photrest banner

クマ棚少ない

2013/12/28

観察中にハンターに声をかけられたので、これ幸いと情報収集したところ、予想通りこの秋は山の実りは悪くなかったようだ。片品の知り合いの猟師も似たようなことを言っていて、ミズナラやコナラなどどんぐりは出来が良かったらしい。特に山中のどんぐりが良かったようで、里山界隈でのクマの目撃例は少なかった。もちろんだから駆除数が少なかったかといえばそんなこともなく、例年並み程度は捕殺されたとも聞くが。

よくクマ棚の数が少ないと、クマ自体も少ないと勘違いしている輩がいるが、クマ棚とクマの数に相関性はない。クマ棚が一つの斜面に沢山あったとしても、そのほとんどは一頭ないし親子など身内で作ったものだ。クマにもナワバリがあるので当然の話しである。ただ、例外なのが芽吹きの頃。冬ごもりから明けてすぐの頃は、争いよりも食欲優先と見えて、同じ斜面に複数のクマが見られる時がある。

クマ棚を目にするのが落葉期の冬から春にかけてのためか、棚が出来るのは秋だと勘違いしている人がいるが、クマが木に登ってドングリを食べるのは、盛夏から秋のはじめにかけてのことである。まだ葉が青いうちに枝が折られると、葉が落ちずにそのまま枯れるため、密集して枝が折られた場所がクマ棚として目立つようになる。理屈から言えばサルがやっても同じことになるが、移動しながら餌を探すサルと違ってクマは1カ所に留まる傾向が強いため、より大きな棚ができることになる。

20131228

しかし、その頃はまだ実が青くそんなに旨いとは思えないのだが、実の出来不出来を知っているクマにしてみれば、餌の競合を避け、先食いしている状況にあるわけだ。では誰と競合しているのかといえば、昨今増えた増えたと騒がれているイノシシとシカであることは明白だ。蹄の連中は木に登れないため、落果したドングリを狙っているわけで、クマにしてみれば落ちる前に食べてしまう戦略をとっていることになる。クマ棚とはその過程できる産物というわけだ。

と言うことで、クマ棚の数が少ないとはどういう状況か、それはクマが木に登る必要がないことを意味する。落果したどんぐりを食べて事足りるということは、体力を使うを木登りをすることもなく、競合他種と分けあっても問題ないレベルの餌量であるということなのだろう。

冒頭のハンターいわく、この冬はクマが穴に入るのが早いとも言っていた。十分に栄養確保ができたクマたちは、本格的な積雪を前に、お気に入りの冬眠穴に早々に逃げ込んていることが想像できる。用心なく安易な場所に潜れば、運悪く穴撃ちされてしまうこともあるが、そこはそれ野生の勘で犬にも近づけないような斜面を選べば安心だ。

カテゴリ:ほ乳類|タグ:
ポートフォリオ
portfolio
ネイチャーフォトサービス
photrest site banner
最近の記事
2019/2/18
お茶に春が来た
週の前半は平野部で外仕事に従事。この角度から見る我が赤城山は新鮮なことこの上ない。そんな我がスタジオ ...
2019/2/17
寄り道
明らかに何かを探しつつ、パタッ、パタッという感じの歩き方が見て取れるノウサギのフットプリントだ。 F ...
2019/2/16
3より30がお買い得
手元のX-T2の引取先が見つかったので、そろそろX-T3を手に入れようかと思っていたところ、先日発表 ...
2019/2/14
羽痕
CP+を前にパナのS1が発表され、早速色々情報を調べているところ。一部予想外な点もあったが、概ねこれ ...
2019/2/13
冬の色
まだ2月も半ばに差し掛かったところだが、この週末辺りから暖かくなるという話で、赤城の麓もボチボチ春め ...
2019/2/11
二手に
二匹のキツネがじゃれ合うように歩いてきたと思ったら、不意に目の前で二手に分かれた。 FUJIFILM ...
2019/2/10
関東大雪ならず
最強寒波の影響で関東の平野部でも大雪の予報が出ていたが、結局予報は杞憂で終わって何事もなく済んだよう ...
2019/2/9
寒い季節の三脚あるある
記念すべき観測史上最強寒波が北海道襲うさなか、その余波の影響をもろに受けた北東北の山中に滞在するのは ...
2019/2/7
朝の色転び
同じ日、同じ場所で撮影したのに、微妙な時間差で色の転び方が劇的に変化するのが日の出少し前くらいの時間 ...
2019/2/5
おっと危ねっ!
って思ったよね多分w 最後のステップの左足の位置にノウサギの焦りが見えるかも。 FUJIFILM X ...
アーカイブ
以前のブログ記事はこちら 
  • 当サイトはプライバシー保護のためSSL暗号化通信によって保護されています。