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ウスタビガの繭は葉がある時はまったく気が付かないが、この季節になるとそのライムグリーンの明るい蛍光色はよく目立つ。

OM SYSTEM OM-1 / M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO

もうこの時期は羽化しているので中身はすでに空。卵を産んでいれば繭の周りに小さい粒が見られるはずだが、それは見当たらない。

卵で越冬して来春に孵化するが、この繭の主はどうなったろうか。

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山叺

2020/1/7

モノトーンの冬景色にあって林縁でよく目立つモスグリーンはウスタビガの繭。自然環境下で成虫をまじまじ見たことはないのだが、モフモフ流行りの昨今は人気があるようだ。

暖かい季節ではなく晩秋に羽化する珍しい種で、生態的には本来なら冬前に羽化しているようだが、この繭は明らかに中身があるので、恐らく羽化できなかった蛹が入っているのだろう。

薄足袋我と書いてウスタビガなので種としての名前は文字通り足袋からきているようだが、こんなウスタビガの残した繭を山叺(やまかます)と言うらしい。

かます(叺)は食料や肥料などを入れておくためにむしろ(藁蓆)を袋上に綴じたもので、繭がそれに似ているので山叺という別名ということだ。

FUJIFILM X-H1 / XF35mm F1.4 R / PROVIA

モスはMossでコケのことであり、コケのような緑色でモスグリーンとは言い得て妙だ。関係ないが蛾は英語でMothというので、これもまたモスだな。

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薄い足袋

2019/1/25

大寒を過ぎたばかりのこの時期、厳しい寒さの中で虫たちの活動はほぼ停止中であり、小鳥たちが動物食をあきらめてヒマワリの種に挙って群がることからも、その辺りの事情は見て取れる。

雑木林に入って朽ち木でも漁れば、それこそ様々な状態で越冬を試みる虫たちを見つけられることは知ってはいるが、虫屋ではないのでそこまで無粋な真似はしない。

FUJIFILM X-H1 / XF35mm F1.4 R / CLASSIC CHROME

そんな色のない冬の林内、遠目にも意外に目立つモスグリーンを発見。何かの繭だろうとは想像つくが、門外漢なので撮影してから後で調べると、ウスタビガというヤママユガの仲間だと判明。

漢字では「薄足袋我」と書き、枝からぶら下がる繭が足袋に似ていることからその名が付いているとのこと。

ただ、よく調べてみると繭で過ごすのは夏の間で、羽化するのは秋から晩秋にかけてらしいので、この時期に繭であることは成虫になれなかった可能性が高い。

FUJIFILM X-H1 / XF35mm F1.4 R / CLASSIC CHROME

こちらはまた別の場所で見つけた種不明の繭。

繭というある種の命のゆりかご的なシェルターに包まれていようとも、外からでは生きているのかどうか定かではない。それに、シジュウカラなど小鳥が繭を突付いて中の蛹を食べているシーンをよく見かけるので、生き延びられない理由は寒さだけではあるまい。

何か一つでも歯車が狂えば簡単に命を落とすのが自然界だ。いや、想定外のことが起きることすら織り込み済みなのが生態系なのかもしれない。

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