同時にできない例。

とは言え、フジもパナも親指AFはそのまま使えるようにしているので、状況に応じて中指AFと使い分けるようにしている。過去の習慣もあるので今のところ使用率は半々だと思うが、中指AFができるかできないかは、その便利さを知ってしまった今では結構重要な要素になった。

雀色

2018/4/14

先月でヒマワリレストランはシーズン終了となって店仕舞いしたが、餌台はまだそのまま放置してあるためか、カラ類は時々朝イチに様子を見にやって来る。

ロシア組はまだ近所の雑木林には数少なく滞在しているが、我が家にやって来る個体はさすがにもういない。スズメたちも半減してかなり静かになったが、居候ペアは時々地面からヒマワリを見つけては食べているようだ。

FUJIFILM X-H1 / XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS WR / PROVIA

FUJIFILM X-H1 / XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS WR / PROVIA

日本の伝統色に雀色があるが、それは言葉通りスズメの色のことで、頭部の赤褐色気味の茶色を指す。今風に言えばココア色とでも言おうか。

元々スズメ自体がそうだが、一見地味に見える色合いでも、単色で使うとなかなか味わい深い色であるなぁと、Webデザイン屋の意見としてはそう思うのである。

今度、和のテイストを要求された時は提案してみようかな。

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小中大滝

2018/4/13

春の赤城山麓を代表する花木と言えばアカヤシオだ。アカヤシオは木々が芽吹く少し前にピンクの花をつけるため、ヤマザクラと同様、お、こんなところに生えていたかと気が付かされるのもこの時期だ。

とにかくこの春は花の足が早いため、すべての撮影スケジュールを例年より10日前後前倒ししているわけだが、標高で300〜500m前後だと小中渓谷の大滝周辺が見頃だろうと当たりをつけて訪れてみた。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR
FUJIFILM X-T2 / XF50-140mm F2.8 R LM OIS WR(1枚目)
FUJIFILM X-H1 / XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS(6枚目)
Velvia / PROVIA(6枚目)

帰りは先年より張り込んでいる某谷で天狗様の様子を観察する。アプローチ林道は例年なら落石などを避けつつ行けるところまでといった感じなのだが、この春はすでに森林組合が入って作業しているので、難なく奥まで入ることができた。

午後にはデスクワークが待っていたので、谷を見通せるカーブ脇で3時間ほど観察してから引き上げたが、谷が本流と出会う標高800mほどの向かいの斜面からは、クマタカの鳴き声が聞こえてきた。

そう言えば営巣木があったなと斜面を見上げると、緑の縞々に区切られた早春と春の境目が見えた気がした(写真6枚目)。

お十二様

2018/4/12

下界では桜の季節は足早に通り過ぎたが、標高の高い赤城高原では一昨日から辺りから満開となったところが多く、うちのソメイヨシノも昨日満開となった。例年に比べて10日程度早いかな。

そして今日は地区のお十二様。今年は区長を仰せつかっているので、神道さんを呼ぶなど段取りを図ってつつがなく行事を行う。元々ここらの生まれではないので、諸先輩方に色々教えを請うての進行であった。

FUJIFILM X-T2 / XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR / PRO Neg. Std
FUJIFILM X-T2 / XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR / CLASSIC CHROME

FUJIFILM X-T2 / XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR / PRO Neg. Std

例年だと春のお十二様の時期はまだ桜は開花しておらず、地区の花見は下旬に行う道路愛護の時に一緒に催す。なので今年はお十二様と花見が一緒になって、まあこれはこれで良かったのではないだろうか。

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先週末の時点ではまだ開花してなかった上発知の枝垂れ桜。その後に寒の戻りで気温がぐっと下がっていたので開花が読めなかったが、昨日の時点で七〜八分咲程度だったので、今晩の雨の影響がなければ今週末辺りが見頃となりそう。

以前はそれこそ田舎の知る人ぞ知る桜だったが、某風景写真雑誌に地図入りで紹介されて以降、桜の時期になると県外からもカメラマンが押しかけるようになった。

ここに限らず全国的な問題ではあるが、周囲の田畑に入り込んで畔を踏み壊す輩が増えているとも耳にするので、地域住民に迷惑を掛けないように撮影してもらいたいものだ。

ま、こういう言い方は不適切ではあるが、年配のカメラ親父にこそ分別無き輩が多いのは事実で、ご高齢ともなれば「人に迷惑をかけない」再教育もままならず、何れ自然消滅?するであろうその日まで待つしかあるまいw

早春の花であるダンコウバイが上州武尊山をバックにようやく花を付け、春の陽光に照らされていた。

発地は沼田の奥座敷的な場所で、さらに奥はブナ林で有名な玉原が控え、日陰にはまだ残雪があるような地域だ。本来ならGW前ぐらいに春を迎えるのだが、今年は他に倣ってやはり春が早い。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR
FUJIFILM X-T2 / XF50-140mm F2.8 R LM OIS WR(2枚目・4枚目)
Velvia
カテゴリ:花・植物|タグ: