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先日はC社ブランニューの70Dをキラーモデル(正確にはその新型AFだが)と持ち上げたが、C社にはもう一つ、そのスジのワイルドライフを撮影する者にとってのキラーモデルがあったのを思い出した。それは出る出る詐欺まがい状態からようやく日の目を見た、EF200-400mm F4L IS エクステンダー 1.4xである。

ワイルドライフ撮影といってもそりゃ千差万別なので、すべてに対応するという意味ではもちろんない。エクステンダー内蔵と言ってもたかだか560mm足らず、とても1km・2km先の天狗様を狙えるわけではない。ここで想定するのは、例えばアフリカやアラスカ辺りで大型獣を撮影するようなシチュエーションだ。

砂塵舞う原野でのレンズ交換が、センサーゴミとして命取りになるというのは、サバンナで撮影したことがあるものなら誰でも知っている。航空会社の荷物預かりの規制が厳しくなって、何本ものレンズ機材を海外に持ち出すことが困難なことは、海外取材に出かけるものにはとって自明の理だ。その昔、70-200にサンニッパとゴーヨンゴをバックパックに詰め込んで、空港のイミグレで右往左往していたのが懐かしい。

EF200-400mmは、N社が先行して同レンジのズームを出しており、フィールドスポーツ系の報道分野で重宝がられているのは業界では有名である。後追いのC社は十分リサーチの上で製品化したとみえ、エクステンダーを内蔵するというギミックを搭載してきた。エクステンダーを内蔵すること自体、実はENGカメラ用の業務用レンズでは特に珍しいことではなく、業務用レンズを多数製造しているC社にとっては、むしろお家芸といってもいい。写真用レンズならその昔、FD1200mm F5.6Lという超弩級レンズがあって、それがエクステンダーを内蔵していたのを憶えている。

レンズ交換することなく、1本でフルサイズ系なら200mmから560mm、APS-Cなら320mmから900mmをカバーできるというのは、そのスジのカメラマンにとっては便利この上ない。画角をクロップできればそれでもいいが、ファインダーが狭くなるなどの弊害もある。MTFを見る限り、エクステンダー組み込みによる画質低下は最小限に抑えられていると見ていい。それどころか、外付けのエクステンダーを別途装着することさえ想定されているのが驚きだ。

久々に欲しい、いや必要なレンズとして、EF200-400mmは目下赤丸急上昇中である。で、問題はその価格。もちろんその焦点域すべてのレンズを揃えるのに比べれば安いもんだが、それでも軽自動車1台が買える値段ともなれば、投資に見合うか否か、よくよく算盤はじいて皮算用しなければ..

20130705

鳥の糞でも付いているのかと思ったら、ゾウムシの仲間のようだ。ちょっと調べた限り、マダラアシゾウムシ辺りが近いようだが、正確にはよく判らない。

理想的なAF

2013/7/4

C社の某5の2が先鞭をつけたデジタル一眼カメラでの動画撮影だが、その後はもう百花繚乱状態でなかなか買いどきが難しい状況である。N社のほうが早かったという人もいて実際そのとおりなのだが、アレはN社的には暗黒史としたいところだろうなぁ..

話を戻すが、仕事柄よく機材購入のアドバイスを求められるのだが、黎明期と違って現行機はフルハイビジョン撮影ならもう似たり寄ったりの域に達しており、ハイスピード撮影だの4Kだのと飛び道具を求めない限りは、贔屓のメーカーの製品を買うのがベストだと答えるようにしている。

それまで使ってきたレンズ資産をわざわざ変えてまで、CからNへNからCへ(もちろんSとかPもありね)、などと鞍替えするほどのキラーモデルは無いと言っていいだろう..というのがつい最近までの考えだったのだが、ここにきてその考え方が少々ひっくり返りつつある。

そう、先日発表されたC社中級機ブランニューの70Dだ。サンプル映像を見たが、驚いたのはそのライブビュー撮影時のAF挙動である。液晶にタッチしたエリアに、ほとんど迷いなくスーっとピンが来るのである。あの合わせつ戻りつしながら少しずつピンを合わせに行く挙動が皆無なのである。動画はMFだ!などという古めかしい考え方が一瞬で吹っ飛んでしまったのだ。AFはあくまで補助的なものだを通り越して、AFが使えないならMFで補うという、まさにスチル写真の世界で四半世紀前に起きたαショック(若い人は知らねぇだろうなぁ)的なものを感じた。

スチル写真は一気に素早くピンがくるのが理想だが、動画では全くその必要はなく、どちらかと言えばゆっくりスムーズにピンがくるのが正しい。しかもそこにピンを合わせているという一切の無駄な挙動は必要ないのだ。その点、70Dに搭載された新型AFは、まさに動画撮影には理想的なものと言えよう。これからレンズ交換式のデジタル一眼で動画撮影をしたいがどの機種が良いかと尋ねられれば、今は70D以外ないと答えざるを得ない状況に変わった。

ちなみに件のデュアルピクセルCMOS AFは、ミラーの光束でなくセンサーそのものを位相差式に使うという逆転の発想で、まさに撮像センサーというデジカメの中核をなすキーデバイスを製造するメーカーならではの技術だ。今回はタイミング的に中級機に載せてきたわけだが、当然気になるのはその次の一手だろう。年内には恐らく7Dの後継機が出ると思われ、当然それにも新型AFは乗るだろうが、個人的に予想、と言うか希望はCINEMA EOSへの搭載だ。特にC100の後継機には是非欲しいところ。

CINEMA EOSのC300やC500は、多人数参加型の撮影で使われる機種であり、専任のフォーカスマンやディレクターなどがフォーカスを担当するのでAFは必要ない。使い物になるAFを本当に必要とするのは、ワンマンオペレーションでの運用が想定されるC100クラスなのである。今回の新型AFが、EOSの10万そこそこの中級機に載せられてきたという事実からしても、C100の後継機にデュアルピクセルCMOS AFが搭載されるのはそう無理からぬ想像だと思う。

などと要らぬ夢想をしていると、この春先にXLH1からC100にスパっと切り替えた(切り替えさせた?)うちのビデオマンたちの、恨めしそうな顔が夢に出そうで怖い(苦笑)。

20130704

仕事が立て込んでなかなか山に行けない日々が続いており、そろそろ禁断症状が出始めている。ふと林床で鎌首もたげる姿を眺めつつ、は虫類の品揃えも考えなくては..などと考える昨今である。

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光の玉

2013/6/26

20130626

早朝の柔らかい光の中、ヒバリが天高くさえずる畑の畦で、スギナに付いた水滴がキラキラと輝いて美しい。

この光り輝く宝石のような水の玉は、植物特有の蒸散作用の一つで、日中であれば葉っぱの気孔から水蒸気として放出されるものだ。

それが早朝など気温が低い時間帯であれば、水滴に変わって葉っぱの表面や縁に付着することになる。特にスギナの場合は水穴と呼ばれるそれ専用の穴から排出されたものだ。

一見同じような現象に朝露があるが、あれは降りたと表現されることからも判る通り、日中に蒸発した水分が夜間や早朝の冷気で冷やされ、それが水滴として葉っぱなど地表物に付着する現象であり、植物の蒸散作用とは直接は(間接的にはある)関係がない。

見た目同じように見えるので勘違いしている輩も多いが、前者が植物の表面にしか見られないのに対し、後者は地表物全般に付着することから容易に区別できる。

■蒸散作用の理屈はこちら

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梅雨の青空

2013/6/24

20130624

見あげれば青空の中を轟音とともに飛び去る機影一つ。

まさにブルーインパルス(写真はF-2)といった風情だが、

そのまま消え行く機影を見送れば、

残されたのはどこまでも広い北の青空だ。

しつこいようだが今は梅雨。

こうも雨が降らないのはどうにも表示抜けなのである。

今雨振らずしていつ降るの。今でしょ、ってか。

カテゴリ:季節感

20130623

月の楕円軌道が最も地球に近づく日が年に一度あり、

まさにそれが今日であった。

そしてうかつにも夕方までそれを忘れていて、

東北道を北上中にふと東の空を見たら、それは見事な満月が。

話によれば、通常の満月より14%程度大きく見えるらしいが、

確かにパッと見、妙にデカイなと感じた。

本来、写真や映像として見れば、

地上の対象物を比較物として一緒に入れたいところだが、

いかんせん高速道を移動中だったためそれはかなわず。

ま、それでも一応記念に撮ることは怠らず、だけど。

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空梅雨

2013/6/22

20130622

東北は梅雨入りしたと聞いていたが、

週間天気予報を見てもどうもこの先一週間は降らない感じだ。

野外活動を考えると雨は降らないほうが有難いのだが、

水不足が心配されている昨今、

うかつにそうだとは相槌を打ちづらい状況である。

では雨乞いでもするか、なんてね..

カテゴリ:季節感

小雨模様の中、三脚の前に立ってファインダーを覗いていると、目の隅に何やらモコモコしたものがうごめく気配を感じた。

ふと足元を見下ろすと、そこにいたのは何とアナグマ。しきりに三脚の脚の一本に鼻を寄せ、クンクンと匂いを嗅いでいる。予想だにしない思わぬ珍客に、こちらは身動きもできずに立ち尽くす。そう、時間にすれば10秒ほどだろうか、アナグマは気がすんだのか、匂いをかぐのをやめ、こちらの視線に気がついて顔を上げたため、お互い目が合うことに。

そしてここで再び10秒ほどの沈黙の後、フフンと鼻を鳴らすとスタコラ歩き出し、信じられぬことに何とこちらの股の間を通りぬけ、そのまま森の中へと消えていったのである。アナグマの目が悪いのは知ってはいたが、よくもここまで平然と近づいてくるものだと感心することしきりである。

まあ長いこと山や森をうろついてはいるが、ここまで呑気なアナグマは初めてのことだ。

20130613

そして三脚に寄ってきたのはアナグマだけではない。ジャノメチョウの仲間であるヒカゲチョウが、どんなに追い払っても執拗に集ってきて、雲台周りをしきりに舐めていた。恐らく付着している手汗からミネラルを補給していたのだろう。特に害があるわけでもないので、最後は気が済むまで放っておいた。

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20130611

秋の桜と書いてコスモス。

平地ではその名の通り秋に咲くわけだが、

我が家の周辺など標高の高い場所では、8月に入れば咲き始める。

でも今は梅雨時。森ではホトトギスやエゾハルゼミが賑やかに鳴き、

田んぼではケロケロとアマガエルが鳴く季節。

なのになぜか田んぼの畦にコスモスが咲いてるから首をひねるばかり。

狂い咲き?いやどうなんだろうか。特に寒いこともないし。

早咲き?園芸種ではそういう種もあるようだが、

それでも6月は早いように思う。

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我田引水

2013/6/10

20130610

南関東ではもっと田植えは早いもんだと思っていたが、

今頃、田起しして水を引いているのには少々驚いた。

北関東でも二毛作が主流の高崎界隈では、

ちょうど今の時期が田植えに当たるので、特に支障はないのだろうが、

水が引かれることを心待ちにしていた生きものにとっては、

ようやく季節到来といったところか。

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20130607

前回雨が降ったのは一体いつだったろうか、

などと思わず回顧してしまうほど久しぶりの雨だ。

それも今シーズン初の集中豪雨的な本降りであった。

不意に雨の匂いが漂い、川上でゴロゴロと雷鳴が轟くと、

アッという間に辺り一面が黒々と染まり、

滝のような雨に傘はまるで役に立たず。

外ロケでも調査でも外仕事での雨は困りものだが、

待ちに待った今日の雨は格別だ。

カテゴリ:季節感