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螺旋の花

2018/6/22

里山の休耕地は小さな生き物たちの憩いの場だ。人にとっては無益であっても、命のつながりの中では無くてはならない空き地と言える。

そんな空き地に咲き乱れる野草の花々には、風まかせにやってくるもの、たまたま通りがかったもの、終日そこで過ごすもの、その甘い蜜を求めて昆虫たちが集まってくる。中でも目立つのはやはりチョウの仲間だろう。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / PROVIA

ネジバナに集まっているチョウたち。左がベニシジミ、右がモンシロチョウ。

日本では古くはモジズリと呼ばれていたネジバナ。学名のSpiranthes sinensisはギリシャ語で言うところの「螺旋の花」を意味するらしいので、まさに言い得て妙だ。

ネジバナは、休耕地など日当たりの良い土地の中でもある程度湿り気のある場所を好んで生える。時期的に梅雨時の今が花の盛りなのも、そんな事情があるのだろう。野草だが観賞用に古くから栽培も行われていたようだ。