鉛中毒問題に光射す
総裁選で永田町がゴタゴタしているさなか、狩猟で使われる鉛弾を使用禁止にすると小泉環境大臣が発表した。
「意外に知られてないかも知れませんが、鉛弾って鉛で出来ているんですよ」って言ったかどうか定かではないがw、あの我らがセクシー担当大臣にしてはなかなかの英断ではないだろうか。
狩猟に鉛弾が使われることで、山野に放置された残渣を糧とする生きもの、とりわけ大型猛禽類の鉛中毒問題が以前から取り沙汰されてきた。
特に北海道ではオジロワシやオオワシの越冬時期が猟期と重なって被害が多く出ていたので、道では鉛弾の使用は独自に禁止にしてきたものの、道外からやって来るハンターの中には依然として鉛弾を使用し続けている不届き者が多くいるのである。
水鳥猟が盛んなオランダや北欧のスウェーデンではすでに先行して禁止となっているが、鳥類の鉛中毒問題を理由に全国一律に規制が適用されるのは珍しい。
惜しむらくは、施行は2025年から段階的に行い、2030年中に鉛中毒ゼロを目指すという何とも悠長な話なので、ここさらに前倒しで進めほしいところである。
環境省には風発や太陽光発電の乱立に伴う自然破壊への対処などもっと率先して取り組んでほしい事案はあるが、経産省と業界団体との調整が簡単に進むとは思えないので、まずは省独自に判断できて周囲に影響がない..利害関係が少ないとも言える..鉛中毒問題からと言ったところだろうか。
ただ、ようやくセクシー担当大臣が仕事で目に見える成果を上げようかというタイミングではあるものの、前述の通り永田町界隈はそれどころではなく、総理大臣が代わることそれイコール新たな組閣となり、まあおそらくは環境大臣も代わるだろうなということで、後任がまたいつものごとく「誰がやっても同じ」大臣職に成り下がることが心配である。
道東の原野でエゾシカの死体にありつくオジロワシ。この時のシカの死因は不明。
オジロワシやオオワシも普通に狩りをして餌を確保するが、目の前に動物の死体があれば何の躊躇もなく食べる。それが餌が乏しくなる厳冬期ともなればなおさらで、交通事故による轢死体であろうがハンターの狩りの残渣であろうが関係ないのである。
こういったスカベンジャー的な行動は年齢に関係なく見られるが、経験値の低い幼鳥にはより強くその傾向があるようだ。
個人的な観察でも、最初に警戒心なく幼鳥がついばんでいるところへ、遠目に様子を見ていた成鳥があとからやって来て幼鳥を追い払い、ゆっくりと食事をするという光景を何度も観ている。