道脇、それもガードレールのすぐ脇にあったクリのクマ棚。それはちょっと手を伸ばせばすぐ届く距離にあって、今にもバキバキと音が聞こえてきそうな雰囲気であった。知人に教えられて帰りがけに立ち寄ったのだが、さすがに国道脇でクマ棚をこの距離から見たのは初めてである。
山間部の3桁国道とはいえ、周囲に普通に人家のある場所だ。状態から見て数日間は通っていたようだが、もしかしたら親子のように複数の個体が登っていたのかもしれない。
日中に登っていたとは考えづらく、国道脇なので夜間でも車の往来はあったと思うが、そう思わなければ気付かず通り過ぎてしまうだろう。ヘッドライトの光芒が当たっても、すぐに通り過ぎてしまえば案外クマは気にしないものだ。平気の平左で黙々と里ののクリを食べ続ける姿が目に浮かぶ。