年別アーカイブ : 2015

portfolio

ヒメジョオンが咲き乱れる休耕地の脇を歩いていた際、突然すぐ近くで「キェー、キェー、ケッ、ケッ・・・」的な奇声が聞こえてきて少々驚く。声のする方を見ると、ヒメジョオンを激しく揺らしながら、何者かが何者かから逃げているように見え、その攻防戦は観客無視でしばらく続いた。

膝丈程度の草むらで視界があまり効かないので、中腰姿勢で目線を上げ下げして動き回る物体を追いかけていると、逃げているのはキジの雌だと判った。と、こちらが気付くのが早いかという刹那に、キジの背中に飛び掛かる小さなケモノを確認、キジはすぐに翼を広げてケモノを振り払うと、草むらから慌てて飛び出してきた。

その際、飛んで逃げること無く、走って農道に飛び出してきた時の仕草から、恐らく雛たちからケモノを遠ざけるための偽傷行動であったと判る。

当然、カメラを構えて次に出てくるであろうケモノに備えたが、草むらからは何も出てこなかった。さらに当のキジ雌でさえも「あら取り乱して失礼」と言ったか言わずか、乱れた羽を正すとそそくさと反対側の休耕地へと姿を消していった。

20150707

先ほどまで争っていた草むら周辺をしばらく凝視していると、程なく絵に描いたようにピョコッとイタチが草本の隙間に顔を出した。ピリピリした雰囲気から、ジッと辺りをうかがっている様子が伝わってきたが、「チッ、逃がしたか」といった風情できびすを返すと、尺取り虫のような動作で林の方へ去っていった。

愛くるしい顔をしているが、食肉目であるイタチの仲間は皆凶暴極まりない連中ばかりで、小さくなるほどその凶暴性は増していく。自分よりもはるかに大きい獲物でも、動くものに反応して躊躇なく襲いかかるその性質は、まさに天性のハンターと言っていいだろう。

しかしこの顛末、間一髪キジ親子が難を逃れたと見るか、もしかしたらイタチも巣穴で子どもたちが腹を空かしていた可能性もあると見るか、その辺りは見る人によって異なるだろう。とにかく、肉食動物が腹を満たすということは、他の生きものの命を奪っての結果であるということで、そこには一切の憐憫の情はない。イタチが可愛いとかキジの親子が可哀想とか、そういった感情論は人間だけの世界観なのである。

カテゴリ:ほ乳類, |タグ:,

ギー

2015/6/29

ここ数日は雨に悩まされていたが、今日は朝から晴れて暑くなった。久しぶりに近所の演習林にオオタカの様子を見に行ったところ、雛も親と変わりない大きさに育って順調であった。例年だとそろそろ巣立ちの時期なのだが、毎度のことながら何か用事で出掛けている時に限って巣立つことが多く、今年こそはと思うのだが、まあそう上手く行かないのが世の常である。

20150629

ギーという鳴き声に頭上を見上げると、ニセアカシアの折れた枝先にコゲラが留まっていた。いつもならすぐに飛んで行ってしまうのだが、今日は珍しく何枚かシャッターを切らせてくれた。

カテゴリ:|タグ:,

目つきワル!

2015/6/25

いや〜ぁ、何というかホント目つき悪いっすね、この連中。自然界のスカベンジャーとしては同じ立ち位置にいるカラスが、可愛く見えてくるから不思議なもんだ(笑)。それでも上州の山人間が久しぶりに海へ出たもんで、やはり海鳥はいと珍しきかな。

20150625

余談だが、この鳥を見てカモメ、と思った人はハズレ。カモメは北極圏に近いところで繁殖して、日本近海には冬鳥として渡来してくる。今この時期に海辺で屯しているこの目つきの悪い連中は、ウミネコ(夏鳥)である。

カテゴリ:|タグ:

20150624

里山の田んぼの畦にうごめくケモノ。向こうを向いていたので最初は何が置いてあるのかわからなかったが、横を向いてようやくカモシカと判明。シロツメクサのお花畑で何をしていたのか知らないが、日中真っ昼間にこれだけオープンな空間をうろついているのも珍しい。

20150624b

田んぼの側溝脇にもケモノの痕跡が。恐らくイタチがオタマジャクシかカエルを食べに来ているのだろう。イタチ意外にも、この季節はアナグマもよく姿を見せる。

カテゴリ:ほ乳類|タグ:, ,

P900は一応ハイスピード撮影が可能である。ただし、メーカーの製品ページでもそこにはまったく触れていないので、特筆すべき機能ではないし、そもそも仕様を見ればああそうね的なものに過ぎないのはすぐ判る。先日記事に書いたソニーのサイバーショットRX10 IIとそこは一線を画していると言ってよい。

フレームレートは480で4倍、720で2倍となり、ハイスピード感を期待できるのは当然480のほうだが、4Kの影がチラチラしているこの時代に、今更480はねぇよな、というのが普通の感覚であろう。

出掛けに10分程度、軒下のツバメの巣でちょこっと試してみたが、それでも手持ちで超望遠領域のハイスピード撮影ができるのは大したものだ。Web等で資料映像として使うには、まあこんなもんだろうといった感じである。

20150623

恐らく2回めの繁殖であろうか。そろそろ巣立ちも近いだろう。

冬季、降雪後に道路に塩化カルシウム(カルシウムの塩化物)が撒かれることがあるが、塩カルの場合は融雪が目的であり、凍結防止用に撒かれるのは塩化ナトリウム(いわゆる塩)である。両者ともほぼ似たような効き目ではあるが、塩化ナトリウムのほうが効果の持続性が高く、コスト面で有利なので、高速道路などで事前に散布されるのは塩化ナトリウムのほうである。

さすがに今の季節に融雪剤を撒くことはないのだが、雨中に高速道路を走行すると、冬の間に散布された塩化ナトリウムが流されずにまだ残っていることがあり、それが車体周りに付着するのである。

そんな理屈を知ってか知らずか、ヒョウモンの仲間..ウラギンヒョウモンかな?..が塩分を目当てに入れ替わり立ち代りやって来ては、盛んに車体の下部に近いところを舐めていた。

生きものにとって水分と同時に塩分補給は重要なので、この手の行為はヒョウモンに限らず、ほ乳類でも普通に見られる。以下の映像は廃屋の漬物桶に集まるニホンジカを捉えたもので、資料としてなかなか興味深い。

塩化ナトリウムより強力な塩カル..水に溶けると発熱して低温でも融雪効果が高い..が車体に付着すると腐食の元になるので、雪道を走行した後には必ず洗車、それも下回りを入念に洗浄するのがベターだ。

その昔、頻繁に北海道へ渡道を繰り返していた頃、洗車を怠りタイヤが外れなくなって苦労したことがあった。ホイールを止めていたボルトが錆びて回らくなってしまい、修理に結構高く付いたことがあったのだ。

と言うことで、今の季節であってもまだ車体に融雪剤の類が付着することをヒョウモンに教えてもらったので、早々に洗車場で下回りを洗浄しようと考えているところだ。

コンデジの世界はスマホに駆逐されつつあり、何か一芸に秀でていないと売れないというのはP900の記事で書いた通り。ニコン以外のメーカーもその辺りは当然判っていて、先ごろ発表されたパナとソニー、キヤノンのブランニューを見ていると、徐々に製品ラインを淘汰しつつ新機軸に移行してきているのが判る。

まずパナのG7はもうほとんど予想通りのスペックで、新機軸という点では目新しさはない。GH4の機能を一年後に下のモデルに入れ込んでみた的な製品である。それでもほとんどの製品ラインに、30p止まりとはいえ4Kを入れているのはパナだけなので、この点では他社より先んじていると言ってよい。

次にソニーのサイバーショットRX10 II(海外発表)だが、パナに先行されていたコンシューマ機での4Kにようやく対応してきたなと思いつつスペックを眺めていたら、驚いたことに960fpsのハイスピード撮影(40倍速)できると書いてあるではないか。まあよくよく見れば解像度はフルHDではないという、ある意味想像通りのオチではあったものの、コストパフォーマンスを考えれば1136×384で記録できるのは頑張ったほうではないかな。

この画質を使えると見るかまだまだと見るか、それは用途次第といったところか。それと、専用機を除けば4KをXAVC Sでカメラ単体で記録できるのもソニー初なのかな?60pで撮れたらビックリであったが、そこはさすがに..ね(笑)。

キヤノンから発表されたのはPowerShot G3Xである。1インチセンサーに24-600mm..P900の後ではインパクトはないけどね..ズーム、防塵防滴仕様とは驚いたが、写真も60p動画もイケるそのスペックを見る限り、もはやコンシューマのビデオカメラなど必要ないだろうと思わせる。P900もオモチャとしてみればこれ1台カメラとして十分だが、写真も動画もそこそこキレイに撮りたい層にはG3Xのほうが良いだろう。

対P900として特にG3Xが一押しなところは、動画撮影中に露出変更ができること、マニュアルフォーカスが可能なこと、ヘッドホンと外部マイクの入力端子がある..一応リモコン端子もあるが恐らくレリーズ..こと、ISO1600が実用的なところなどが挙げられる。

サンプル動画を米サイトから見つけてきた。そぐわない生息環境に天狗様が映っているのはワシ屋として抗議したいところだが(苦笑)、まあそれはともかく、センサーサイズの違い以前にP900とは明らかに異なる絵作りは好印象だ。

それにしても、はじめから期待もしていないが、4Kなど何の話だと言わんばかりの堂々とした無視は、ある意味さすが出し惜しみ番長のC社ならでは(苦笑)。昔のキヤノンはアグレッシブで尖ったところがあったが、現在は実につまらん企業に成り下がってしまった。安定しているという意味では王道なのだが、あと一歩という部分をわざと外してくる辺りは商売としてあざといと感じてしまう。

その点ソニーは事業部間のパワーバランスも関係しているが、依然としてチャレンジャー精神は旺盛だ。コンシューマ分野での4Kに関してはパナの後塵を拝しているものの、製品ラインナップの縦横展開に関してはフットワークが軽いので、ここまで来るとそこは時間の問題だろう。ただ、パイオニア故の立ち位置に起因するのだろうが、どれひとつとっても微妙に一番でないところが、いかにももう少し頑張りましょう的で惜しい。

20150620

関東でもようやく雨降りが始まって、梅雨を思わせる陽気といえばそうなのだが、本来のシトシト降る梅雨の雨と違って、ザーザードシャドシャと降ってくる点でやはり違和感がある。昨日などは雨はそこそこだったものの風が恐ろしく強く、あまりの寒さにフリース帽に手袋まではめてしまった。

カテゴリ:写真・カメラ

ロードキル

2015/6/19

村道でテンが轢かれていたと家人が言っていたので、用事で役場に降りたついでに回り道をしてみたら、確かにテンであった。用心深いイタチ科の仲間にしては珍しいと思っていたので、チョウセンイタチの見間違いではないかと疑っていたのだが。

20150619b

現場は沢沿いに下る村道の途中であり、周囲は隣接する公園施設に残された防風林(アカマツの点在する二次林)に面している。以前に同じ場所で滑空して道を横切るムササビを見たことがあり、すぐ近くにはオオタカの営巣木もあった..自然落下して以降営巣していない..場所だ。

周辺は広大な農耕地が広がっているため、野生動物はこういった防風林、いわゆる緑の回廊を伝って移動している。現場はちょうどその防風林が色濃くなる場所なので、連中は村道を横断する際にこの辺りを利用していると思われる。

朝から雨が降っていたので、カラスもまだ近づいたフシはなかったが、状況から見て早朝に朝採り車両にでも轢かれたのだろう。現場の少し手前には村道の下を沢水を抜くために土管を通してあるのだが、そこを利用してくれていれば事故には遭わなかったろう。

カテゴリ:ほ乳類|タグ:

雨の中、某県境付近の山道を走行中、何気に分岐に立て掛けてあった道案内を横目でチラ見。ちょっと考え事していたので一旦通り過ぎるが、アレっ?と違和感を感じたのでバックして確認、思わず「いねぇだろう本州には!」っと突っ込んでみた(笑)。

20150618

工事現場の案内看板など、癒し系の生きものの写真が貼ってあるのを時々見かけるが、この手のツッコミ入れたくなるミスマッチというかオーパーツ的なケースがあるのは確かだ。以前、北海道で道路工事だったか護岸工事だったかの現場に、ホッキョクグマとホッキョクギツネに挟まれてエンペラーペンギンが並んでいた時も、「北極にペンギンいねぇだろう、エンペラーは南極だ!」と一人で突っ込んでいたし(笑)。

と言いつつ、シマリスは本州では篭脱けで野生化している個体がいるのも事実。我が県にも有名な場所があって、東京辺りからやって来る◯ホカメラマンが餌付けたりしていて呆れるばかりだが、最も責任が重いのはそこに放した奴だ。

古くはアライグマ..我らの世代ではよく知られたカルピス劇場のラスカルが元凶..が有名であるが、鳥や爬虫類にも篭脱けは多い。ブームか何かで飼っていたが、手に負えなくなってそこら辺に勝手に放す輩が跡を絶たないのだ。まあ先の例でもシマリスがイメージに使われていること自体、さほど意味は無いのかもしれないが、もしかしたらライオネスコーヒーキャンディのテレビCM(古っ!)辺りの影響はあるのかも。

さて、飼われていた生きものが日本の冬を越せるかが野生化の分かれ目だが、冬ごもりをする生きものは案外生き残る可能が高い。先のシマリスも本来の生息地である北海道では冬ごもりをする。もちろん、そこで子孫を残していけるかとなるとそれには番い相手が必要なので、ハードルは途端に高くなるのだが、野に放つ時に一匹とは限らないので、その場合はさらに始末が悪い。

殺すのは忍びないと、当人たちは良かれと思って勝手に場所を選んで放しているようだが、もともとそこに生息している在来種に影響を及ぼす可能性が極めて高いので、場合によっては駆除という方法が取られる。それは自分の手を汚さないというだけで、結果としてその生きものの命を奪っているのと同じことである。

いい加減、ブームに踊らされて生きものを飼うという愚かな行為を止めるべきだろう。

カテゴリ:鳥獣・環境問題

このニホンザルの映像も、撮影状況は先日のカモシカ動画にほぼ類似する。基本的に動体撮影となっているが、ゆっくりした動きであるため、手ブレ補正の恩恵を十分に受けている。さらに撮影距離が近いことと、木陰で陽炎の影響を受けていないので、この手の高倍率ズーム機にしてはなかなかの解像感である。

P900は望遠端2000mmの83倍ズームであるが、被写体との距離が遠いと大気のゆらぎの影響を受けるため、センサーサイズが1/2.3型であるということもあるが、期待した結果を得るのは難しい。超望遠レンズのご多分に漏れず、遠くのものを手前に引き寄せて撮すという使い方よりも、近距離の被写体を大きく撮すという使い方が理にかなっている。