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ハリウッドゴッジーラのフィーバーに沸く夏休みということもあって、以前のオリジナルシリーズに続いて、平成ガメラ3部作をBSで流している。

円谷プロ時代の昔から続く怪獣ものやウルトラマンシリーズに共通して言える点は、その目線の高さ、つまり撮影アングルである。もともと怪獣映画にリアルさも何も無いもんだが、我々が体長数十メートルにもなる怪獣たちと同レベルの目線になることなどないわけで、そこを人の目線に揃えてあると嘘っぽさが幾分か軽減するのである。ガメラを見るときはやや見上げで、アングルを上げる際はやや引いて撮るわけだ。

特にCGとちがって特撮ものは編集で合成となるので、撮影時の光源の違いからなかなかリアル感は出せないのだが、目線の高さというのは鑑賞者には結構効きてくるものであり、平成ガメラシリーズはそこに少し気を遣っているようである。

何より自衛隊の全面協力のおかげで、登場する戦車も飛行機も自衛艦もすべて本物であり、実際の攻撃で使われる装備も実在のものなので、従来のゴジラシリーズよりは設定がより現実っぽく感じるのだ。そういう意味では先日観たハリウッド版ゴジラの世界観は、平成ガメラのそれに近い感じを受けた。

世界観と言えば、平成ガメラシリーズの一作目は1995年であり、作品内も同年代を設定してあったのだが、その中の視点が20年近く経った現在とそう変わらないのが興味深い。

■科学で栄えた古代文明が怪獣を生み出し、そのせいで自分たちも滅んだ。
→現代社会も核を生み出しその利用方法で論争になっている。
→プルトニウムの半減期は約2万4000年とほぼ手に負えない数値。

■自衛隊の先制攻撃のためには新たな法案を必要とする。
→怪獣相手の自衛権と言えど先制攻撃は許されていない。
→市街地上空でミサイル攻撃はできない。

■希少生物である怪獣の保護を目的として捕獲を試みる。
→レッドデータ的な生きものを殺すのはいかがなものか的な発想。
→米ゴジラ映画でもムートーとかいうヤツを研究してたっけ。

■でも結局は人に害を為す生きものは力で排除しようとする。
→人里に出て人を傷つけるクマは即捕殺する。

■急激な環境の変化が怪獣の生息に適した環境を生んだ。
→地球温暖化など人為的な環境改変が生きものの生息分布を変えている。

などなど。ま、驕る平家は久しからず、ってところですかね。

20140827

しかしまあよく雨の降ること。それもバケツの水をひっくり返したようなという形容がピッタリするドシャドシャした振り方で、熱帯のスコールよりも激しいのではないかと思う。

今日も夕方には一旦止んだと思ったが、西の方からみるみる雨のカーテンが近づいてくるのが見えた。

カテゴリ:映画・映像