空飛ぶクジラ
GoPro続きでもう一つ。こちらは海の中を飛ぶように泳ぐザトウクジラ(英名 Humpback Whale)の空撮映像。だ。
大きくけたたましい有人ヘリコプターではなかなかここまで空から近づくことはできないが、小型ドローン..いわゆるラジコン操縦の無人ヘリのこと..ならご覧の通り。巷ではいろいろ言われるレンズの歪みも、かえって海原の雰囲気を誇張していて悪く無いと思う。
ところで今流行のドローン撮影だが、今後は結構規制がかかりそうな感じだ。風光明媚な観光地や景勝地では、順次許可制になっていく可能性が高い。米国のヨセミテ国立公園ではすでに禁止になったようなので、早晩他の国立公園でも同様の事態になるであろう。
実際に墜落事故も各地で起きていて、小型とはいえ人混みなどで落ちれば人身事故にもなりかねないので、まあ当然といえば当然だ。それに美しい景色を眺めているそばから、エンジン音響かせた飛行物体が目の前を飛んだ日には、興冷め以外の何物でもない。人はドローンを観るために景勝地を訪れるわけではないのだから。
それにしても、映像を撮るものとしてやはり空撮には触手を伸ばしたいと常々思う。鳥のように空から俯瞰して眺めるという非日常的な絵こそ、オープニングやエンディングなどインサートカットとして申し分ないのだ。GH4クラスの小型カメラなら普通に飛ばせる製品もあるので、4K空撮は是非とも撮ってみたい。
ただそこで問題なのは、万が一墜落した場合、ドローンとカメラの両方を同時に失う可能性がかなり高いという心配だろうか。先のザトウクジラの映像など、落ちれば真っ逆さまに海の中なので、ヘタすれば回収すらできない状況になる。そんなわけで、ドローンによる空撮を実現するためには、投資と勇気を天秤にかけ、うまいことそこに気持ちの折り合いを付けなかればならないようだ(苦笑)。
クジラに限らず、海の中を泳ぐ生きものは、視点を変えてみれば空を飛んでいるように見える。海の中から上を見上げればまさにそれがそのシチュエーションなのだが、それにしても空撮同様に素人には一筋縄ではいかない世界なのは確かだ。