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コンデジの世界はスマホに駆逐されつつあり、何か一芸に秀でていないと売れないというのはP900の記事で書いた通り。ニコン以外のメーカーもその辺りは当然判っていて、先ごろ発表されたパナとソニー、キヤノンのブランニューを見ていると、徐々に製品ラインを淘汰しつつ新機軸に移行してきているのが判る。

まずパナのG7はもうほとんど予想通りのスペックで、新機軸という点では目新しさはない。GH4の機能を一年後に下のモデルに入れ込んでみた的な製品である。それでもほとんどの製品ラインに、30p止まりとはいえ4Kを入れているのはパナだけなので、この点では他社より先んじていると言ってよい。

次にソニーのサイバーショットRX10 II(海外発表)だが、パナに先行されていたコンシューマ機での4Kにようやく対応してきたなと思いつつスペックを眺めていたら、驚いたことに960fpsのハイスピード撮影(40倍速)できると書いてあるではないか。まあよくよく見れば解像度はフルHDではないという、ある意味想像通りのオチではあったものの、コストパフォーマンスを考えれば1136×384で記録できるのは頑張ったほうではないかな。

この画質を使えると見るかまだまだと見るか、それは用途次第といったところか。それと、専用機を除けば4KをXAVC Sでカメラ単体で記録できるのもソニー初なのかな?60pで撮れたらビックリであったが、そこはさすがに..ね(笑)。

キヤノンから発表されたのはPowerShot G3Xである。1インチセンサーに24-600mm..P900の後ではインパクトはないけどね..ズーム、防塵防滴仕様とは驚いたが、写真も60p動画もイケるそのスペックを見る限り、もはやコンシューマのビデオカメラなど必要ないだろうと思わせる。P900もオモチャとしてみればこれ1台カメラとして十分だが、写真も動画もそこそこキレイに撮りたい層にはG3Xのほうが良いだろう。

対P900として特にG3Xが一押しなところは、動画撮影中に露出変更ができること、マニュアルフォーカスが可能なこと、ヘッドホンと外部マイクの入力端子がある..一応リモコン端子もあるが恐らくレリーズ..こと、ISO1600が実用的なところなどが挙げられる。

サンプル動画を米サイトから見つけてきた。そぐわない生息環境に天狗様が映っているのはワシ屋として抗議したいところだが(苦笑)、まあそれはともかく、センサーサイズの違い以前にP900とは明らかに異なる絵作りは好印象だ。

それにしても、はじめから期待もしていないが、4Kなど何の話だと言わんばかりの堂々とした無視は、ある意味さすが出し惜しみ番長のC社ならでは(苦笑)。昔のキヤノンはアグレッシブで尖ったところがあったが、現在は実につまらん企業に成り下がってしまった。安定しているという意味では王道なのだが、あと一歩という部分をわざと外してくる辺りは商売としてあざといと感じてしまう。

その点ソニーは事業部間のパワーバランスも関係しているが、依然としてチャレンジャー精神は旺盛だ。コンシューマ分野での4Kに関してはパナの後塵を拝しているものの、製品ラインナップの縦横展開に関してはフットワークが軽いので、ここまで来るとそこは時間の問題だろう。ただ、パイオニア故の立ち位置に起因するのだろうが、どれひとつとっても微妙に一番でないところが、いかにももう少し頑張りましょう的で惜しい。

20150620

関東でもようやく雨降りが始まって、梅雨を思わせる陽気といえばそうなのだが、本来のシトシト降る梅雨の雨と違って、ザーザードシャドシャと降ってくる点でやはり違和感がある。昨日などは雨はそこそこだったものの風が恐ろしく強く、あまりの寒さにフリース帽に手袋まではめてしまった。

カテゴリ:写真・カメラ