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キヤノンのEOS 5D MrarkIIで火がついた大判センサーブームの昨今。マイクロフォーサーズのパナGH2から、上はとうとう35mmフルサイズセンサーを搭載したバケモノビデオカムコーダー(ソニーのNEX-VG900こと)まで登場、まさに動画の世は百花繚乱状態だ。

記録媒体も当然のごとくSDカードやSSDなどメモリーメディアへと主流は移り、しかもデュアルスロットでミラーリングも可能、果てはHDMIから非圧縮なクリーン信号を出力し、外部レコーダーにProResやCinemaDNGで、しかも4Kで記録する時代ときたもんだ。そんな生き馬の目を抜くデジタルイノベーションの時代(意味不明)に、どうだ我が赤城高原スタジオでは、未だにテープからキャプチャしてますが、何か(笑)。

素材映像クリップの記録をDSLRで撮るようになって3年が経ち、時間に融通の利かないイベントものの撮影はほとんど引き受けなくなっているが、撮影スタッフのやる気次第といった側面もあるものの、知人の伝やらで頼まれるとなかなか断りづらいものだ。周囲の同業者はそろそろ..ようやくか(苦笑)..AVCHDに移行し始めているが、ワークフローの関係でまだまだテープ(HDV)が主流であることは、レガシーにこだわる映像業界内でも特に田舎はまあそんなもんである。

先日もキャノンXL H1の2カメに同HV30と同iVIS HF G10..おっとこれだけAVCHDね..の3人4カメ体制で、スチルは私が担当。テープの弱点は記録時間であるが、HV30などのサブカメはテープ交換時の予備機でもあり、そういった小細工で現場はやり繰りしているのだ。もっとも最近は1台だけローランドのフィールドレコーダーで外部記録も行い、更なるバックアップも考えるようになっている。

アマチュアが趣味で撮る分には、最先端の情報をネットでさらい、大枚はたいて大判センサーカメラもありだろうが、先日のPCのOSの話同様に、ビデオ撮影の世界も仕事ではそう簡単に最新のものを一気に導入などとは、なかなかいかないのである。

もちろん仕事で即使う前提でなければ、予算の許される範囲で最新の機材に触れたいのが本音で、つい先だって、魔が差してポチッと某デジタルシネマカメラ..漢字に置き換えると「黒魔術意匠」かな(笑)..を注文したまでは良かったものの、どうにも絶対的な国内の流通数が少なく、こんなど田舎のプロダクションに届くのは、かなり先になりそう気配である。

ちなみに何でこの記事を書いているかと言えば、先週追加したビデオ編集用PCにIEEE1394ポート..MacでいうFireWireってやつね..が装備されておらず..と言うかWindowsマシンには装備されているケースがレアだが..、それまで使っていたPCからボードを付け替えようと思ったら、拡張スロットがすでにRadeon HD 7870に占拠されており、仕方なくPCI Express x1のボードを急遽追加で入手、今日になってやっとこHDVをキャプチャできるようになった次第。

USB3.0にThunderboltなど高速インターフェイスの時代に突入したPC環境だけど、こうしてテープの呪縛に縛られて、よもや最新のIvy Bridgeマシンに新たなIEEE1394のボードを差すハメになるとは(苦笑)。