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米CESで発表されたGH5sが話題だ。見た目はGH5そのものだが、センサーと画像エンジンはまったくの別物で、ISO51200を常用感度域とし、さらに設定でISO204800まで拡張できる。

米サイトでサンプル映像を観たが、フルサイズの低画素で高感度性能を謳うソニーのα7Sと比べ、動画だと同等、静止画ならGH5sの動画から6Kフォト切り出しのほうがノイズがなくクリーンなのだから恐れ入る。

フルサイズに比べてセンサーサイズが面積比で1/4程度のマイクロフォーサーズが、既存のどの市販カメラより高感度性能が高い、まさに高感度番長の時代が来るとはよもや思いもしなかった。

ただ、高感度に特化したこととバーターで、今どきのスチルカメラとしての性能は抑制されている。センサーサイズはマイクロフォーサーズでも画素数は約1000万画素と二世代前の水準に戻り、GH5で搭載されていたIBIS(ボディ内手ブレ補正)も付いていない。見た目はミラーレス一眼のそれだが、中身は動画専用機で割り切れというメーカーの主張がスペックに見え隠れしている。

それでも似通ったスペックで飽和しつつあるデジタルカメラ市場において、そういう尖ったカメラはアリだろう。常に動画ミラーレス一眼の先鞭をつけてきたパナの面目躍如だ。画素競争の果に高価なレンズを買い換えさせようとするのではなく、オンリーワンを目指そうとうするパナの姿勢は評価できる。

FUJIFILM X-T2 / XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS

GH5sに大口径単焦点レンズの組合せでどんな絵が撮れるのか楽しみだ。が、その前にマイクロフォーサーズの大口径単焦点レンズも手に入れなくてならないという問題もあるw

昨年は新しい機材に手を出すことはなかったが、今年は色々動きがあって面白い。何はともあれ、まずはGH5sは個人的には買いのカメラだ。

赤と青

2017/12/23

いつもの防風林を通り掛かると、頭上でけたたましくアカゲラが騒ぐ声が響いた。最初はこちらを警戒しているのかと思ったが、それにしてはヤケに執拗に鳴いている。

いよいよ我慢できなくなったのか、不意に飛び立って近くの太い幹の裏に隠れたかと思うと、今度はそこからアカゲラより一回り大きいアオゲラが飛び出してきた。

キツツキにどの程度縄張り意識があるのか知らないが、繁殖期でもないこの時期に、しかも同属とは言え別種を追い払うというのもなかなか珍しいことである。

結局アオゲラが身を引くことで争いは落ち着いたようだったが、アカゲラはアオゲラと同じ方向に飛び去ったので、あの後まだ追いかけて行ったのかもしれない。

LUMIX GH5 / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

LUMIX GH5 / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

それにしても、まだ日が昇るかどうかという時間帯。こんな薄暗い状況でも何とか写真が撮れてしまう..上の写真は何れもISO5000で撮影..あたり、デジタルカメラの恩恵は実にありがたい。

フルサイズ機に比べれば高感度性能が低いマイクロフォーサーズ機なれど、フィルム時代を知っている身にはそれでも十分なものである。

八高線はその名の通り、東京の八王子から群馬の高崎まで、武蔵野から埼玉の西の山際を縫うように走る。

東京へ出かける際は例外なく上越新幹線を利用するが、先日所要で立川に泊まったので、久しぶりに八高線を利用して戻ってきた。

記憶では恐らく二度目の乗車だが、せわしなく新幹線を利用することがほとんどの身には、実にゆったりとした時間の流れが貴重であった。

実際は拝島から乗ったのだが、終点高崎まで乗車していた人はほぼ自分ひとりであったのが印象的。生活の匂い漂う関東のローカル線といった風情は健在であった。

LUMIX GM1 / G VARIO 12-32mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S

GM1で車窓の景色を流し撮り。

荷物を少なくしたい時、マイクロフォーサーズのシステムは非常に便利である。特に世界最小のデジタル一眼を謳うパナのGM1は、発売されてからそこそこ年数が経つものの、その稀有な存在は未だ十分現役で使用できる。

とにかく小さいことはサイズとは裏腹に最大の武器だということだ。

黄鶲

2017/5/10

キビタキもまだペアリングしていない個体がいるようで、近所の雑木林で盛んにピッコロ、ピッコロと鳴いている。

時々隣の長老宅の庭にもやって来ているようだが、この時は珍しく裏の庭木で囀っていた。

仕事場の窓からパナライカの400mm側で撮影。GH5はローパスフィルターレスになって、明らかにGH4より抜けの良い絵が撮れる。

しかもm4/3の400mmは実質的にフルサイズ換算で800mm相当の画角になり、それでいてコンパクトに収まるのだから実にスグレモノである。

もう間違っても巨大な大砲レンズを使うなど御免被りたいね。

あまり好きではないパナの製品であるGH2を導入した理由の一つが、EXテレコンであった。動画的に画質劣化すること無く、純粋に焦点距離を2.4倍に伸ばせるのが魅力であった。FD500mmがそのまま1200mmになる..補足するとm4/3仕様では2400mm..という算段である。

ところがそのEXテレコン、かなりマイナー機能だったと見えてその後の後継機ではある意味オマケのような扱いに成り下がり、GH3では酷いコンニャク現象の放置、GH4に至っては期待の4Kでは機能すらしないという有様である。

そんなEXテレコンが、GH5では再び復権したのだから嬉しくないわけがない。何しろ前述の通りの扱いだったので、GH5では存在すらなくなると踏んでいたからね。もちろんパナ独自の専用センサーだったGH2の時のような性能は期待しなかったが、FHDで2.7倍、4K60Pでも1.4倍と結構頑張った感がある。

以下のサンプルは、ややというかかなり特殊なシチュエーションだが、逆に言えば条件としては相当シビアなものだろう。

約200m離れた電線に止まるムクドリ..うちの近所では春告鳥だ..を、35mm換算で約5000mmに1.4倍のEXテレコンを効かせ、同7000mm相当で撮影した4K60Pの動画から切り出したものを、ノーレタッチ、ノートリミングである。

間にはヘイズの発生源である耕作地を挟んでおり、動画上はピンがゆらゆらと動くので、フレーム単位でピンの良い位置を狙って静止画として切り出している。この絵が使えるかどうかは見た人の判断となるが、撮影条件を考えれば個人的には驚異的な画質と言える。

上記のような条件で狙うはほぼ天狗様ぐらいなので、そこはまあ特殊であるのは当然だが、実際のフィールドでワイルドライフを狙うシチュエーションに置き換えてみれば、なかなかに魅力ある性能であることは明白だ。

先日の記事でも書いたが、ワイルドライフ撮影では撮れるか撮れないか、という切実な問題が常に立ちはだかるのである。どう写っているかが問題なのではなく、何が写っているかが大事なのだ。

GH5の新機能で、期待していたものの一つがボディ内5軸手ブレ補正がある。下位モデルではすでに実現されていたので、GH5での実装も当然と言えば当然なのだが、4K60Pの熱処理対策の為に犠牲になる可能性もあるかなと思っていたのも事実だ。

ボディ内手ブレ補正と言えば、同じm4/3陣営のオリが先行している。実際、各種メディアのインプレで報告されている通り、同E-M1 Mk2の強力な手ブレ補正の性能には驚くばかりでだ。

さすがに動画カメラとして使用前提のGH5に、そこまで手持ち撮影時の性能を求めることはないのだが、個人的にもボディ内手ブレ補正のカメラは初めてなので、少々心躍らせて検証を試みた。

検証に使用したのはこの組み合わせ。我が(無駄に)永き撮影キャリアの友とも言える銘玉キヤノンNew FD500mm F4.5Lである。

こんな30年以上前の代物を現役として有効に使える辺り、m4/3規格サマサマだが、GH5..E-M1 Mk2でも同じだけどね..の登場でこいつを手持ちで使おうという魂胆がふつふつと沸き立ってきているのだ。そうTMがそんなありきたりのレンズで検証などするわけはないw

ということで、居間のサッシの隙間から餌台の常連を狙ってみた。距離はFD500の最短撮影距離である5m少々で、当然何れも手持ちMF..ややピンアマwはご勘弁を..である。

で総合的な結果だが、換算1000mmの画角となるこのセットで、1/500秒以上のシャッターが切れれば結構な歩留まりでイケることが判明。これなら十分に緊急用に使える。

その他、パナライカ100-400の望遠端(800mm相当の画角)で、3m前後の至近距離で1/8秒でもそこそこ手ブレを止められることが判り、期待していた以上の性能があることが判った。Dual I.S.2が機能しないオリのM.ZUIKO ED12-100PROでも、広角側1/2でも止まる。

元より低速シャッターでは被写体ブレは止まらないので、あくまで緊急避難的な使い方に限られるが、撮れるのと撮れないのとでは雲泥の差があるのが、ワイルドライフ撮影の世界である。

でっけー

2017/3/27

すでにGH4を撮影班に払い下げてしまったので新旧比較できないのだが、でっけーっていうのが素直な感想。

記憶にある中でGH2辺りと較べると、倍くらいデカイんじゃないかと感じてもそれほど大げさでないかも。個人的にはまったく問題ない大きさだけどね。

もちろんフルサイズの一眼レフと比べれば小さく軽いのは当然なのだが、センサーサイズが一回り大きいAPS-CのX-T2と比較しても、そのボリューム感はGH5の圧勝である。GH4でギリギリでリグ組んでたりするとちょっと危ういかな。

X-T2も30Pとは言え高精細な4K映像を連続10分..バッテリーグリップ付きなら30分迄延長可..記録できるが、GH5は4K60Pをバッテリー続く限り無制限に記録できる点で、実は規格外のモンスターカメラなのだ。

4Kデータを連続して処理するにはそれなりの熱対策が要求されるが、逆に言えばその辺りの放熱処理をこのサイズの筐体に入れ込んできたパナの技術力は賞賛に値しよう。

同じ業務用カムコーダーの老舗である某SO社..いわゆる糞ニーねw..など、4K撮影でカメラが熱暴走するという事態で騒いでいたが、パナはGH4の時からあまりその手の話を聞かない。

似たようなスペックの高倍率ズームを付けて..撮ってからGH5にはM.ZUIKO 12-100 PROにすべきだったと気付くw..並べてみる。X-T2はFUJIFILMのAPS-Cミラーレス機の中では大柄と言われているが、それでもGH5の前ではコンパクトなカメラである。

4K60Pで武装するGH5もここまで唯一無二の存在となってくると、さすがにm4/3のミラーレス機のくせにデカイとか何と文句を言う輩もいるまい。パナは小型のカメラもラインナップしているので、ミラーレス機本来のコンパクトさを求めるなら選択肢は色々ある。

何より、業務用カムコーダーの性能をレンズ交換式一眼カメラの中で実現されてしまっては、さすはにパナは好きじゃないとか言ってられないねw

フォトキナ2016から流れてくる情報が久しぶりに色々興味深い。

今年は現地に直接出向いている知人もいて、ネット情報と合わせてをあれこれ類っているが、実機が登場する来春まで近年まれに見る面白さ..自分にとっての話だけどね..と言ってもいい。

まず、AFプアだったオリが満を持して投入するのがOM-D E-M1 Mark IIだ。素晴らしくキレの良い神レンズ群を用意しているのに、その性能を活かせるAFがなかったのがこれで解消されると期待したい。AF追随でRAWを18コマ/秒は、C・Nの一眼ミラー機にはどう逆立ちしても実現できないだろう。

動画も4K..それもなんとDCI4Kだ..となり、お家芸の5軸手ぶれ補正はその動画にも対応、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROと合わせれば6.5段分の補正可となって、もはやギンバルやスタビライザーの類は必要ないかも。

シャッター半押しで全押し前の14コマから記録できるプリキャプチャーなど、業務用ビデオカムコーダー顔負けの機能もあり、これは結構実戦的な感じ。

パナからはいよいよGH5がお目見えする。こちらは開発発表という段階で4K/60P以外の話題はあまり聞こえてこないが、オリ同様にボディ内5軸手ぶれ補正が新機軸だろう。今どき40万もの大金ふんだくっておいて4K/30Pしか撮れないどこぞの5D4など、早くも周回遅れでどうでも良い感じ。

ただ、懸念される点もあって、先行して発表されたG8がまんまGH4と同等なところから、GH5の価格が結構高くなるのではないかと勘ぐっている。導入コストを安く抑えられる点が魅力の一つであるm4/3なのだから、先のE-M1Mk2ともどもなるべくリーズナブルな価格帯に抑えて欲しいぞ。

そして一番興味津々なのは、噂の絶えなかった富士の中判ミラーレスGFXだ。APS-CのX-T2の画質からしても非の打ち所がないというのに、それがフルサイズセンサーの1.7倍で5000万画素とくれば、これまた他所のフルサイズ機など蚊帳の外って感じ。

中判カメラと言ってもミラーが無いのでサイズは実にコンパクトで、デザインもXシリーズを継承していて秀逸。予想されるお値段もおハッセル様のようなとんでも価格ということもなく、メーカーサイドでもレンズ付きで100万を切ると言っているので、コマーシャル系の商業カメラマンなら十分元が取れる線ではなかろうか。

仕事の関係もあって、4K動画の撮れないカメラを使うことはないと決めているのだが、正直GFXにはクラクラしてしまう。実機に触ったらちょっとヤバイかも(苦笑)。

そしてGFXの次に興味をそそるのは、業界筋ではオワコンの呼び声高い..一時、資金調達面で危うい話があったしね..アクションカムの元祖GoProから登場する全部入り低価格4KドローンKarmaだ。

業務用ドローンではほぼDJIが独占している市場に、恐ろしいほどの低価格で投入される戦略商品がKarmaで、一昨年辺りから出る出る詐欺状態が続いていたのがようやくお目見え&即発売と来ているから驚きである。

いつものGoProプロモを見る限りホビー用途っぽい打ち出しをしているが、しっかりギンバル付きで4Kも記録でき、別途タブレットPCを用意すれば操縦と撮影を切り離せるので、十分業務でも使えると想像している。

と色々有りすぎて、あとは情報が入り次第個別にはまた後日記事にしようかと。え?ソニーのαはどうしたって?ああ、SO社は取り敢えずどうでも良いです(笑)。

20160922

相変わらずのスッキリしないグズグズ天気で、山の稜線までガスの中。何か止まっていたような気がしたが、ガスの晴れ間に確認したけどやっぱり何も止まっていない。

ほぼ一年前になるが、C社より超高感度の動画撮影に特化した多目的カメラME20F-SHが発売された。EOSともCINEMA EOSとも付かないので、完全に業務機のカテゴリである。

お値段300万円、外部レコーダー無くして単体では記録すらできないシロモノだが、EFマウントでレンズ交換でき、最大でISO感度400万の1080Pを外部出力できる。

値段と仕様からして必然的に特殊用途であり、一般的ではないので忘却の彼方であったが、仕事仲間からC社のサイト以外でME20F-SHを使って制作されたムービーを見つけたと連絡あったので、早速視聴してみた。

撮影感度はISO40万らしいが、星空をしかも動画でここまで記録できるのは凄いことである。

静止画なら長時間露光して軌跡を写し止めたり、今どきならインターバル撮影の合成によるタイムラプスがあり、画質面では比較にならないが、件の映像は無灯火の暗闇での撮影なのである。

人物が話すシーンでは演出で弱いライトを当てているものの、それとて相当に明るさを抑えているのが判る。何よりその背景にはちゃんと天の川や流れ星が映り込んでおり、フォーカス送りでの演出も効果的に活きている。それに動画なので音声も同時収録できており、これは映像表現として大きい要素だ。

ノイズが多いって?いやいや忘れてはいけない。この映像は漆黒の闇を、それも動画で撮影したものだ。

あまりに地味過ぎあまりに光学、いや高額過ぎると世界中から批判の雨あられの5D4だが、こういった地道な基礎研究の発展を商品化してくるC社の底力は大したものである。あとはこの技術を以下に早くコンシューマに落としてくるか、期待したいものだ。

と少し褒め称えた途端、今日発表されたEOS M5の動画スペックを見てガッカリ。おいおい、今どき4Kも撮れねぇのかよ。一体何週遅れだっつーの..

20160915

今日は15日で十五夜、中秋の名月である。東の空には雲がかかっていたが、少し様子を見ていたら雲間に満月を何とか拝めた。

m4/3だとフルサイズセンサー機の高感度性能には及びもしないが、まあ餅は餅屋ってことで、こういうシーンはX-Transセンサーにお任せ。

夜烏

2016/8/8

この季節、夜に窓を開け放って仕事をしていると、家の上空を「クワッ」とか「グワッ」とかそんな声を発しながら通過していく奴がいる。

声の主は夜行性のゴイサギ。日中はねぐらにしている池の畔で休んでいて、日が暮れると採餌のために三々五々、餌場としている河川・湖沼に移動しているのである。

白目に当たる部分が赤いため、よく徹夜明けだからとウケ狙いで説明することがあるが、日中でも普通に行動するので、ヨタカやフクロウの仲間のアオバズクのように完全な夜行性というわけでもないようだ。

前述のように闇夜に紛れて飛んでいる割にはよく鳴いているので、「夜烏」と呼ばれることもある。

20160808

ゴイサギと入れ替わるように、同じく家の上空を飛んで行くのはアオサギ。こいつらも「クワッ」とか「グワッ」と言いながら飛んでいるが、ゴイサギほどは鳴かない。

夜間に飛んでいるゴイサギを撮るのは至難の業だが、日の出前とはいえこの程度の明るさなら、m4/3の体たらくな高感度性能でも証拠写真程度なら何とか撮れる。