スナイパー
朝、近所の演習林でジシギを見た。
狩猟犬だったご先祖様の血が騒いだのか、珍しく駄犬が2mほど目の前を鼻先でポイントしてみせたのだ。薄暗いせいもあったが、目を凝らしてみてもこちらには何も見えない。
犬がさらに一歩踏み出した途端、鼻先の枯れ草の塊と思っていた物体が飛び立って、低空をジグザグに体を揺らしながら飛行しつつ移動、隣の杉林の林床に降り立った。もちろん姿はすぐに見失ったが、大きさはキジバト程度であったし、時期的にみてヤマシギで間違いないだろう。
ジシギの仲間に水田や湿地を好むタシギがいるが、英名ではSnipeという。狩猟鳥で味も良いとされるが、そのSnipeもまた飛び立って逃げる際にはジグザグに飛翔するため、後ろから狙い撃つのは難しいとされる。そんなジシギをも簡単に撃ち落とす狩猟の名人を指してSniperと呼ぶそうだ。
スナイパー、そう狙撃手のこと。確かに今朝見た目の前を逃げていくヤマシギを撃ち落とすのは、結構難しそうだと思った。
好天が続くせいで放射冷却が起きて朝が寒い。日中は日差しがあればフリース程度で耐えられるが、朝晩はもう1枚必要だ。