信州大展望
先週天気の良い日に上信国境に登ってきた。
何しに行ったかはさておきw、約2200m付近からは信州方面が全開で望める相変わらずの大展望である。
やっぱ平日は良いね。ほとんど人がいないので。
尚この日は県境付近の森にて、ジョウビタキの渡来を今シーズン初認。
先週天気の良い日に上信国境に登ってきた。
何しに行ったかはさておきw、約2200m付近からは信州方面が全開で望める相変わらずの大展望である。
やっぱ平日は良いね。ほとんど人がいないので。
尚この日は県境付近の森にて、ジョウビタキの渡来を今シーズン初認。
前線の南下に伴い寒気が降りてきて、列島を北から順に降雪の頼りが届き始めている。富士山も例年よりは遅いもののすでに初冠雪したので、内地の標高の高い稜線部でもそろそろ同様に初冠雪となるかもなった模様。
と言いつつ先週天気の良い日に出掛けた湯檜曽谷左岸からの眺めなど。
それにしても距離にすれば片道3km程度なれど、直登で一気に標高差1100mを詰める白毛門への登山道は、噂通りなかなかエグい登りであった..
谷川ピークのオキトマと湯檜曽谷右岸のマチガ沢・一ノ倉沢・幽ノ沢の3本の沢筋が見渡せるのは、県境トレイルの白毛門から朝日岳ルートである。
久しぶりにこの角度から谷川岳を眺めたが、前冬の積雪量が多かったせいか一ノ倉沢の残雪もこの時期としては多いようだ。
フジの主力であるX-T系やX-H系も、OM-1やE-M1系に負けず劣らず防塵防滴性能を売りにしており、自然の中で撮影するカメラマンへの訴求力は高い。近年は風景などの分野ではそこそこ使っているカメラマンを見掛ける。
ただ、対象がワイルドライフとなるとこれはもうさっぱりで、本格的にフジのカメラで生きもの撮影しているカメラマンは国内では稀有な存在で、実際その手の情報を探すと引っかかるのは海外のカメラマンばかりだ。
国内に限って言えばワイルドライフは鳥が主であるが、そうなるとXマウントのラインナップで不足するのが超望遠レンズである。
これまではXF100-400mmの35mm換算600mmが最長であったが、野鳥撮影では600mmは標準の域なので、絶対的に焦点距離が足らない。この分野では最低でも800mmは必要である。
XF100-400もテレコンをかませれば焦点距離を伸ばせるのだが、相性が良くないのかメーカー純正にも関わらず1.4倍でも開放だと条件次第でキレが良くない結果となる。
そんな中で満を持して登場したのがXF150-600mmということになる。
もっとも、満を持してと言うと聞こえは良いが、実際はラインナップ拡充で優先順位が低く先送りにしていただけと思われ、だからワイルドライフカメラマンからXシリーズは相手にされてなかったのだろう。
XマウントはAPS-Cなので実質的に望遠端900mmF8相当の超望遠ズームとなる。このクラスでは珍しい全長が不変のインナーズームで、ズーム操作しても重量バランスが変わらない点は良い。ズーム操作も極めてスムーズ。
が、ワイド端にしても小さくはならないので、XF100-400のような携行性が犠牲になっているとも言える。実際、いつも使っているショルダー系のカメラバッグにはどうやってもカメラボディ付きでは入らないw
最初はソニーのFE200-600mmとサイズ感がまったく同じなのでどこぞのOEMを疑ったが、FEは2kgだがXFは1.6kgとかなり軽量。レンズ構成も異なる。
軽量と書いたが、XF100-400よりは長く重いのだが、実際に持ってみるとその重量差を感じさせず、XF100-400を望遠端まで伸ばした状態ではXF150-600のほうがバランスが良い。
ただ、軽量化のためか外装はプラスチックを多用しているので、触ってみるとそれなりにチープ感あり。それはそれで冬場は冷えなくて良いのでこの辺りは好みかな。
肝心の画質は期待していた以上に良い。と言うか正直驚いている。
以前シグマの150-600mmをマウントアダプタを介して動画用途で使っていたことがあって、600mmの画質は2段程度絞らないとなかなか厳しかったが、本レンズは600mmF8つまり開放での画質が最も優れているのである。
これはつまり絞って撮る必要性がないことを意味しており、開放F値が暗いことを心配することが実質的に意味がないということだ。
実際、鳥屋..そんなにはいないと思うけど..はXF100-400に1.4倍をかませて35換算で840mmF8で使っていると思うが、XF150-600なら運用上はむしろ焦点距離が伸びる上に画質面では勝負あったということになる。
市場価格は20万円台中頃で、800mm以上の超望遠なんて200万近くするのがザラの中、この画質でこの価格はちょっと驚きのバーゲンプライスと言ってよいかも。
これは邪推だが、フジもマーケティング的にガリバー3社のように単焦点の超望遠レンズを揃えても今さらプロ市場に割って入れるわけもなく、それならコンシューマ向けに価格を抑えてラインナップを拡充するほうを選んだと言えよう。
ま、性能はともかく商業的に失敗したXF200mmF2の同じ轍を踏むまいという意識はあったろうしねw
もちろん気になる点もある。
まず、XF200mm同様に色が白..正確にはつや消しシルバー..だということ。よく言われるレンズ鏡胴内の温度対策らしいが、老舗ニコンが黒鏡胴である..一時ブルーグレイもあったが..ことを考えると、言われるほど外装の色に相関性はなく、単に見た目優先のことと思われる。
スポーツ分野では白でも構わないが、ワイルドライフ撮影で目立つのはご法度なので好ましくない。それに傷も目立つw
そしてこれは特に強く言いたいのだが、フードの先端にラバーが付いてないのはいだだけない。このクラスのレンズは一時的にレンズ先端を下にして立てて置くことがある..インナーズームなのでそれが可能..ので、フード先端にぐるりラバーを巻いて欲しい。
こういった点はメーカーの経験値の差であって、よく先達のキヤノン・ニコンを見習って欲しい。別売りでも良いのでオプションで出して欲しいぞ。
その昔はロクヨンクラスを普通に使っていたが、天狗様相手に3000mm超のコリメート撮影が主体になって以降はめっきり必要性を感じなくなっていた。なのでXF150-600mmはそれ以来の超望遠レンズという事になる。
さて、ワイルドライフ撮影ではマイクロフォーサーズが有利なのは依然変わりはないが、900mm相当の優秀な超望遠がラインナップされたことで、今後フジXがどうなるのか予断を許さなくなってきたな。
果たしてOM-1の牙城を揺るがし、拙者の機材でその地位を再びフジXに明け渡すことになるか今後の動向に注視せよw
尾瀬のことを天空の湿原的な言い回しをよく目にするが、尾瀬ヶ原の標高は約1400m。もともと湿原だったがダム湖に沈んだ野反湖でさえ約1500mだ。
その尾瀬ヶ原に比べると広さの点では及ばないものの、標高2200mの雲上に広がる苗場山こそがまさに天空の湿原という風情である。
何しろ尾瀬ヶ原へのアプローチは峠から下るだけだが、苗場山には湯沢側から登る限り標高差約1000m..累積標高なら1200mを超える..を登らないと到達できない。
大汗かいて上りきったその眼の前に広がる高層湿原の眺めはまさに絶景にふさわしく、越後の山や上越国境は無論のこと、100km離れた北アルプスから火打妙高まで一望できる。
何しろ豪雪地帯に鎮座する全山が雪解け水に溢れているので、登山道はどのコースも常に湿っており、特に夏場はアブにブヨにと不快吸血昆虫の巣窟なので、登るなら涼しくなった秋がベストだ。
今なら草紅葉も始まっており、素晴らしく気持ちの良いトレッキンが楽しめる。
そんな苗場山は我が赤城高原からもその特徴的な台形の山容がよく見えており、上越国境の一員として季節を問わず目を楽しませてくれる。
ちなみに湯沢側に苗場スキー場というのがあるが、名前の由来である苗場山からは10km以上離れており、苗場山自体にスキー場があるわけではない。バブルの頃のスキーブームで何度か行ったことがあるが、最上部の筍山から苗場山が見えていたのは覚えている。
ということで今年も晴れ間を狙って県境トレイルを歩いてきた。
どうにもパッとしない天気が続いているが、ちょっと前に数日好天の期間があったので、そこを逃さずに山行踏査へ。
標高2000m近いとは言え登り始めは樹林帯の中でかなり蒸し暑くややへばったが、稜線部に出てからは風もあって快適なトレイルであった。
視界調査の目的もあったので稜線伝いにもう少し西へ足を伸ばす予定であったが、雨雲レーダーを見ていたらピンポイントで雷雲が発生しそうな怪しい雰囲気があったので、馬蹄形にぐるり巡って下山。
結果的には駐車位置に戻ってすぐに猛烈な雷雨となって、まずまず間一髪であった。
先週末より上映している映画「神々の山嶺」は、夢枕獏の長編小説を原作とし谷口ジロー(故人)の作画をもとにしたアニメーションだ。
2016年に岡田准一と阿部寛で実写版が制作されているが、今作は日本ではなく仏制アニメーションという点が意外である。
原作通り時代背景的に我々の世代にはどこか懐かしい雰囲気の情景が描かれているが、アニメーション自体も今どきの、例えば新海誠あたりの作画を観てしまうと古さを感じてしまうものの、それもあって郷愁の雰囲気を受けるのかもしれない。
仏制とは言っても作画が谷口ジローなので、E電や新橋駅前、カセット式の初代ウォークマンにテレカの公衆電話の列など見事なまでに当時のバブル期の東京が描かれていた。ただ一点、セミが鳴き交わす季節に広大な麦畑の中を子供時代の主人公が歩くシーンがあるが、それはいかにもおフランスって感じで、日本の田舎の風景なら青田に稲が揺れてないとね。
未だに欧米人の視点では黄金のジパングを想像するのかと思いつつ、大陸の中華の景色を描かれなかっただけでも良しとせねばなるまいか。
登場する山道具なども時代考証がなされているようで、最近のものではなく当時の意匠で描かれている。主人公が山岳カメラマンなのでカメラも登場するが、ニコンF4と思われる意匠でちゃんとフィルムも描かれていたな。
ちなみに実写版ではキヤノン New F-1が使われていて、あの時は1980年代と勘違いしていた..というか羽生という登山家の全盛期設定が80年初期だった..が、主人公の時代は1990年代初期の話なのでF4で問題はないね。
上映は県内はMOVIX伊勢崎だけだったので、久しぶりにMOVIXへ行ったが、本作の客層がいかにもって感じの山屋風情のおっさんばっかりだったのが特に印象的w
山に神々が住むという想像は、おいそれと人が近づけないということと、より天に近いからということなんだろう。信仰の修験の地という見立ては日本では珍しいことではない。
そう言えば、文字通り山のドキュメンタリー映画である「アルピニスト」も観たいのだが、都内へ足を延ばさないと上映していないのが残念である。何れこちらWOWOWかNetflix待ちだな。
auは昨日の朝の時点でほぼ回復したという発表をしていたが、少なくてもうちのau回線はその時点では使えなかったな。まあ「ほぼ」って言ってたんで、そのほぼから田舎もんが漏れていたんだろうって認識でよろし?
その通信障害に関連して、登山者が山で遭難して救助要請できなかったみたいなニュースをみたが、マスゴミがここぞとばかりにミスをした企業を叩くいつもの姿勢には呆れる。
そもそも地図も読めないようなやつが山に行くなよって視点が必要なのであって、あたかもauの回線障害が問題だって論点が最初から間違っている。場所によっては電話が通じている事自体がレアケースなのだから、遭難はあくまで当該の個人的な問題だろう。
マスゴミ諸君、選挙期間中なんだからもっと報道すべきニュースがあるだろう。日和ってんじゃねーよ!
奥山では基本的に携帯の電波は届かない。見通しの良い稜線部だと里の電波が拾える可能性はあるが、人里離れた谷筋では無理ゲーだ。
ただ、スマホにGPSの地図アプリを入れて、あらかじめ当該エリアの地図データをダウンロードしておけば、回線が通じていようがいまいが自分の位置をトラッキングすることができる。
本来は読図する知識と技量があったほうが良いが、ITを利用すればおのれの無能さをカバーすることは可能だ。もちろんITに弱いとか何とか逃げ口上するような情弱な年寄りなど論外だけどね。
山に登ること自体が自身の生存に対する修練のようなものなので、そこに日常生活の利便性を求めるほうが間違っている。道に迷おうが転んで怪我をしようが、遭難はあくまで個人的な問題として捉えるべきだ。
下界の暑さを逃れ標高2500mの世界へ。ガスが漂う荒涼とした景色はさながら火星のよう。行ったことないけどw
折しもこの日は伊勢崎が6月としては異例の40℃超えで話題になっていたが、山頂付近は風が強かったせいで寒いのなんの。
フリースジャケットにレインウエアにと持っていた衣類総出で何とかしのいだが、日本列島は南北に長いこと以上に標高差による寒暖差のマジックがスゴイなとまじまじ感じた次第。