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シグマの本気

2019/7/12

昨夜はシグマfpの話題でネットのカメクラ界隈は賑わっていたが、どのくらい賑やかだったかと言えば、シグマのサイトがダウンして繋がらなかったぐらいに。

さて、昨年来、Lマウントアライアンスに則りシグマが35mmフルサイズ機を出すことはアナウンスされていて、その記念すべき第一号がfpということである。

詳しいスペックはここでは割愛するが、センサーが同社自慢のFoveonでなく、一般的なベイヤー型..仕様的にソニーの裏面照射型CMOSセンサーだろう..だったのが某界隈では賛否両論のようだ。

ちょっと意外だったのは、fpはどちらかというと動画寄りのコンセプトである。もちろん写真も撮れるので、世界最小最軽量な35mmフルサイズ機というのは間違いないが、コンセプトムービーを見る限り動画撮影を重視しているのは間違いないだろう。fpがベイヤーセンサーを採用したのにはそんな理由が大きいと思われる。

それともう一つ、動画重視といった大きな理由は12bitのCinemaDNG、つまり動画をRAWで記録できることである。最近のミラーレス機はLog収録できるものが増えているが、本格的な映画製作の世界ではRAW動画が求められており、本機はBMPCC4K(Blackmagic)に続くRAW撮影可能なコンシューマ機ということになる。

面白いのは、小さいことが是とされるミラーレス機において尚、持ちやすさ使いやすを優先して一眼レフ並に仕上げたパナのS1とはまったく逆のアプローチをしている点である。小ささを目指したというよりは、必要最低限の機能だけに絞ったらあの大きさになったと言わんばかりの仕様なのだから。

例えばストロボを付けるアクセサリーシューが外付けの別ユニットなのは、本格的な動画撮影時にはリグを組むのが当たり前であるとか、グリップが外付けなのも三脚やジンバルでの運用が前提の動画撮影を考慮してのことだろう。それに当然のようにドローンに積むことも想定内である。

では写真撮影は疎かかというとそんなこともなく、メカを廃しているので当然電子シャッターであるため、それが故にローリングシャッター問題は残る..この点は既存の他社製品でも条件は一緒..のだが、秒間18コマ連写とか、流行りの瞳AFにも対応しているので、世界最小最軽量な35mmフルサイズ機でのスナップ撮影というのも、同時に発表された小型45mmとなら現実味のある話となろう。

これは蛇足だが、fpは防塵防滴仕様であると同時に、放熱用のヒートシンクが組み込まれているのに驚く。そんなところにも最近のシグマの技術力の高さと、縮小するとほうぼうで懸念されている写真・映像市場への攻めの姿勢は凄いと言わざるを得ないし、その本気度は本物だ。

FUJIFILM X-T3 / XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS / ETERNA

標高700mの赤城高原は連日霧の中であったが、久しぶりに眼下の沼田市街地が望めた。

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