時間を遡って写し止める
E-M1Xを含め、オリンパスのE-M1系の登場でネイチャーカメラマンを最も沸かせた機能は、なんと言ってもプロキャプチャーモードであろう。
ある意味時間を遡ることができるとも言えるプロキャプチャーモード。その辺りの便利さなどはこの辺りとかこの辺りに書いているので詳しくは割愛するが、偶然以外人の手による業では成し得ない撮影結果が得られる点で、多くの生きもの系カメラマンは狂喜してるはずである。
その後にパナのG9 PROや、フジのX-T3..これに関しては意外なメーカーがと驚いたものだ..にもプリ連写の名称で搭載されているのは記憶に新しい。
膨大なデータ量をハンドリングする関係で、高画素がウリの35mmフルサイズ機では実現が厳しい..画像エンジンとバッファの都合だけなので時間が解決するだろうけど..ので、現段階ではマイクロフォーサーズやAPS-C機の占有機能と言えるかな。
昨年、某親水公園でのロケの待機中に近くにいたセキレイの動きをプロキャプチャーモードで撮ってみた。
セグロセキレイもハクセキレイも行動は似たようなものだが、その動きは実にトリッキーである。カワセミのように直線的に飛ぶ種と異なり、どっち方向に動くのか、そもそも飛ぶのかジャンプするだけなのか、その飛翔シーンを捉えるのはなかなか難しい。
この辺り、移動方向の見極めは経験上予測がつくが、飛び立ちの瞬間はプロキャプチャーモードでカメラ任せでないとまず無理である。
オリンパスのプロキャプチャーモードとパナのプリ連写はそれぞれ機能的にはほほ同じようなものなのだが、撮影後の画像データの扱い方に関してはパナのほうがよく分かっているフシがある。
オリンパスは連写したなりに個別のファイルとして画像が保存されるので、プロキャプチャーモードを繰り返して使用すると膨大なファイルが作成されて後で確認する際に結構な手間がかかるが、パナの場合は1回のプリ連写の単位でグルーピングされて保存される..フォルダ管理と思えば分かりやすい..ので、再生確認が非常に楽なのである。この点はファームアップでも対応できそうなので、オリンパスには是非とも検討してほしい。
マイクロフォーサーズ規格ということで、通常撮影ではオリンパスとパナは双方のレンズが装着できて撮影も可能であるが、オリンパスのプロキャプチャーモードのPro Cap L..最大18コマでAEとAFが連動するモード..ではパナのレンズは使えない。最大60コマ連写できるがAEとAFが固定されるPro Cap Hでは問題ない。
それとこれはレンズ固有の問題なのかどうかはわからないが、LEICA VARIO-ELMAR 100-400でPro Cap Hを使う際、レンズ側の手ブレ補正をONにしているとEVFの表示が微妙に乱れる。再現度100%ではあるが、レンズ側の手ブレ補正を切れば問題ないので、同レンズを併用する場合は注意が必要だ。
Pro Cap Hで撮影した25コマ分をGIFアニメにしてみた(画像クリックで再生)。
HはLと異なりAE・AFが連動しないが、最大秒間60コマで連写できるので、被写体が等距離で移動してくれる限り、動画として編集すれば多少のピンのズレは気にならないだろう。