モノトーンの冬景色にあって林縁でよく目立つモスグリーンはウスタビガの繭。自然環境下で成虫をまじまじ見たことはないのだが、モフモフ流行りの昨今は人気があるようだ。
暖かい季節ではなく晩秋に羽化する珍しい種で、生態的には本来なら冬前に羽化しているようだが、この繭は明らかに中身があるので、恐らく羽化できなかった蛹が入っているのだろう。
薄足袋我と書いてウスタビガなので種としての名前は文字通り足袋からきているようだが、こんなウスタビガの残した繭を山叺(やまかます)と言うらしい。
かます(叺)は食料や肥料などを入れておくためにむしろ(藁蓆)を袋上に綴じたもので、繭がそれに似ているので山叺という別名ということだ。
モスはMossでコケのことであり、コケのような緑色でモスグリーンとは言い得て妙だ。関係ないが蛾は英語でMothというので、これもまたモスだな。