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空飛ぶクジラ

2014/6/29

GoPro続きでもう一つ。こちらは海の中を飛ぶように泳ぐザトウクジラ(英名 Humpback Whale)の空撮映像。だ。

大きくけたたましい有人ヘリコプターではなかなかここまで空から近づくことはできないが、小型ドローン..いわゆるラジコン操縦の無人ヘリのこと..ならご覧の通り。巷ではいろいろ言われるレンズの歪みも、かえって海原の雰囲気を誇張していて悪く無いと思う。

ところで今流行のドローン撮影だが、今後は結構規制がかかりそうな感じだ。風光明媚な観光地や景勝地では、順次許可制になっていく可能性が高い。米国のヨセミテ国立公園ではすでに禁止になったようなので、早晩他の国立公園でも同様の事態になるであろう。

実際に墜落事故も各地で起きていて、小型とはいえ人混みなどで落ちれば人身事故にもなりかねないので、まあ当然といえば当然だ。それに美しい景色を眺めているそばから、エンジン音響かせた飛行物体が目の前を飛んだ日には、興冷め以外の何物でもない。人はドローンを観るために景勝地を訪れるわけではないのだから。

それにしても、映像を撮るものとしてやはり空撮には触手を伸ばしたいと常々思う。鳥のように空から俯瞰して眺めるという非日常的な絵こそ、オープニングやエンディングなどインサートカットとして申し分ないのだ。GH4クラスの小型カメラなら普通に飛ばせる製品もあるので、4K空撮は是非とも撮ってみたい。

ただそこで問題なのは、万が一墜落した場合、ドローンとカメラの両方を同時に失う可能性がかなり高いという心配だろうか。先のザトウクジラの映像など、落ちれば真っ逆さまに海の中なので、ヘタすれば回収すらできない状況になる。そんなわけで、ドローンによる空撮を実現するためには、投資と勇気を天秤にかけ、うまいことそこに気持ちの折り合いを付けなかればならないようだ(苦笑)。

20140629

クジラに限らず、海の中を泳ぐ生きものは、視点を変えてみれば空を飛んでいるように見える。海の中から上を見上げればまさにそれがそのシチュエーションなのだが、それにしても空撮同様に素人には一筋縄ではいかない世界なのは確かだ。

海のクマ

2014/6/28

日本には生息していないが、シロクマのイメージとして動物園では馴染み深いホッキョクグマ。私がペンギンの仲間と並んで野生種として一度は観てみたいワイルドライフの筆頭である。

ホッキョクグマは20万年ぐらい前にヒグマから分かれた、ほ乳類としては比較的新しい種である。そういった事情からか、ヒグマとは見た目の印象はだいぶ違うものの、互いに交雑してもハイブリットとして生活していけるほどいまだに近縁であり、実際にそういった事例はカナダ北極圏では散見される。

餌資源をアザラシに依存するホッキョクグマが、その生活史ともども海に依存しているの知られた事実である。そんな彼らと陸棲のヒグマの接点が増えているということは、海で餌が獲りづらくなったことの裏返しでもあるわけだ。

地球温暖化の影響と言われるように、北極海で通年を通して氷が減少、または海の開ける時期が早まっている事実はここでは割愛するが、海に閉ざされる期間が短くなることは、北極海に航路を求める人間にとってはありがたいことであっても、その為に進化してきたホッキョクグマには迷惑千万な話であることは明白である。

このまま氷が減り続けると、再びヒグマに戻るか種として絶滅するか、そんな選択が彼らを待ち受けていることになる。訳あって分科した種が、その求めた環境の変化によって絶滅に向かうことは、地球の歴史の中で何度も繰り返されてきた事実ではあるが、我々人類の生活圏の拡大によって引き起こされるとするならば、ワイルドライフを愛するものとしては複雑な気持ちにならざるを得ない。

あくまでGoProのプロモーション映像だが、最近観たショートムービーとしては秀逸な出来だと思う。ホッキョクグマの学名「Ursus maritimus」は海のクマを意味するが、まさにそれが短い映像の中に表現されている。

ただ、この映像を見てホッキョクグマは単にお泳ぎが上手いクマなんだな、で終わってはいけない。どんなに泳ぎが上手かろうとも、海を終の住み処とするアザラシには到底及ばないのだ。ホッキョクグマが泳ぎに優れたクマであるのは、あくまで海氷間を移動するために習得した能力であり、これをもってアザラシを狩るわけではない。

もし、アザラシを狩るためには海が凍るという状況が必要なんだ、そんな深読みがこの映像からできるようになれば、ワイルドライフのその圧倒的な生きざまを映像に残すという作業自体、途方もなく手間のかかることだとしても、意味があることだと思えてくる。

20140628

旭山動物園のホッキョクグマ展示室の廊下に描かれた絵もまた秀逸だ。展示の斬新さに話題が集まる同園だが、そこに至る導線への配慮も忘れてはならないだろう。

写真にしろ映像にしろ、これは一体どうやって撮ったのだろうか、そう観る側に思わせたなら、それは一流のエンタテインメントと言っていいだろう。

VFXのような編集上の技術ではなく、アングルも含めたカメラワークでそれが実現できれば、それがドキュメンタリーというカテゴリであっても、そう異論はないだろう。

クレーンで釣ったりヘリで空撮してみたりと、昔から様々な撮影技術が考え出されてきたが、それら特機のような大げさなものでなくても、小型で高性能なカメラが出現したことで、コストをかけずに大胆なアングルでシーン演出することが可能となった。

GoPro HEROシリーズなどはその先鞭をつけた代表的なカメラだが、PVとはいえ率先してメーカー自身そのソリューション的な映像を配信しているあたりは、さすがだといつも感心している。

これは先日発表された新型モデルHERO3+のプロモーション映像で、既視感もあってどう撮っているかなど手の内はすでに判り切ってはいるが、それを差し引いてもエンタテイメントとしては尚秀逸だと思う。

カットのつなぎも素晴らしく、観ていて良い勉強になるしね。

20131003

今日は昼頃から風が強くなって予定していた外ロケは中断。

その帰りに村内で道を横切るカモシカに遭遇したが、親子だったせいか珍しく撮影前に足早に逃げられてしまった。