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シグマが元気である。製品ラインを松竹梅の3ラインに分ける商法が当たって、業績もなかなか好調なようである。カテゴライズには違いはあれど、松竹梅商法は国内主要メーカーではよくある手法だ。ナイコンの金ライン、オリのProシリーズ、元祖はC社のLレンズなど。

シグマは高級路線のArtラインが好調で、実際その性能もメーカー製を凌駕するものまで登場している。それでいて価格はメーカー製の同ジャンルに比べて半額以下..下手すれば1/3か..だから、妙なブランド意識さえ取っ払えばこれほどコストパフォーマンスに優れた話はない。もちろん、サンデー毎日な高尚な趣味人たちはお高いメーカー製を買えばよろしい。それが日本経済のためになるのだ(笑)。

ただ、シグマに限った話ではないが、ひと頃は交換レンズメーカーには安かろう悪かろうのイメージがついて回っていた。実際、品質が安定せず、同じ商品なのに性能にバラツキがあることが普通であった。それは今でも状況が大きく改善されているとは思わないが、一時のデフレ円高でメイドインジャパンを離れたメーカー製でも似たり寄ったりなので、交換レンズメーカーだからどうだという時代ではもはやなくなったと言っていいだろう。

ちょっと前に発売された50-100mm F1.8などに見られる非常にツボを突いた且つ尖った製品が真骨頂なシグマだが、今回のフォトキナでもその元気さは衰えていない。売れ線の12-24mm F4がArtラインでリニューアルした他、Artラインではないが、500mm F4 DG OS HSM(Sportsライン)がひと際目を引いた。

なんとMTFが曲線でなく限りなく直線なのである。通常、レンズの光学性能は周辺部に近づくに従って落ちてくる。故にそれを数値で表すMTFは左から右へ下がる放物線となるため、それを称してMTF曲線と言うのだが、そのグラフが左から右へ一直線なのである。つまり理論的上はレンズ中心部も周辺部も同等の解像度を持つことになるのだ。いやはやこれは驚き以外の何物でもない。

20160923

駄犬がやたら吠えているので何事かと思ったら、庭先をキジのご一行様が横断中であった。庭木が生い茂ってよく見えなかったが、向かいの畑に出たところでキジ雌が体を伸ばしてこちらを様子見しているのが見えた。

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フォトキナ2016から流れてくる情報が久しぶりに色々興味深い。

今年は現地に直接出向いている知人もいて、ネット情報と合わせてをあれこれ類っているが、実機が登場する来春まで近年まれに見る面白さ..自分にとっての話だけどね..と言ってもいい。

まず、AFプアだったオリが満を持して投入するのがOM-D E-M1 Mark IIだ。素晴らしくキレの良い神レンズ群を用意しているのに、その性能を活かせるAFがなかったのがこれで解消されると期待したい。AF追随でRAWを18コマ/秒は、C・Nの一眼ミラー機にはどう逆立ちしても実現できないだろう。

動画も4K..それもなんとDCI4Kだ..となり、お家芸の5軸手ぶれ補正はその動画にも対応、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROと合わせれば6.5段分の補正可となって、もはやギンバルやスタビライザーの類は必要ないかも。

シャッター半押しで全押し前の14コマから記録できるプリキャプチャーなど、業務用ビデオカムコーダー顔負けの機能もあり、これは結構実戦的な感じ。

パナからはいよいよGH5がお目見えする。こちらは開発発表という段階で4K/60P以外の話題はあまり聞こえてこないが、オリ同様にボディ内5軸手ぶれ補正が新機軸だろう。今どき40万もの大金ふんだくっておいて4K/30Pしか撮れないどこぞの5D4など、早くも周回遅れでどうでも良い感じ。

ただ、懸念される点もあって、先行して発表されたG8がまんまGH4と同等なところから、GH5の価格が結構高くなるのではないかと勘ぐっている。導入コストを安く抑えられる点が魅力の一つであるm4/3なのだから、先のE-M1Mk2ともどもなるべくリーズナブルな価格帯に抑えて欲しいぞ。

そして一番興味津々なのは、噂の絶えなかった富士の中判ミラーレスGFXだ。APS-CのX-T2の画質からしても非の打ち所がないというのに、それがフルサイズセンサーの1.7倍で5000万画素とくれば、これまた他所のフルサイズ機など蚊帳の外って感じ。

中判カメラと言ってもミラーが無いのでサイズは実にコンパクトで、デザインもXシリーズを継承していて秀逸。予想されるお値段もおハッセル様のようなとんでも価格ということもなく、メーカーサイドでもレンズ付きで100万を切ると言っているので、コマーシャル系の商業カメラマンなら十分元が取れる線ではなかろうか。

仕事の関係もあって、4K動画の撮れないカメラを使うことはないと決めているのだが、正直GFXにはクラクラしてしまう。実機に触ったらちょっとヤバイかも(苦笑)。

そしてGFXの次に興味をそそるのは、業界筋ではオワコンの呼び声高い..一時、資金調達面で危うい話があったしね..アクションカムの元祖GoProから登場する全部入り低価格4KドローンKarmaだ。

業務用ドローンではほぼDJIが独占している市場に、恐ろしいほどの低価格で投入される戦略商品がKarmaで、一昨年辺りから出る出る詐欺状態が続いていたのがようやくお目見え&即発売と来ているから驚きである。

いつものGoProプロモを見る限りホビー用途っぽい打ち出しをしているが、しっかりギンバル付きで4Kも記録でき、別途タブレットPCを用意すれば操縦と撮影を切り離せるので、十分業務でも使えると想像している。

と色々有りすぎて、あとは情報が入り次第個別にはまた後日記事にしようかと。え?ソニーのαはどうしたって?ああ、SO社は取り敢えずどうでも良いです(笑)。

20160922

相変わらずのスッキリしないグズグズ天気で、山の稜線までガスの中。何か止まっていたような気がしたが、ガスの晴れ間に確認したけどやっぱり何も止まっていない。

ワールドワイドでは目新しさがないと揶揄されているiPhone7だが、ネット予約分だけで初回ロットが完売した黒いモデルが話題だ。

今まで黒いカラーリングのモデルが無かった..MacProを除けば近年のAppleプロダクツでは珍しい..ので人気を博しているようだが、黒いスマートフォンならAndroidに沢山あるのに、まあ不思議な話ではある。

そしてイヤホンジャックが無くなったことも渦中の話題だが、音楽など聴く高尚な趣味を持ち合わせない拙者には何ら関係ない話。

日本的にはFelicaに対応したのが一番大きいと思われるが、どこに置き忘れるとも知れないスマホを財布代わりにするなど、とても保守的なオッサンには考えられないし、そもそもそれを使う局面など微塵もないのが田舎暮らしである。

それより外仕事が多いので防塵防滴がありがたいが、それとて、防水機能もお財布ケイタイも、ガラケーと呼ばれる日本の携帯電話がすでに7〜8年前に実現しており、何を今更感が漂うのも事実だ。

などとブツブツ言ってはみるが、目下の懸案はハードウエアのほうでなくiOS10である。フォレストブラウザなど自前アプリもさることながら、過去にうちで開発したいくつかの受託アプリの評価作業が舞い込んできており、何だか今月も月末までスケジュールが埋まってしまったのが悩ましい..

20160917

先月末にはすっかり見かけなくなっていた近所のツバメたちだったが、今朝家の前の電線に止まっているのを発見。

2羽なのでおそらくペアと思われるが、居残っていたのではなく、赤城高原より北で繁殖していた個体が南下の途上で休んでいたと考えるのが自然だろう。

実際、夕方になって家の周囲を双眼鏡でくまなく探索したが、その姿はもう無かった。

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ほぼ一年前になるが、C社より超高感度の動画撮影に特化した多目的カメラME20F-SHが発売された。EOSともCINEMA EOSとも付かないので、完全に業務機のカテゴリである。

お値段300万円、外部レコーダー無くして単体では記録すらできないシロモノだが、EFマウントでレンズ交換でき、最大でISO感度400万の1080Pを外部出力できる。

値段と仕様からして必然的に特殊用途であり、一般的ではないので忘却の彼方であったが、仕事仲間からC社のサイト以外でME20F-SHを使って制作されたムービーを見つけたと連絡あったので、早速視聴してみた。

撮影感度はISO40万らしいが、星空をしかも動画でここまで記録できるのは凄いことである。

静止画なら長時間露光して軌跡を写し止めたり、今どきならインターバル撮影の合成によるタイムラプスがあり、画質面では比較にならないが、件の映像は無灯火の暗闇での撮影なのである。

人物が話すシーンでは演出で弱いライトを当てているものの、それとて相当に明るさを抑えているのが判る。何よりその背景にはちゃんと天の川や流れ星が映り込んでおり、フォーカス送りでの演出も効果的に活きている。それに動画なので音声も同時収録できており、これは映像表現として大きい要素だ。

ノイズが多いって?いやいや忘れてはいけない。この映像は漆黒の闇を、それも動画で撮影したものだ。

あまりに地味過ぎあまりに光学、いや高額過ぎると世界中から批判の雨あられの5D4だが、こういった地道な基礎研究の発展を商品化してくるC社の底力は大したものである。あとはこの技術を以下に早くコンシューマに落としてくるか、期待したいものだ。

と少し褒め称えた途端、今日発表されたEOS M5の動画スペックを見てガッカリ。おいおい、今どき4Kも撮れねぇのかよ。一体何週遅れだっつーの..

20160915

今日は15日で十五夜、中秋の名月である。東の空には雲がかかっていたが、少し様子を見ていたら雲間に満月を何とか拝めた。

m4/3だとフルサイズセンサー機の高感度性能には及びもしないが、まあ餅は餅屋ってことで、こういうシーンはX-Transセンサーにお任せ。

天気ぐずぐず

2016/9/13

来週、いや今週末辺りか、またぞろ台風がやって来そうである。すでにその影響で今週は雨続きの予報であり、なかなか思うように撮影その他がはかどらない。

半期末の9月は納期が目白押しで、そうそう外にばかり出てられないのが本音だが、そもそも8月が天候不順だったのが元凶なのである。

20160913

ジメジメぐずぐず鬱陶しいので、先週の台風一過でスカッと晴れた上越国境を一枚。でもこの日は終日デスクワークで外出ならず。

そろそろタカが飛び始める時期であり、仕事場から上越国境がスッキリ見通せるようだと、心ここにあらず気もそぞろといったところだ。

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キリンはアフリカ大陸のサハラ砂漠以南に分布する奇蹄類..馬やバクと同じ蹄が奇数ある..の仲間だ。

従来、キリンは地域によって亜種に分化しているが、基本的に種としては一種として扱われてきた。色味と模様に若干の違いあれど、見た目も形態的には違いが見られないからだ。

それが遺伝子解析の技術が進歩したことで、実はミナミ、キタ、アミメ、マサイの異なる4種に分かれるという新説がこのほどドイツの研究チームより発表された。

どうやら遺伝子レベルではヒグマとホッキョクグマの同程度の違いがあるらしく、全体の総数では数が多く見えても、種ごとになれば一気に数が少ないという判断になるため、従来とは異なるアプローチで保護政策を考える必要に迫られるとのことだ。

20160911

ケニヤのマサイマラNPで撮影したマサイキリン。夕景にその特徴的なシルエットが美しい。

アフリカのサバンナを旅していると、平らであるがゆえに広く遠くまで見通すことができる。平原にはたくさんの草食獣を絶えず見ることができるが、とりわけキリンはその首の長い体軀で、どこにいてもよく目立つ。

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タイトルとは全く関係のない話。

うちの業務内容は写真・映像・自然・ITの4品目である。一見すると関連性のなさそうな分野に思えるが、これがまた意外に密接な関係があるから面白い。

あれやこれや好きなことに手を出しているうち..一つことで安定して飯が食えないので色々やらざるを得ないという側面も否定しない..に、少々手広くなってしまったというのが実際のところだが、そもそも今どき写真もデジタル、動画もデジタル、しかも後処理はすべてPCによるノンリニアな世界であるし、自然もその写真や映像でインタープリターするわけだし、調査分野ならデータのサンプリングや解析は必須である。

手前味噌ではあるが、もともとシステム屋育ちであったが故にすべての業務をITで串刺しできるのがうちの強みということになる。カメラで写真や映像を記録し、PCでそれらをまとめ上げ、その分野に興味のある人達の目に触れる場を設け、また表現者には発表の機会を提供する。

自分自身も表現者たる道を探求することを止めたわけではないが、 この世界に長く生きムダに歳にとってくると、不思議と自分自身の関係してきた世界に役に立ちたいなどと、分不相応でらしくない世界観のために尽力したくなるようだ。

ま、まだまだ道半ばではあるが、もう少し人生悪あがきをしてみても良いだろう。

20160910

アキアカネたちが茜色に衣替えして、ようやくそれらしくなってきた。折しも赤ヘル軍団25年振りのリーグ優勝ときて、今年は赤がラッキーカラーかな。

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先日通り過ぎていった台風13号だが、赤城高原でも風の影響がそこそこあったようで、トウモロコシが倒れただの秋そばがやられただのと、隣近所の農家の泣きが聞こえてきている。

被害が大きかったのは県北で、渋川や利根町では土砂崩れが発生し、県道とJR線に被害が出た。JRのほうはすでに普及しているようだが、県道の土砂崩れは復旧にはまだ時間が掛かりそうで、しばらくは県北の天狗様詣でもお預けである。

20160909

風にあおられて落ちてきたどんぐり。今年も出来はまあまあのようだ。

夏うちは村内あちこちでクマ出没騒動が勃発していたが、8月以降は沈静化している。駆除されて数が減ったとかそういうことではないのでまだまだ油断ならないが、山に入る際は無駄な争いとならぬよう気をつけねばなるまい。

剣道はそこそこ心得があるが、空手や柔術の経験はないので、嬬恋の某空手家のように取っ組み合って追い払えるかどうかは未知数だしね(笑)。

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雷鳴轟く

2016/9/7

未明に屋根の直上で雷鳴が轟き、電気でも流れたかのようにパチっと目が覚めた。と同時に猛烈な雨音も耳に飛び込んできて、家そのものが雷雲の中にいることが判る。

標高が高いため、雷雲が発生するととにかく近いのである。雷もピカッとゴロゴロドーンが同時であり、稲妻を目にすること無く周辺がフラッシュを浴びたように明るくなるのだ。

こうなるとすぐまた寝るというわけにもいかず、しばし窓越しにその稲妻フラッシュ..戦隊ヒーローの必殺技のようだ..を眺めていると、村内の防災無線が土砂災害警戒情報を流し始めた。雨による災害警報など今のところに住み始めて初めてのことだが、朝になって気象情報を確認して納得、1時間に100mmを超えていたとの事で、なるほどねと合点がいった次第。

地震含めいわゆる災害とは縁のない我が村だが、台風絡みのケースはそうも言っていられない。高原台地の地形なので土砂崩れの危険はほとんどない..上棚から村内中心部へ下る河岸段丘は可能性ある..が、雨が強いと一気に畑土が流れ出し、乗用車では走破が難しいほど道という道が泥炭化するので要注意だ。

20160907

激しい雨に叩かれ、コスモスの花が結構散ってしまった。ただでさえ、先月の草刈りで誤って半分ほど刈ってしまっていたので、それに追い打ちをかけられた形で寂しい限りである。

カテゴリ:季節感, 花・植物|タグ:

先週、昆虫写真家の海野和男先生の作品鑑賞に小諸高原美術館を訪れたが、一緒に開催されていた「生きもの写真リトルリーグ」も観覧してきた。

いわゆるフォトコン的な催しなのだが、テーマは生きもの、参加者は小中学生ということで、実はさほどは期待はしていなかったのだが、それがどうしてどうして、見てビックリの作品群に驚きであった。まあさながら子供版アニマ賞といった風情である。

最優秀作品賞は長野在住の中学三年生で、家の近くに生息するハヤブサをテーマにした作品であったが、まあこれが実によく写っているのである。写りに関してはカメラの性能に大きく依存する部分もあるだろうが、テーマの据え方もよく判っているようで、末恐ろしい限りである。

20160904

自分の同じ頃を思い浮かべてみると、アニマなどは読んでいたが、生きものを写真に写そうなどとは思ってもいなかったし、そもそも家にあった写真機はピッカリコニカだったので、スタートラインからして格差がある(苦笑)。

写真は高校生になってからで、当時はフィルムなのでまず「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」方式などは到底考えられない。フィルム1本36枚、実に貴重なものであった。撮るときは脇をしめて1枚1枚息を潜めてシャッターを切り、その度に大急ぎで巻き上げレバーでフィルムを送らなければならなかった。

山にイヌワシを狙いに行ったり、近所の川原にカワセミを撮りに行っても、シャッター切ったのはたった3枚とか、そんなことはザラだったしね。

海野先生の話では、今どきこの手の写真を撮る子の親からしてカメラマンとのことで、一連のカットを見る限り最新一眼デジカメで連写した中の1枚といったものが多く見受けられた。機材に関して言えば今はもうそういう時代なのでそこは問題ではなく、組み写真としてどう魅せるかに重きをおいていることが驚きである。

その昔、超望遠やマクロ、モータードライブによる連続撮影などは特殊なものであり、その道のプロなど限られた人にのみ許された行為だった。それがデジタルカメラの登場とその後の急速な進化により、道具として誰にでも手の届く範囲にまで降りてきた。

そしてSNS台頭により、生息地含め生きものの情報が誰にでもインターネットを通じて手に入れられる情報化時代を迎え、生きもの写真の市場に将来性があるかについては正直なかなか厳しいものがある。

が、それでも「生きものを見る視点」は他の被写体にも必ず活きてくるので、くれぐれも「何で撮ったか」ではなく、「何を撮ったか」そして「何を表現したいか」を鍛錬していって欲しいものである。