今宵は月齢15で満月。関東の平野部で月の出が19時少し前なので、赤城山を東に望む標高700mの我が家では、おおよそその40分後が月の出となる。
頃合いを見計らって庭に出ると、ちょうど鈴ヶ岳のやや左肩から月が昇るところであった。夜の月は何か前景がないと芸がない写真になる。また、湿気が多く夕方から少し雲が出ていたため、思っていた以上に色が付いた。
ほぼ一年前になるが、C社より超高感度の動画撮影に特化した多目的カメラME20F-SHが発売された。EOSともCINEMA EOSとも付かないので、完全に業務機のカテゴリである。
お値段300万円、外部レコーダー無くして単体では記録すらできないシロモノだが、EFマウントでレンズ交換でき、最大でISO感度400万の1080Pを外部出力できる。
値段と仕様からして必然的に特殊用途であり、一般的ではないので忘却の彼方であったが、仕事仲間からC社のサイト以外でME20F-SHを使って制作されたムービーを見つけたと連絡あったので、早速視聴してみた。
撮影感度はISO40万らしいが、星空をしかも動画でここまで記録できるのは凄いことである。
静止画なら長時間露光して軌跡を写し止めたり、今どきならインターバル撮影の合成によるタイムラプスがあり、画質面では比較にならないが、件の映像は無灯火の暗闇での撮影なのである。
人物が話すシーンでは演出で弱いライトを当てているものの、それとて相当に明るさを抑えているのが判る。何よりその背景にはちゃんと天の川や流れ星が映り込んでおり、フォーカス送りでの演出も効果的に活きている。それに動画なので音声も同時収録できており、これは映像表現として大きい要素だ。
ノイズが多いって?いやいや忘れてはいけない。この映像は漆黒の闇を、それも動画で撮影したものだ。
あまりに地味過ぎあまりに光学、いや高額過ぎると世界中から批判の雨あられの5D4だが、こういった地道な基礎研究の発展を商品化してくるC社の底力は大したものである。あとはこの技術を以下に早くコンシューマに落としてくるか、期待したいものだ。
と少し褒め称えた途端、今日発表されたEOS M5の動画スペックを見てガッカリ。おいおい、今どき4Kも撮れねぇのかよ。一体何週遅れだっつーの..
今日は15日で十五夜、中秋の名月である。東の空には雲がかかっていたが、少し様子を見ていたら雲間に満月を何とか拝めた。
m4/3だとフルサイズセンサー機の高感度性能には及びもしないが、まあ餅は餅屋ってことで、こういうシーンはX-Transセンサーにお任せ。
7月は1日が満月であったが、実は昨日の31日も満月という珍しい月であった。大気中のヘイズの影響で月が青白く見えることをブルームーンと言うのかと思っていたが、どうも暦月に2回目に見られる満月のこともブルームーンと呼ぶのだそうで、めったに見られないこと指す慣用句である「once in a blue moon」から来ているとのことだ。
月齢とタイムゾーンの関係もあって正確に満月になっているかという問題もあるようだが、まあ見掛け上満月に見えていればそれで良いんじゃないかと、2〜3年に一度の珍事?と勝手に決め込んでパシャ。
これは31日の話として記事にしようと思っていたが、ブルームーンならぬブルーレイ(Blu-ray)への書き込みがなかなか終わらず、図らずも気が付いたらカレンダーが1日進んでしまっていた。
Blu-rayディスクへの書込みが等倍速まで落ちているのには色々原因はあるのだが、そもそもエンコードの時点でガックリ遅くなっている理由は、フッテージに4Kが含まれていることが大きい。実際に4Kフォーマットでタイトルを制作するわけではないのだが、こんな田舎の映像屋でも4Kを扱うようでは、時代はもうそういう方向に移ってきたということだ。
今日は満月だ。
月は自転と公転の周期が同じ27日の為、地球から見える側は常に同じ面である。それゆえ、日本人は古来より満月になると姿を現すクレーターの陰影を、餅つきをするうさぎに見立て、永らく愛でてきたのだ。
そしてこのほど、その日本人には馴染み深いうさぎ印が、40億年前の巨大な隕石群の衝突によってできたという、何とも途方もない裏付け..以前は仮説だった..が取れたらしい。もちろん最近月に出掛けた人はいないので、これらのデータは地上からの観測結果に基づくらしいが。
月の裏側は常に地球圏より外側を向いているので、自ずから周囲からの隕石の衝突は裏側に集中する。その為クレーターが多く見られるのも裏側である。そして表側には海と呼ばれる盆地状の低地が広がり、その広大な陰影が前述のうさぎ印を形成しているわけだが、巨大な隕石群の衝突でクレーターなどの外輪の縁がはぎ取られたというのが、今回の発見の大ざっぱな要約である。月の地殻は裏側より表側の方が薄いという点も、そういった説の根拠の一つらしい。
月の起源には諸説あり、地球と同時期にできた兄弟説や、地球から分裂してできた親子説、それに宇宙を旅している間に偶然地球の引力に引かれた説などが有力である。何れの説もそれぞれに専門家が唱える、ああなるほど的な説明を聞くことになるが、3番目の引力誘因説は、ジェイムズ・P・ホーガン著の小説「星を継ぐもの」に採用されて興味深い。まだ読んだことがない方は、秋の夜長に一読することをお勧めしたい。月の起源を知ることは、それすなわち人類の起源を知ることと同義なる、なんてね。
ちなみに月の裏側を実際に見たことがある人は、今のところアポロ計画に従事した、それも特定の宇宙飛行士だけだろう。人類最初の月面着陸を果たしたアポロ11号では、月に降り立ったアームストロング船長とオルドリン大佐を、月の軌道をグルグル回る司令船からコリンズ中佐が眺めていたはずだ。あそこまで出張っておきながら、月に降りられなかったコリンズ中佐の心中は察して余りあるが、決して地球上からは見ることができない月の裏側を、その目でナマで見たことがある人はそうはいないだろう。