カテゴリ : ほ乳類

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20140302

最初に姿を現した時にぐぅっと低く唸るように声を発したが、その後は何を言うでもなくダンマリ。距離は10mほどだが、お互い雪の山を挟んでいるので、近づくことも寄ってくることもない。

山親爺とも称される立派な体躯は雄の成獣だろうか。その毛足の長い美しい冬毛が、雪レフの反射で1本1本数えられるほどはっきり見る。心なしか獣臭も漂ってくる。

お昼ごろに天狗様が巣材を掴んで営巣谷へ入っていってから、その後は時折カラ類が木々を渡っていくくらいで静かそのものだったので、突然の訪問者は歓迎といったところだが、一体何を考えているのか聞いてみたいほど、その動きは緩慢でのんびりしたものだ。

30分ほど滞在していただろうか。最後に再び何か言ったようにも聞こえたが、谷を渡る風にかき消されてよく聞き取れなかった。そうこうして振り向いた時には、もう付近には姿がなかった。

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雪少ない

2014/1/16

今年は雪が少ない。少ないというよりほとんど無いと言ってもいい。1月でこんなに少雪なのは近年記憶に無い。北部の山沿いには売るほど雪が積もっているので、単に赤城高原に降ってないだけなんだけどね。ま、雪が少ないほうが生活の面では有り難いのだが、もう少しあっても良いかな、と映像的には思ってしまう。

20140116

朝、珍しく牧草地にシカが残っていた。大抵は夜が明ける前には森に帰っていくのだが、時々朝帰りのヤツもいる。雪を掘り起こすことなく餌にありつけるこの状況は、連中にとっては間違いなく吉だろう。

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不用心

2014/1/15


20140115

山から降りてくると、林道脇の貯木場に、朝は見られなかったノウサギの足跡を発見。急ぐふうでもなく、ジグザグに開放空間を移動しているが、こんなピーカンの真っ昼間、天狗様の狩場内をうろつく不用心者がいるのはありがたいことである。

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少雪越年

2013/12/30


20131230

その後にまとまった雪が降らないため、予想とは裏腹に少雪の越年となりそうだ。北部フィールドの林道も一部は車で進入できるところがチラホラ。ただ、鉄砲撃ちが先客として入り込んでいるため、溶けて凍ってを繰り返した路面は条件が悪く、板バネジムニーにはちと辛い状況だ。


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林道の周辺から新しい伐採地周りを歩き回ると、ノウサギのフットプリントを結構見かけた。過去に何度か書いていることだが、ノウサギの足跡を見るのは嬉しいことである。 木を切ったからといって、シカのようにそう簡単に増えてくれないのがノウサギだから。

フードチェーンの頂点に立つ捕食者たる天狗様を守る上で、餌動物の数というのは非常に重要な要素である。天狗様そのものを直接保護する施策も大事だが、繁殖活動を持続させていくの必要な餌量を確保できるように、ノウサギやヤマドリが増えていくような環境作りに重きを置くほうが、より効果的に天狗様の保護につながる。

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クマ棚少ない

2013/12/28

観察中にハンターに声をかけられたので、これ幸いと情報収集したところ、予想通りこの秋は山の実りは悪くなかったようだ。片品の知り合いの猟師も似たようなことを言っていて、ミズナラやコナラなどどんぐりは出来が良かったらしい。特に山中のどんぐりが良かったようで、里山界隈でのクマの目撃例は少なかった。もちろんだから駆除数が少なかったかといえばそんなこともなく、例年並み程度は捕殺されたとも聞くが。

よくクマ棚の数が少ないと、クマ自体も少ないと勘違いしている輩がいるが、クマ棚とクマの数に相関性はない。クマ棚が一つの斜面に沢山あったとしても、そのほとんどは一頭ないし親子など身内で作ったものだ。クマにもナワバリがあるので当然の話しである。ただ、例外なのが芽吹きの頃。冬ごもりから明けてすぐの頃は、争いよりも食欲優先と見えて、同じ斜面に複数のクマが見られる時がある。

クマ棚を目にするのが落葉期の冬から春にかけてのためか、棚が出来るのは秋だと勘違いしている人がいるが、クマが木に登ってドングリを食べるのは、盛夏から秋のはじめにかけてのことである。まだ葉が青いうちに枝が折られると、葉が落ちずにそのまま枯れるため、密集して枝が折られた場所がクマ棚として目立つようになる。理屈から言えばサルがやっても同じことになるが、移動しながら餌を探すサルと違ってクマは1カ所に留まる傾向が強いため、より大きな棚ができることになる。

20131228

しかし、その頃はまだ実が青くそんなに旨いとは思えないのだが、実の出来不出来を知っているクマにしてみれば、餌の競合を避け、先食いしている状況にあるわけだ。では誰と競合しているのかといえば、昨今増えた増えたと騒がれているイノシシとシカであることは明白だ。蹄の連中は木に登れないため、落果したドングリを狙っているわけで、クマにしてみれば落ちる前に食べてしまう戦略をとっていることになる。クマ棚とはその過程できる産物というわけだ。

と言うことで、クマ棚の数が少ないとはどういう状況か、それはクマが木に登る必要がないことを意味する。落果したどんぐりを食べて事足りるということは、体力を使うを木登りをすることもなく、競合他種と分けあっても問題ないレベルの餌量であるということなのだろう。

冒頭のハンターいわく、この冬はクマが穴に入るのが早いとも言っていた。十分に栄養確保ができたクマたちは、本格的な積雪を前に、お気に入りの冬眠穴に早々に逃げ込んていることが想像できる。用心なく安易な場所に潜れば、運悪く穴撃ちされてしまうこともあるが、そこはそれ野生の勘で犬にも近づけないような斜面を選べば安心だ。

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20131126

霜が降り、雪も降ろうかというこの時期においても、未だに畑で青々としているのはライ麦。何もこの期に及んで収穫を目論んでいるわけで はなく、来春畑ににすき込んで緑肥とするためのものだ。

どうせ肥料になるのだからと捨てて考えているのか、スパッと食われた葉先を見るまでもなく、ここが夜な夜な養鹿場になっているのは明らか。もう発情期も峠を超えているので、うら若き娘さんの悲鳴のようなラッティングコールも少なくなったが、宵の口に通りがかった際にシカとぶつかりそうなったとか何とか、近所の連中がぶつくさ言っているのを聞くのも今頃だ。

数年かけて集落と耕作地の周りをアニマルキラー(電気防鹿柵)で囲ったが、目に見えてシカの被害は減っていないと農家は嘆く。そりゃそうだ、こうしてシカの食い扶持をご丁寧に自分たちで用意しているのだから。この時期はもう農繁期を過ぎて、直接の被害がないのは判るが、シカが無事に冬を越す手助けをしていることに、そろそろ気付くべきだろう。

猟期を迎えて山が鉄砲撃ちで賑やかになってきたが、増えたのなら獲って食うのもひとつの手だ。自然界に捕食者がいない..正確にはいなくなっただけど..以上、人の手で減らすことに躊躇する必要はない。そうだ、獲って食って畑を守ろう。

注意

2013/10/18

薄暗い林内から狭いながらも視野を見つけ、スコープを覗いて様子を確認。デジスコで写真を数枚撮って一応目的は完了。ふと気づくと体中に大量に付着する黒い物体あり。

そう、黒山の人集りならぬ蝿集り。気温が下がったため、動物など体温の高いものにハエはよく集りたがるのだが、それにしてもすごい数だ。これはもしやと周辺を探すこと10分。15mほど離れた杉林の林床に何やら生きものの骸を発見。

骨だけならブログネタなのだが、まだ肉片がこびり付いた生々しいものであったため、アップには少々はばかる感じ。気温が低いので臭気はさほどでもないが、ハエの発生源はこれである断定。現場が現場なだけに直接の死因は不明だが、モノはまさしくカモシカ、それも幼獣だ。

付いて回るハエを払いつつ観察するも、明らかに何者かに食われているのは明白。それも割りとすぐ最近と見た。そしてこんな日に限って、うっかり唐辛子スプレーを車に忘れてきてしまった自分に気づく。林道途中の藪に走って逃げ込むのを目撃した、黒い体毛のアレかと思うと厄介なので、わざと大きな声を出しつつ、そそくさとその場を立ち去った。

20131018

注意?え、俺っすか?いやいや..

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20130903

この夏も結構あちこちでクマ騒ぎがあったが、

久しぶりに出掛けたいつもの林道入口にも注意喚起の看板が下がっていた。

この手の看板は大抵は季節を無視して一年中出しっぱなしなケース多く、

それだとオオカミ少年状態で効果の程はいい加減疑問なのだが、

この地区は割とタイムリーに出したり引っ込めたりしているので、

良く判っている担当者がいるのだろう。ま、何事も慣れが一番怖いのである。

余談だが、この手の絵柄は煮ても焼いても食えないような図案が多いが、

このイラストはなかなかセンスが良いように思う。

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小雨模様の中、三脚の前に立ってファインダーを覗いていると、目の隅に何やらモコモコしたものがうごめく気配を感じた。

ふと足元を見下ろすと、そこにいたのは何とアナグマ。しきりに三脚の脚の一本に鼻を寄せ、クンクンと匂いを嗅いでいる。予想だにしない思わぬ珍客に、こちらは身動きもできずに立ち尽くす。そう、時間にすれば10秒ほどだろうか、アナグマは気がすんだのか、匂いをかぐのをやめ、こちらの視線に気がついて顔を上げたため、お互い目が合うことに。

そしてここで再び10秒ほどの沈黙の後、フフンと鼻を鳴らすとスタコラ歩き出し、信じられぬことに何とこちらの股の間を通りぬけ、そのまま森の中へと消えていったのである。アナグマの目が悪いのは知ってはいたが、よくもここまで平然と近づいてくるものだと感心することしきりである。

まあ長いこと山や森をうろついてはいるが、ここまで呑気なアナグマは初めてのことだ。

20130613

そして三脚に寄ってきたのはアナグマだけではない。ジャノメチョウの仲間であるヒカゲチョウが、どんなに追い払っても執拗に集ってきて、雲台周りをしきりに舐めていた。恐らく付着している手汗からミネラルを補給していたのだろう。特に害があるわけでもないので、最後は気が済むまで放っておいた。

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慌てて帰る

2013/5/18

20130518

お母さーん、と言ったかどうか定かではないが、

ギャワワーンという母ギツネの呼び声に、

慌てて戻っていくこの春生まれのキツネの子っこ。

道端に落ちていた古い柿の実?に興味津々で、

兄弟三匹で取り合いのじゃれっこをしていたが、

近くに人がいるのを森の中から見ていた母ギツネが、

いても立ってもいられなかったのだろう、

早く帰って来なさーい、って感じだったのかも。

いや春真っ盛りだね。

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