カテゴリ : 鳥獣・環境問題

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餌付けで罰金

2021/3/18

今月2日の自然公園法の改正で、一部の国立公園内でクマやサルなど野生動物に餌を与えると最高で30万円以下の罰金が課せられるようになった。

人の手で餌を与えられた動物が味をしめることで常態化し、それが前述のクマやサルであれば人的被害に繋がる可能性があるため、かなり以前から問題視されてきた歴史的経緯がある。

マナーを呼びかけるだけで済めば罰則の規定は必要ないだが、この問題は昨日今日に始まったわけではないので、未だ解決に至る道筋が見えてこないのが実情といったところだ。

古くは日光のニホンザル然り、北海道内あちこちで見かける観光ギツネ、最たるは世界自然遺産の知床におけるヒグマなど、一歩間違えば怪我では済まないケースも起こりえるわけだ。

直接の人的被害に繋がらなくても、常態化してしまうと結局そのしわ寄せは駆除という形で動物自身に向いてしまうため、良かれと思って餌を与える行為が逆に命を奪うことにつながることは、もっと周知徹底するべきであろう。

OM-D E-M1 MarkIII / M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO

県内某所で餌付けされているヤマガラ。餌を持っていなくても手をかざすだけですぐにやって来る。ここではヤマガラだけでなく、シジュウカラやコガラもやって来ていた。

鳥の餌付けのケースで有名なのは、新潟の瓢湖のような越冬で集まるハクチョウへの給餌だろう。鳥インフルエンザの集団感染の可能性が高まるので、一時は給餌行為を中止する風潮があったが、観光産業とも関係してくるのでなかなかすべてのケースで中止とはなっていない。

冬季は餌が不足するのでそこを人為的な給餌で補うのはそう悪いことではないと思っているが、問題は餌の量とその内容だ。公園などでパンの切れ端やパンくずを与えているのを見かけるが、パンは油分が多くて摂取し過ぎるとかえって寿命を短くしかねない。

やはり自然界にそのまま存在するものが望ましいだろうね。

ちなみに餌付けは意図的に行われるものだけではない。当地のような田舎では、家の敷地の端っこや農地の隅に残飯や収穫物の余りを捨てるケースが普通にあって、そんなところはタヌキやイノシシたちの格好の餌場となっている。

何も直接的でなくても、産業廃棄物含め間接的に行われるている餌付け行為もあるということである。

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先日の関越道の大雪による2000台超の立ち往生騒動を眺めていて思ったが、これからEV車が増えてくるとあの手の災害に巻き込まれると相当困ったことになりそうだ。

今回は丸2日近くも雪の中に閉じ込められていたので、エンジンを掛けて車内をヒーターで温めるという手が使えた..それでも燃料が続く限りではあるが..が、EV車ではバッテリー上がりを考えるとその手は使えないことになる。

地球温暖化の影響でこれからも異常気象が続くようであれば、冬季に今回のような大雪災害..今回はNEXCO東日本の判断ミスによる人災の側面が大きいが..が各地で多発する可能性は否定できないので、その時果たしてEV車で命を守れるかを考えないわけにはいかない。

そんな中、政府は国を上げて2050年までにカーボン・ニュートラルを掲げており、それに伴って2030年代中頃までにガソリン車の新車販売の禁止を検討しているので、これから10数年の間に車を新車に買い換える人で特に雪国に住む人、雪国に用事が発生する人にとってはなかなか悩ましい話になりつつある。

もちろん中古のガソリン車やディーゼル車がすぐに無くなることはないと思うが、間違いなく燃料代は高騰し、税金面でも不利になるのは目に見えてありそうなので、そう考えると多雪地帯において日本固有のハイブリッド車というのは落とし所として悪い選択ではない気がしてくる。ただ、世界の先進国の潮流は脱カーボンでEV車へと舵が切られているので、日本だけまたガラパゴスっていうのはもう厳しいだろうね。

さてさて、次の車をどうするか、それは我が家でも早急に検討しないとならない問題となっており、EV車に一気に行くか、もう1台内燃機関車に行くか。うーん、こりゃ悩ましい話だなぁ..

FUJIFILM X-T4 / XF50mm F1.0 R WR / ETERNA BLEACH BYPASS / ブナ
FUJIFILM X-T4 / XF50mm F1.0 R WR / Classic Nega. / スギ

森の中でF1.0で狙う樹のポートレート。

この時はこれ以外にXF16mm F1.4、XF35mm F1.4、XF90mm F2の大口径カルテットをカメラバッグに入れていたが、やはり今のところはまだXF50mmをよく使っているな。

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餌不足で里へ出てきて捕殺されるクマのために、全国からドングリを集めてそれを餌不足で困っているクマへ届けるための資金をクラウドファンディングで集めているというのがSNSで流れてきた。

以前からその手の話は時折耳にしてきているが、件のクラウドファンディングを見に行ってみた限り、いつものお騒がせ団体ではなくまた新手の有志による主催っぽい感じだが、プロファイル的に根っこは同じかもしれない。

本人たちは至って真面目にやってる感あって、ともすれば美談として片付けられそうだが、全国から無節操に選別なくドングリを集めて蒔くということは、本来その地域の植生ではない種の種で人為的な植生の錯乱を起こすことになる一大事だということに、まったく気づいていないのが何とも痛々しい限りだ。

クマが「可愛そうだ」と訴える同じ口で、生態系とか環境を守るとか言っている時点で、自然界の道理や仕組みが理解できていないのだろう。

ツキノワグマはそれこそ地域個体群としてみればレッドデータの扱いとなる地域もあるが、逆に個体数が定期的に増減を繰り返す..木の実の豊作不作はそれこそ自然の摂理だ..だけで絶対的な絶滅危惧種とまでは言えない地域もあるので、十把一絡げで括るのはかなり無理がある。

人によって捕殺されるクマが「可愛そうだ」という主観的な感情が何事にも優先され、植生を含めた自然環境にまで思考が及ばない時点で、申し訳ないがこの手の取り組みは当人たちの自己満としか受け取れそうにない。

何より個々の個体に対し直接手を差し伸べるのではなく、地域個体群が無理なく子孫を残していける環境保全を図る努力をしていかないと、結果的に徒労に終わる例はいくらでもある。考え方として動物愛護ではなく環境保全が大事なのだ。

もちろん環境保全は土地が絡むのでクラウドファンディング程度では如何ともし難い問題が多々あって、一朝一夕でことが動くものではないが、人の生活圏と野生の境が曖昧になってきているからこそ、環境そのものを保全対象にしていくのが肝要なのだと知ったほうが良い。

生きものの保護は場当たり的に直接行うのではなく、多少遠回りで時間がかかっても間接的なほうがそれこそ持続可能な保全につながるのだ、ということを天狗様に関わる中で学んできているところ。

OM-D E-M1 MarkIII / M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO

尾根上からブナの森に覆われている谷を見下ろす。クマの痕跡を求めてクマ棚を探すが、今年はブナが不作なのでほとんど棚は見つからない。

この森も昨日今日の大雪でもう深い雪の中に埋もれているだろうな。

OM-D E-M1 MarkIII / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

それでも時折クマ棚を目にすることもあるが、大抵はクリだ。

かなり長くこの木に居座っていたのだろうと思わせる..クマは食える時に食うを実践する生きものだ..立派な棚は、遠目にはクマタカの巣のようである。

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規制改革担当の河野が風発建設の要件緩和を言い出してるらしいな。

さも既得権益でもあってそこに斬り込んでいくさまに自己陶酔しているのか、早くに成果を欲しがっているふうなのが見て取れ、その言い回しだけはやたらと威勢のよい立ち回りが見ていて実に痛々しい。

規制緩和やら要件緩和なんていうのはそこに利権が絡むから問題になるのであって、そもそも何故に風力発電の設置に細かい規制がかかっているのかをまるで理解していないのは間違いない。

史上最弱省庁と揶揄される環境省なら自分ごとき木っ端大臣でも言うことを聞くとか思って、バックにスダレをチラつかせながら脅しをかけているのだろう。

2050年にカーボンニュートラルを目指すため、再生可能エネルギー普及を目指すのは結構なことだが、風車なんてもはや陸上に建てる場所などありはしないので、現状の陸上建設の要件緩和ではなく洋上への設置にかじを切るべきだ。

確かに洋上の風力発電施設にも課題はあるが、イノベーションなんて困難に立ち向かわなければ起きるわけもないので、電力業界や関連業者に仕事を回すため..この辺は仕事柄裏事情をよく伝え聞く..に山の上に風車を建てるという安易な道を選ぶなど以ての外だ。

河野の小倅よ、地球環境のためとお為ごかしを称して乱立する巨大な人工物に衝突し、命を散らしていく生きものたちの無念の思いを知るが良い。

OM-D E-M1X / M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS

山の上に立つ巨大な建造物と言えば送電鉄塔が挙げられる。高いものでは100mクラスもあって、台風で損壊した千葉の例を見れば確かに鉄塔も問題がないわけではないが、少なくても送電鉄塔は周囲の生きものから見えている。

だが、風力発電の問題はそれ自体が稼働する施設だということだ。発電するためにローターが回っているわけだが、遠目にはゆっくりと回っているように見えるブレードも、鳥などはなまじ目が良いため、近くだとかえって見えなくなってしまって、最悪衝突死ということになる。

今や風の条件の良いところは海岸から山の上まで全国津々浦々に風車群が林立しているが、イヌワシやクマタカのような希少な猛禽類にとっては、自分のうちの庭先にギロチンがクルクル回っているような話なので、ただでさえ森林生態系の変化で餌不足にある状況なのにさらに追い打ちをかけることになる。

1950〜60年代にかけて自然保護が叫ばれだした頃、時は高度経済成長時代真っ只中で、それこそ自然と人の生活とどっちが大事だみたいな論争に明け暮れていたわけだが、皮肉なことに今度は地球環境を守るための人の行動がそこに棲まう生きものにとっての脅威となり、生きものと地球環境とどっちが大事だみたいな似たような論争にまたぞろ発展していくのかと思うとうんざりである。

ただ、それに対する答えは決まっていて、生きものも地球環境もどっちも大事だと言うことだ。生態系とはバランスの取れた命のつながりであって、どっちかを捨ててどっちかを取るみたいな二者択一ではない。その生態系を含んでこその地球環境だということを努々忘れてはならない。

国内の原子力発電所は全国に57基..もんじゅまで含めると59基..あるが、2011年の東日本大震災後に全基が一旦停止してから、現時点で再稼働しているのは九州電力の玄海原発の1基のみである。

再稼働に至らない理由は個々には色々あれど、概ね安全性の担保が不十分ということに他ならない。

原発は他の発電施設と異なり、ひとたび事故が起きればその被害の大きさは甚大で計り知れないことが、東日本大震災の福島第一原発の事故状況を見れば一目瞭然である。

その福島第一原発と並んで東日本大震災の震源にほど近いのが、宮城県の女川原発で、当該施設も津波で相当な被害が及んでいるが、辛うじて原子炉は停止して無事だった。

先日、その女川原発の再稼働に同意すると村井宮城県知事が記者発表しているが、「原発で事故が起きる可能性はある」という前置きと共に「事故が起きたからとダメだと言っていては他の乗り物も事故で否定されてしまう」的な詭弁を弄していて唖然としてしまった。

村井知事は隣の福島で起きて、そして現在まで続いている原発被害について見て見ぬ振りをするつもりなのだろうか。毎日のように交通事故は起きていても、それはその事故現場だけの出来事で済んでいるが、国内の相当な範囲に放射能汚染を引き起こす原発事故を、それらと同列に扱うのはどう考えても無理筋であろう。

苦渋の決断とも受け取れなくはないが、裏では相当な圧力..脅しと言い換えても良いかも..があったのは想像に難くないな。

2050年までにカーボンニュートラルを目指すスダレの大号令のもと、1基また1基と原発が再稼働されていくのはもう待ったなしのようで、再び日本は原発バンザイへの道を歩んでいくことになりそうだ。

OM-D E-M1X / M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO

今朝の外気温は氷点下1℃で今シーズン初のマイナス。車のフロントガラスが霜で真っ白に凍結し、出発に少々時間を要した。

当然のように股引も標準装備となっているが、日中はさすがにまだ暑くて大変なので、結局どこかで脱ぐ羽目になる。

カテゴリ:鳥獣・環境問題

今まさに話題の渦中にある米のラストベルトは、イリノイ・インディアナ・ミシガン・オハイオ・ペンシルベニアなど主に五大湖の東から南側の、かつて米の経済を支えた工業地帯の諸州を指す。

工業生産分野は30年前なら日本、現在は中国に取って代わられたことでその工業地帯も没落した結果、ラストベルト..ラストはLastではなく錆のRustでいわゆる「さびついた工業地帯」だ..と呼ばれるまでに至っているのは周知のとおりだ。

そのラストベルトに隣接する五大湖西岸の州がミネソタ州であるが、隣の工業地帯(だった)とは真逆のイメージで、付近一帯はノースウッズと呼ばれるカナダ国境と接しており、手つかずの野趣豊かな自然を有する美しい州として知られている。

ナショナル・ジオグラフィック誌で活躍する米の自然写真家ジム・ブランデンバーグ氏の故郷であり、同氏がテーマとして撮影し続けている場所としても有名だ。ちなみに日本でも写真家の大竹英洋氏がノースウッズをテーマに活動している。

そのノースウッズ南端に位置するのがミネソタ州で、中でも「バウンダリー・ウォーターズ・カヌー・エリア・ウィルダネス(Boundary Waters Canoe Area Wilderness)」は広大な自然保護区であり、大自然と呼ぶのにふさわしい自然景観の中、文明から隔絶されたウィルダネスとしてアラスカなどと並んで人気が高い。

そんな森と湖の聖地の地下に、銅やニッケルなど貴金属類の地下資源が埋まっていることが判って以降、米では採掘計画が浮上したり沈んだりを繰り返してきたことは意外に知られていない。

オバマ政権時代の2017年に既存の採掘場の上流部に当たるバウンダリー・ウォーターズでの採掘を禁止した方針を打ち出しているが、自国経済優先を掲げる現トランプ政権になってからそれをあっさり解除してしまったのだ。

自然環境が大きく変わる最大の要因は水の流れである。地下資源に手を付けるべく地面を掘り起し、結果水の流れが変化すればどういう事態を招くかはさまざまな歴史が証明している。

表立っては目に付きづらい地下採掘こそ不可逆的な自然破壊の最たるものであり、利を求め軽々に地面や地下に穴を穿つべきではないのだ。

今回の米大統領にトランプが再選するのかバイデン..正確には民主党だな..が取って代わるのか、今朝の段階でもまだ不透明。日本にとってはトランプ再選のほうが良いという意見が多いようだが、トランプ政権がまだ続くようだと、地球温暖化対策含めこうした自国のかけがえのない自然保護区をも危機に晒しかねないやり口がまた4年続くことを意味する。

あくまで他国の出来事であり、論評する以外に関わり得ないのが実情ではあるが、経済活動と違って「判断が間違っていたので元に戻します」って感じに絶対ならないのが自然であるが故、そういう視点で興味深く注視せざるを得ないのが、今回の米大統領選ということになる。

まあどっちが大統領でも日本との関係がそう大きく変わることもなさそうだが、自然保護という観点から言えばやはり花札野郎の再選は支持できないけどね。

Canon EOS-1V / EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM / PROVIA

見渡す限りのハイランドのツンドラに佇むカリブー。そしてここは北米アラスカで北極圏はすぐそこだ。

アラスカも北極海に面したプルドーベイ油田からバルディーズまで、内陸を縦断する石油パイプラインを敷設することで大いに揉めた過去がある。

日本は国土が狭いが故にその自然環境は箱庭的と評される。国土の7割が森林とは言え、そのほとんどが人工林もしくは2次林であることも大きいし、何よりその周辺に人の生活が想像できるからだろう。

北米の自然、とりわけ北極圏を擁するアラスカやカナダの場合、言葉通りその多くが「手つかず」である。厳密に言えば先住民の生活の営みや行楽での人の往来はあろうが、少なくてもそれを感じさせられことは稀であろう。

人の生活を寄せ付けない荒々しさが大きな要因なれど、そもそもそこに人の手を介在させないという選択肢を持つ人たちと、それを認める判断ができる人がいるというのが大きいのではないだろうか。

環境破壊大臣

2020/10/29

スダレが2050年までにカーボンニュートラルをとか言い出した時点で嫌な予感はしていたが、案の定、セクシー環境大臣が国立公園内でも再生可能エネルギーの発電施設の設置を促すよう、規制緩和するとか言い出しやがったぞ。

コラ小童ふざけんな、お前いつから経産大臣になったんだよ。何の成果もない、仕事もしてないセクシー野郎が、パンドラの箱を開けようとしてんじゃねぇ!

ちょっと前までワーケーションとか何とか、美しい自然景観の中でテレワークで仕事しろって言ってなかったか?

自然保護の聖域たる国立公園の風光明媚な景色の中に、辺り一面のメガソーラーの太陽光パネルとか、尾根上に林立する巨大風車群とか、辺り一面に漂う地熱発電の水蒸気とか、そんなもん眺めて何が美しいんだか。

「保護一辺倒でなく保護と利活用の両立へ発想を転換する」って、そんことがたやすくできるくらいなら誰も自然保護で苦労してねぇんだよ。自然環境やそこに棲まう生きものを守る活動がどんだけ大変か、知ってて言ってんのかって話。

あの小僧、環境大臣どころかとうとう環境破壊大臣に成り下がるってか?

という自然保護運動からの反発までが織り込み済みで、「それじゃやっぱり原発しかないよね?」という原発再稼働エクストリームというのが自民の本丸というのが見え隠れ。

それが証拠に国会の質問でもそんな寝言をほざく与党議員がいたからな。しかもセコーなんざ新設も検討だとさ。冗談じゃねーぞ。

OM-D E-M1 MarkIII / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

森の林床で見掛けたのはタテハチョウ?で良いのかな。日は当たっていたが、気温が低いのでさすがに動きが鈍かった。

タテハチョウは成虫のまま越冬することもあるらしいので、どこか寒さをしのげる木の洞でも見つかれば良いね。

ロシア極東のカムチャッカ半島沿岸で、ヒトデやタコ、ウニや貝類など大量の海洋生物の死骸が打ち上がっているのが確認されたらしい。

最初は地元のサーファーらが目の痛みなどを訴えたことで発覚。当局が一帯を調査したところ、フェノールや石油製品など基準値を超える有害物質を検出したとこと。

汚染範囲はかなり広範囲に広がっていて、近くの軍の施設に貯蔵していたロケット燃料..そうであればミサイルだろうな..が流出した可能性が高いようだ。

確か夏前にもシベリアで火力発電施設から軽油が漏れ出す騒ぎがあったばかりで、どうにもロシアのこの手の施設の適当さには開いた口がふさがらないな。自国内で収まる状況ならまだしも、海や川を介している時点でロシア一国で済む話ではない。

この話、国内ではまったく報道がないが、カムチャッカ半島は千島列島の先に位置し、オホーツク海を介して日本ともつながっている海域なので、流氷が海洋を漂う季節がこれから来ることを考えると、日本に影響が及ばないとも限らないぞ。

OM-D E-M1X / M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO / コナラ

OM-D E-M1X / M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO / クヌギ

今年は県北のブナがかなり不作である。ちょっと前に県境の北、つまり新潟側も見てきたが、場所によっては凶作と言ってもいいぐらいだ。

そして同様にこの赤城高原でもコナラなどドングリ類が少ない印象で、恐らくこの10年ぐらいのスパンでコナラなどはもっとも不作かも。

こうなるとクマの行動が気になるところ。もちろん必ずしもブナやドングリに依存しているクマばかりではないが、相対的に餌量が不足することで彼らの行動も変化を余儀なくされる。

沼田市内でも最近になって目撃例がポツポツ出てきているので、山以外でもうっかり出会い頭みたいな事故が起きる可能性に注意が必要だ。

新コロナ禍の影響で観光客が減っているのは全国的、いや全世界的か。

そしてそんな観光業の不振に配慮した政策がGoToトラベルなわけで、感染拡大と経済回復を天秤にかけた、恐らくは結果について誰も責任を取らないであろう壮大なる実験ということに他ならない。

その観光客が減ったことで人だけでなく、困っている生きものがいるというニュースを見たが、それは奈良公園のシカの話であった。

奈良公園のシカは春日大社や東大寺のある同公園とその周辺の市街地で見られるが、動物園のような飼育個体ではなく、純然たる約1200等程度の野生の個体群として奈良では扱われている。

夜間は公園とその周辺の林の中で過ごし、日中は餌を求めて参道や公園内の緑地に姿を見せる。

一般的に野生のシカは人を見ればあっという間に遁走するが、彼の地の個体群は古来より保護されてきた経緯があるため、人を見ても不要に恐れることはなく、むしろ観光客から与えられる餌..いわゆる鹿せんべいだな..を求めて近づいてくるのである。

当該ニュースは「観光客が激減したために餌をもらえなくてやせ細る個体が出始めている」といった内容だったが、さも餌がもらえなくて餓死でもしてしまうかのような視点は早計だな。

確かに若いシカを中心に鹿せんべいに依存している個体は一定数いる可能性はあるが、飼育個体ではない野生種なので、人とは付かず離れずと言った距離感を保っている個体がほとんである。野生の生きものは餌のある場所に執着はするが、手に入らなければまた別の場所へ移動するだけである。

人為的な餌付け問題はさておき、そもそも日中に観光客の前に姿を見せるのは、鹿せんべいという「餌場」に移動しているだけで、動物園の個体が飼育員のバケツを待っているのとは本質的に意味が違うぞ。

ま、ワイドショー的なマスゴミ報道なんでそこまでとやかく言ってもとは思うが、GoToトラベルにかこつけて「観光客の与える鹿せんべい」というステレオタイプ的な見方に囚われるのは間違っているし、野生動物をナメていると言うほかはないな。

ちなみに記事のタイトルに深い意味はないw

FUJIFILM X-T2 / XF18-135mm F2.8 R LM WR / PROVIA / 東大寺参道

普段地元ではシカは白い尻毛を見せて逃げていく個体しか見かけないのでw、野生でこの近さはある種異様ではある。

が、徹底した保護のもとで人と共存共栄できる手立てがあるならば、野生動物と言えど種によってはここまで距離を詰めることが可能ということだ。

もちろんこれはシカが食われる側の餌動物の立ち位置にいるからに他ならず、これが捕食する側の肉食動物であれば話はまた違ってくるけどね。

携帯電話の次世代通信規格である5G。東京五輪に合わせてこの春から東京など都市部を中心に、各キャリアでサービスの提供が開始されている。

2時間程度の映画コンテンツをわずか3秒程度でダウンロード可能となるという話で、ストリーミング配信なる技術も必要なくなり、もはやデータをローカルに置いておくことさえ無用となりそうな時代の本格的到来となろうか。

大量のデータを高速で扱うためにはより高周波の電波を利用することになる。同じ規格であれば周波数が倍になればデータ量も倍になるのは言わずもがなであろう。

便利さを享受する上でスマホ..携帯電話とは本質的に異なるが日本人はスマホ=ケイタイなのでw..の利便性が高くなるのはありがたくもあるが、過去にここまで電波にまみれた中で生活してきたことはないので、それが原因で何らかの障害を引き起こす可能性も示唆されているのは事実だ。

人が音として認識できるレベルは低周波に限られるが、感覚として何となく感じられる領域は可聴音を挟んで上下には少し余白があって、特に下側のより低周波域では意識の深層にかなり影響があることは分かっている。

例えば、風力発電施設の風車が回転時に起こす低周波振動は、気が付かないうちに人体に影響を及ぼすということで、環境問題になっているケースはいくつもある。音として捉えられなければまさに気が付かないレベルで済む話だが、振動になって伝わるレベルだと不快に感じるという良い例だろう。

携帯電話やWi-Fiの電波は高周波でいわゆる超音波なので、人には振動も音も感じることはできない。極端に言えば可視光線..つまり光だな..も超高周波の電波なので、日中太陽光線を浴びている時点で生きものは電波を受け、そしてその反射で視覚的に物体とその色を認識しているわけだ。

その理屈で言えば5Gが人体に影響するというのは理論上無い、または無視できるレベルというふうにも考えられるが、自然界には存在しない帯域を人為的に利用しようとしているので、前述の風車問題のようにジャブのように効いてくる可能性は否定できないぞ。

便利さとの引き換え、という言葉通り便利な言い回しがあるが、5G以降の次世代通信規格というのは、人々の生活がそのまま壮大な実験室となることを受け入れつつ、どこかで何かを引き換えなければならないかもしれないということでもある。

OM-D E-M1X / M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO / スジグロシロチョウ / プロキャプチャーモード

すでに携帯電話が発する電磁放射線が生きものに影響を及ぼしているという研究結果も発表されている。

報告は独の自然・生物多様性保護連盟とルクセンブルクのNGOの共同研究で、欧州で昆虫が激減している理由に殺虫剤や農薬と並んで、携帯電話の電磁放射線を原因として挙げている。

難しいことはよくわからないが、簡単に要約すれば、電磁放射線が昆虫の体内で生化学的な連鎖反応を起こし、その結果、免疫力の低下に影響を及ぼしているというものだ。

昆虫が数を減らすことで連綿と続く食物連鎖の一角が崩れ、結果的に上位に位置する生きものにも大きく影響するのは生態系サービスとしては自明の理である。

もし便利さと引き換えるものがこの辺りになるとすると、人が生きものとして失うには相当厳しいと言わざるを得ないので、今後も注視していく必要があるのは間違いない。