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かねてから業績がはかばかしくないと噂されてきたGoProだが、とうとうドローン分野では白旗を上げたようだ。

発表時は期待の高かった同社初のドローンKarmaも、発売時に重なったトラブルやリコール、何より業界の雄であるDJIのMavic Proに完全に食われてしまったのが痛かった。

確かにドローンの黎明期では、ブラシレスモーターのジンバルにGoProをぶら下げて撮影していた時期があったので、どうせなら機体そのものも自社でと夢見たのは理解できる。

が、そもそも小型のアクションカムと、ドローンの機体制御などはまったく別の技術なので、安易に参入を試みたのは米国的には「Nice Try」なんだろうけど、そこにはアメリカンドリームは無かったということだ。

大陸製、中華製などと揶揄される、安かろう悪かろうのいわゆるメイドインチャイナにおいて、DJIの技術力はかつてのモノ作り大国メイドインジャパンを彷彿とさせるものがある。誤解を恐れずに言えば、今の日本にはDJIに太刀打ちできるメーカーは存在しないだろう。たとえ技術力はあっても、それを製品としてキチッと市場に安定供給できなければ、絵に描いた餅である。

今後GoProは本業のアクションカムにリソースを注力していくと言っているが、その分野でも中華組の新興は目覚ましいので、それとてうかうかしてはいられないだろう。

LUMIX GH5 / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

ヒーフーヒーという素っ頓狂な鳴き声に振り向くと、イカルの群れが朝日を浴びて暖気中であった。比較的樹冠にいることが多いが、斜面の上部からならそういった梢が目線の高さになることもある。

イカルは通年家の周囲でも見かけるが、冬季と言えど餌台に寄ってくることはない。見るからに立派なくちばしでヒマワリの種は好きだとは思うが、群れているせいか総じて警戒心が強い鳥ではある。

着雪

2018/1/14

北部フィールドの空は仕事場の窓からほぼ見えているので、出かける前から天気が悪そうなのは判っていたが、着いてみたらやはり雪模様。

昼前には回復するとは聞いていたが、別件で近くに用があったので、小一時間ほど森の中を歩き回って着雪した木々を撮影してから引き上げた。

FUJIFILM X-T2 / XF50-140mm F2.8 R LM OIS WR

昨今はスマホ文化がカメラの世界にも浸透してきて、背面の液晶モニターをタッチ操作できる機種が、上位モデルにもジワジワ増えてきている。

さすがにコンデジ系のようにタッチ操作を主体とする機種は上位モデルにはないようだが、タッチ操作大いに否定派の拙者としては、冗談じゃねぇぞと気が気ではない。

何が悲しくてカメラまでナデナデお触りしなければならないのか、昭和カメラ親父としては意味不明である。カメラの操作は断固ダイヤルクルクルと相場が決まっているのだ、とフジのカメラを見ながら常々思うのである。

大体、冬季の寒々冷え冷えした氷点下の屋外において、操作の度に手袋を外すなどとは自殺行為に他ならない。と、首から下げたiPhoneが鳴るたび悪態をつくことになるのだが、そんなスマホ的軟弱なUIをカメラの世界にまで持ち込むなんて、声高に断固反対なのである。

冷え冷え

2018/1/13

大寒はまだ一週間ほど先ではあるが、列島に襲来している大寒波の影響で、赤城高原でも連日最低気温を更新しており、今朝は氷点下13℃まで下がった。

外気がこのくらいまで下がると、ストーブを焚いてもなかなか家の中が温まらない。いつもなら日の出前から餌台に集まっている鳥たちも、出勤は日が上ってからになる。

FUJIFILM X-T2 / XF16-55mm F2.8 R LM WR

タイムラプスで谷川岳のモルゲンロートを撮ろうとしたが、バッテリーが少し減った状態で始めたら、アッという間にドロップして止まってしまった。

X-T2に限らないが、ミラーレス一眼の弱点はバッテリー消費の早さだろう。この辺りはビデオカメラによく状況が似ているので、動画屋として個人的にはそんなもんだろうと思っているのだが、一眼レフからの乗り換え組には辛いところだろう。

にしてもやはりX-T2単体ではバッテリーのもちが良くない。消費量が多いというより、小型さを優先してそもそもバッテリー容量が少ないのが原因だろう。なので冬季の撮影ではX-T2にブースターは必須である。ブースターを装着することで、バッテリー容量が一気に3倍になるからね。

米CESで発表されたGH5sが話題だ。見た目はGH5そのものだが、センサーと画像エンジンはまったくの別物で、ISO51200を常用感度域とし、さらに設定でISO204800まで拡張できる。

米サイトでサンプル映像を観たが、フルサイズの低画素で高感度性能を謳うソニーのα7Sと比べ、動画だと同等、静止画ならGH5sの動画から6Kフォト切り出しのほうがノイズがなくクリーンなのだから恐れ入る。

フルサイズに比べてセンサーサイズが面積比で1/4程度のマイクロフォーサーズが、既存のどの市販カメラより高感度性能が高い、まさに高感度番長の時代が来るとはよもや思いもしなかった。

ただ、高感度に特化したこととバーターで、今どきのスチルカメラとしての性能は抑制されている。センサーサイズはマイクロフォーサーズでも画素数は約1000万画素と二世代前の水準に戻り、GH5で搭載されていたIBIS(ボディ内手ブレ補正)も付いていない。見た目はミラーレス一眼のそれだが、中身は動画専用機で割り切れというメーカーの主張がスペックに見え隠れしている。

それでも似通ったスペックで飽和しつつあるデジタルカメラ市場において、そういう尖ったカメラはアリだろう。常に動画ミラーレス一眼の先鞭をつけてきたパナの面目躍如だ。画素競争の果に高価なレンズを買い換えさせようとするのではなく、オンリーワンを目指そうとうするパナの姿勢は評価できる。

FUJIFILM X-T2 / XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS

GH5sに大口径単焦点レンズの組合せでどんな絵が撮れるのか楽しみだ。が、その前にマイクロフォーサーズの大口径単焦点レンズも手に入れなくてならないという問題もあるw

昨年は新しい機材に手を出すことはなかったが、今年は色々動きがあって面白い。何はともあれ、まずはGH5sは個人的には買いのカメラだ。

木星と火星

2018/1/11

明け方の南東の空に、月に寄り添うように星2つ。明けの明星(金星)かと思っていたが、それにしては小さい。

調べてみるとどうやら金星ではなく木星と火星らしい。大きい方が木星で左下の小さいほうが火星のようで、火星は木星より地球に近いところを周っているので、日々時間帯で見える場所は異なるとのことだ。

FUJIFILM X-T2 / XF35mm F1.4 R

最も稼働率の高いフジ大三元の一翼を担うXF16-55は、全域F2.8の大口径ズームと言われているが、夜間や夜明け前においてはF2.8は決して大口径ではない。

その点で、開放F1.4から躊躇なく使用できる単焦点のXF35やXF16の前では、2段も暗いレンズということになろうか。高感度性能の優れたX-T2との合せ技では、両単焦点レンズともこの程度の暗さは何ということもない。

谷川三変化

2018/1/10

何だか思ったほど雪が降らない新春である。西日本の日本海側では荒れているということだが、県北でもみなかみ藤原を除けば日に日に地面が露出し始めている。

雪が少ないと心配される雪不足に関しては、上越国境付近の山沿いにさえ雪があれば何とかなるが、いつぞやのように2月とか春先にドカッと降るのだけは勘弁して欲しいところである。

FUJIFILM X-T2 / XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS

FUJIFILM X-T2 / XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS

FUJIFILM X-T2 / XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS

上から一昨日、昨日、今朝の順にここ3日間の谷川岳の三変化。

カテゴリ:季節感, |タグ:,

霧氷花

2018/1/9

冬に咲く花は少ない。どころか、すべてのものが凍りつく厳冬の山間地ともなればそれは皆無である。

グレースケールのモノトーンの景色の中で、辛うじて主張するものがあるとすれば、それは自然が創り出す繊細な雪の華だろう。

雪はこの世のすべてを覆い隠すように積もることもあれば、あらゆる物質に付着して、それはあたかも素っ気ない空間に花を添えるかの如く振る舞う。

耳が痛いほどキーンと張り詰めた早朝の空気の中、静かに森の中を歩けば、意図しない自然の造形の美しさに触れることになる。

FUJIFILM X-T2 / XF50-140mm F2.8 R LM OIS WR

FUJIFILM X-T2 / XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS WR
カテゴリ:季節感|タグ:

古の昔は砂糖のような甘い甘味料がなかったので、甘いものと言えば熟した木の実と相場は決まっていた。中でも柿の実は古来から日本人には親しまれてきている木の実だろう。

FUJIFILM X-T2 / XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS

街場では見かけなくなったが、田舎には昔の名残で未だに柿の木が残っている。まあそれとて食用でどの程度消費されているかは未知数で、里山の沿道や畔に植わっている柿の実の大半は、晩秋ならクマ、冬なら朽ちて鳥の餌になっているだろう。

FUJIFILM X-T2 / XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS

柿は甘柿と渋柿があることが知られているが、絶対に甘くなる品種と、逆に絶対に渋くなる品種、そして状況によってどちらかに変化する中間品種とに分かれるそうだ。市場に柿の実として流通しているものは間違いなく甘柿だが、前述の田舎の周辺に植わっている半ば野生化したような品種は、ほぼ渋柿と言えるだろう。

状況によって変化するというのは、雄花の量で種が増えたりといくつか条件があるようだが、そもそも温暖地でないと甘くならない。利根沼田でも標高が高いところでは、まず間違いなく渋柿になっているはずだ。

そこで作られるのが干し柿である。干し柿は乾燥することで渋みのもとであるタンニンが渋くなくなる..難しいことは分からないが水分として溶け出してこなくなるらしい..ことを利用した保存食だ。うちの近所に残る柿の実はほぼ干し柿となって、村の直売所に並ぶことになる。

ちなみに、干し柿になるとは言ってもそこまで需要があるわけでないし、そもそも高いところの実は収穫もままならない。そういった実は秋からそのまま放置され、ちょうど今頃鳥たちの食べ頃になっているという次第。

FUJIFILM X-T2 / XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS

色の薄れたモノトーンの冬にあって、穏やかなパステル調の橙は雪景色によく映える。まさに雪国の色と言えるだろう。

カテゴリ:花・植物|タグ:

本日も再びSLレトロみなかみ号を撮影。と言っても昼前の下りだけで、午後は北部フィールドへ出掛けたので、本日は撮り鉄目的だけではない。

実は昨日、上りも撮ろうと夕方に岩本駅まで下がって待機していたのだが、定刻になっても待てど暮らせどやって来なかったのである。どうした世界に誇る日本のJR!と寒さの中30分ほど待って引き上げたのだが、雪の影響で上りが運休していた事実を夜になってからJR高崎支社のHPで知ることに。

どおりで誰も鉄ちゃんが居ないわけだw こういうところににわかと本職の違いが出るようで..

ということで本日も運行はみなかみ行きの下りだけなので、天狗様詣での行き掛けに寄り道した次第。撮影ポイントはこれまた昨年のうちにロケハンしておいた場所からで、近くには鉄ちゃん御用達らしい撮影ポイントがあった..沿線にわんさとカメラマンがたむろっていた..ようだが、怖いのでそちらには近づかず。

今日のステージもProject AKG/Around AKGなので、昨日同様に狙いはあくまで赤城山で、雪景色の中それも我が赤城高原バックである。

FUJIFILM X-T2 / XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS WR (左はx2)

FUJIFILM X-T2 / XF50-140mm F2.8 R LM OIS WR

FUJIFILM X-T2 / XF50-140mm F2.8 R LM OIS WR

フッテージ屋として当然動画も押さえているのだが、GH5は三脚に固定して少し高いところに放置して長回し。録画はスマホから遠隔操作。

車両の走行音だけでは寂しいの汽笛でも鳴らしてくれないかと思っていたら、狙いすましたように繰り返し数回鳴らしてくれた。が、後で録画を確認したら、線路すぐ脇に立っている鉄ちゃんが避けそうになかったため、警笛として鳴らした様子が見て取れた。

その風体には見覚えがあり、実は車両通過前に線路を横断しようとしていた若い二人連れがいて、さすがに目の前だったので注意した、まさにその連中であった。その時は悪びれもせず逃げるように姿を消していたのだが、結局危険行為を繰り返している始末。

まあ一部とは言え撮り鉄は世間的には迷惑行為の常習犯と見られているわけだが、その二人連れなどまさにその一翼になっているのだろうね。

SLレトロみなかみ号の新春初走行と聞いて、昼前に冬のSL撮影を敢行。

県内を走るJR東日本のSLレトロ号..今日はD51でなくC61だった..は上越線と信越本線の双方あるが、冬季の上越線では正月明けの今日明日のみで、その後は春まで欠便するのである。やはり雪の影響があるのだろう。

ということで、沿線各地の知られた撮影ポイントは朝から本職の姿が多く、にわか鉄ちゃんには付け入るスキがない..

と言いたいところだが、こちらは静々と進行中のProject AKGの一環なので、車両自体が目的の人たちとはやや視点が異なる。特に同ステージのうち今日はAround AKGなので、狙いはあくまで赤城山と上越線。昨年のうちに高崎・前橋の行き帰りにロケハンをやっておいたので、本職たちと被ることなく撮影できた。

上越線は赤城山の西側の裾野に沿って利根川と並行して走る路線で、特に渋川〜沼田間はなかなか絵になる眺めの中を走っている。ただ、背景に赤城山を入れ込むにはヘイズの影響を受ける夏場よりも、空気が乾燥してクリアな関東の冬晴れが最適であり、そういう意味で今日明日しかチャンスが無いというわけだ。

さらに同じ車両を狙う場合、通常は路線の上り下りそれぞれ1ポイントだけになるが、SLレトロみなかみ号は渋川で30分停車するので、渋川手前で撮影の後に上手く移動すれば、沼田までのもう1ポイントでも撮影可能になる。

FUJIFILM X-T2 / XF50-140mm F2.8 R LM OIS WR

ドーンと赤城山をバックに。

FUJIFILM X-T2 / XF16-55mm F2.8 R LM WR

利根川の鉄橋を渡る。背景は雪煙の上がる黒檜山と鈴ヶ岳。

今日のカットはHDR風に仕上げてみた。仕事でない限り基本的にHDR処理はやらないが、車両自体が漆黒の上に関東の冬晴れトップライト下なので、こんな時はHDRが良い。今流行のインスタ映えっぽい?

余談だが、請負仕事以外で鉄道目的のみで撮影に出たのは、35年を超える写歴で初のことだったりする。