新旧QuickTime
QuickTimeの現在のバージョンは10であり、いわゆるQuickTime XとしてSnow Leopard(OS X 10.6)で実装されたもので、Xから64bitに対応された。
QuickTimeはAppleのマルチメディア技術の中核をなすもので、いわゆるライブラリ..他のコードから呼び出される汎用コードの集合体..のことである。映像編集ソフトであるFinal Cut Proや、私は全く使わないがiTunesなどはQuickTimeの上で動作している。従来のバージョンは7で、一見すると後継システムのようであるが、XはiOSのマルチメディア技術から派生したもので、それまでの7以前とは基本的に別物..7はCarbon、XはCocoaベースで作られている..である。
QuickTime Playerは、同じくQuickTime技術で動画や音声を再生するアプリケーションで、Xでは7以前ではPro版のみ可能であった簡易的な編集機能も備えており、私もmov形式のファイル(QuickTimeフォーマット)のトリムやカットに使用している。ただ、Playerとしての基本的な機能は従来の同7より劣っており、特にスロー再生ができないのが痛い。この辺りはバージョンアップで何とかして欲しいのだが、3年以上経っても未だに手が施されないのは残念だ。
ところで、意外に知られていないが、QuickTime Xと7は共存できる。それは、Snow Leopardでは別途インストールする必要があったが、Mountain Lionでは最初からインストールされている..ただしユーティリティフォルダだけど..ことからも判る。まだ対応コーディックの少ないXに対し、7では様々なプラグインが利用でき、多様なフォーマットやコーディックをサポートしているという事情もある。
と言うことで、撮影データをチェックする際にスロー再生する必要がある場合は、必然的にQuickTime Player 7を使用することとなる。映像クリップの静止画サムネイルも、該当箇所でcommand+shift+4の後、スペースバーでスクリーンキャプチャを切り出せばOKだ。