上信越国境の山焼け
一昨日・昨日と2日続けて放射冷却で氷点下8℃まで下がったが、そろそろ冷え込みもラストスパート。
とは言えここまで下がると赤城高原から見渡す峰々は山焼けとなり、ビーナスベルトとモルゲンロートのダブルで空も山も赤く染まることになる。
ただこの日は日の出前からシジュウカラとホオジロがさえずっており、寒い中でも春の近さを感じさせる季節のたよりであった。
一昨日・昨日と2日続けて放射冷却で氷点下8℃まで下がったが、そろそろ冷え込みもラストスパート。
とは言えここまで下がると赤城高原から見渡す峰々は山焼けとなり、ビーナスベルトとモルゲンロートのダブルで空も山も赤く染まることになる。
ただこの日は日の出前からシジュウカラとホオジロがさえずっており、寒い中でも春の近さを感じさせる季節のたよりであった。
その昔、天狗様が抱卵に入る頃を見計らって毎年のように数週間ほど冬の道東に通っていた時期があった。
知床が世界自然遺産に登録されて以降はほとんど出掛けていないが、それでもオホーツクに流氷が流れ出すとそれなりに気になって、毎日に海氷情報を眺めている。
白い流氷原は内地に住む人には冬の景色だが、流氷が道東各地の海岸線に到達するのは春の知らせである。
ひたすら尾根向こうの山並みを眺めている合間、時折眼下を見下ろしていて、谷の中に幾筋ものノウサギの足跡を見つけた。
ノウサギは谷の左岸側から降りてきて一度灌木に立ち寄ってから走って右岸側へ移動している。灌木では採餌した可能性もあるが一度身を隠したと思われる。
イヌワシの生息地で晴天下の日中にこの行動は命取りになるので、トレース自体は夜間のものだ。それ故に足跡も急いではいないのが分かる。
イヌワシはクマタカのように止まって餌を探すこともあるが、多くは飛翔を伴う探餌を行う。
写真のような谷地形の上を時間を空けて繰り返し旋回することで自身の姿を晒し、獲物が慌てて飛び出してくるのを狙う。
イヌワシがペアで狩りを行うのも他の猛禽類にはない特徴。
谷の上を通り過ぎる先行個体をやり過ごし、獲物が安心して姿を現したところへ時間差でやって来る背後の個体が襲いかかるという連携プレーを見せる。
日当たりの良いオープンな場所はノウサギの採餌適地でもあるが、危険も多い場所でもある。
去る2月8日、藤原のマサ先輩こと動物写真家の飯島正広氏が亡くなられた。
飯島氏は早くから野生動物の記録には映像が適している判断し、NHKの生きもの地球紀行などテレビ放送の分野を中心に活躍した方である。
栗林慧氏が代表を務めるNPS(ネイチャーフォトスタジオ)の設立メンバーとして写真表現の分野でも著書は多数。アジア動物探検記(福音館書店)などアジアを中心に、東アフリカ・極東ロシア・ブラジルやアルゼンチンなど南米で精力的に取材活動をして来られた。
また、とかく動物写真というと目立つ大型の生きものをやりたがるカメラマンが多い中、ネズミの仲間やリス、モグラなどの小動物を対象に、大学のその道の研究者たちと一緒に活動していた。
特に近年は日本産コウモリ全種の記録を目指して精力的に取材活動を続け、残すところあと数種まで来ていたのに残念なことである。
あまり自慢げに成果を語る人ではなかったが、日本人写真家で初めてアネハヅルのヒマラヤ越えやユキヒョウをカメラに収めたのもマサ先輩だった。
個人的にカメラなどデジタル機器とIT周りをサポートさせてもらっていたが、Macが起動しないとかスマホがつながらないとかのやり取りももう無いのかと思うと寂しい限りである。
同じ県内の月夜野町在住で2016年に亡くられた植物生態写真家の埴沙萠氏とは親兄弟かのような関係を築かれていたが、一足お先にと言っておられた埴先生と再会を果たし、今頃は埴先生のお相手で一杯やっているかも知れない。
飯島正広氏のご冥福をお祈りします。
海野先生も小諸日記で書かれているが、我々が若い頃に憧れた先達たちの訃報が増えてきた。病気や事故という不慮の場合もあるが、やはり年齢制限というか老いには従わざるを得ない。言ってしまえば順番というやつだ。
何より自分がそういう年齢になったという裏返しでもある。小生はまだ死ぬ予定は持ってないが、病気や事故の可能性はもちろんあるわけで、さてその時に自分の順番だと割り切れるものかどうか。
ま、死んだ後は無に帰すのでどうでも良いことと割り切っているつもりだけど、さてさて..
多くの花火大会は夏の暑い盛りに行われるものだが、おらが村が村の花火は真冬の厳冬期に打ち上げる。
話題性狙い?というのはもちろん否定はしないが、村の有志の手によるイベントであるため、夏の農繁期の開催が難しく、概ねヒマになる冬ならなという意味が大きい、という話。
でも確かに話題性はあるかな。
ここ数年は村内で最も標高の高い広場で上げていたのだが、あいにくとその方向は隣家の防風林の陰になって今ひとつよく観えなかった。
それが今年から再び運動公園に会場が変わったため、仕事場の窓からよく観えるようになって、暖かい部屋の中でビール飲みながら鑑賞できるようになったのは良き。
子供が小さい頃は会場まで観に行ったこともあったが、ジジィに冬の夜の寒さは堪えるのでねw
標高が2400mを越える県境付近ともなるとかなり遠くまで遠望が効く。麓はどんより雲の下でも稜線まで上がれば雲海を従える峰々を望むことができる。
こうしてみると富士山は目立つ。高さが頭抜けてあるのとやはり単独峰というのは大きい。
本業の合間に時々裏稼業にも従事。と言っても人手が足らずに急遽お呼びがかかる程度なので、スケジュールが合えばということになる。
表の仕事は少ない脳みそフル稼働状態になるので、時折個人調査で天狗様求めて山に出向くか裏稼業で冷却することになる。
裏稼業が頭を使わないというわけではないが、IT仕事とは左脳と右脳の使い方が明確に異なるので、ITから見ると息抜きの側面があるのは否定しない。
それでも現場では少なからずデスクワークはあるという写真。テーブルがないと調査図面や記録用紙の記入がやりづらい。
定点がクルマ脇なら、荷室に車中泊用ベッドとキャリアを兼ねたハンドメイドのテーブルが備え付けてあってそれを利用できるが、クルマから少し離れる場合は小さいコンテナを運んで上に合板を置くなどしていた。
今は密林で探した携帯テーブルを使用中。これなら歩き定点へクルクルと丸めて携行でき、張力があるので硬いものを敷けば地図やデータ書きも可能。
尚、写真に折り畳みの椅子も写っているが、机に高さが無いので地べたに座らないと書きものは辛い。
XF150-600mmは画質とハンドリングはなかなか良い。35mm版換算で900mm相当でこのサイズと重さに収めているのも素晴らしい。
ただ、富士フイルムの設計担当者はこの手の望遠ズームを現場で使ったことないのではないか?と思えるような納得できない仕様が2点ある。
①フードの先端外周にラバーがないので、一時的にでもフードを下にして立てておくことをはばかる。ここはキヤノン・ニコン・ソニーを見倣って欲しい。
②三脚座のアルカスタイルのアリガタが最後まで貫通していないため、写真の位置より前方向へ移動できない。そのためせっかくのクランプ構造を利用してバランスが取れない。
②に関して、スチルの場合は基本的に手持ち撮影なので気にならないが、動画撮影時は三脚運用であり、特にバッテリーグリップを装着して重量が増すボディの場合に致命的問題と言える。
結局別途アルカスタイルのプレートを装着して前後バランスを取ることになって、標準のアリガタの意味がない。まあ三脚座を伸ばすことになるので、可搬時に握りやすいという副次効果は出ているけどね。