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お株を奪う

2012/12/3

久しぶりに面白いシーンを見た。イヌワシがクマタカのお株を奪うような行動を見せたのだ。

ひとしきり巣材を運んだ後、休憩していたのかと思いきや、突然下流側の林内にいたクマタカに対し排斥行動に出た。

最初は林縁部で攻撃を仕掛けたのだが、クマタカはすぐにブナ林に逃げ込むいつもの行動。それが面白くなかったのか、イヌワシ(雄)はしばらく間合いを計るように停空飛翔状態でブナ林の上空で静止、タイミングを見て一気に林内に降下、ブナの枝伝いにクマタカを追い回し始めたのだ。

これには見ていた私も驚いたが、一番驚いたのは狙われたクマタカのほうだろう。よほど泡を食ったのか、イヌワシの攻撃を避けようとバランスを崩してクルクルと林床近くまで落ちて、一度は視界から姿を消した。

すぐにバタバタと上がってきたが、低い枝に止まり直したところを再びイヌワシに突っかけられると、一旦は諦めて反撃しようとしたのかお互い向き合うように翼を広げて対峙。しかし、クマタカが堪えきれずに林内を遁走し始めると、イヌワシも同じようにヒラリヒラリと木々をかわしつつ後を追いかけ、そのまま両種とも視界から姿を消したのだった。

30分ほど消失地点付近を凝視していたが、谷の上流側上空を旋回するイヌワシ(雄)を発見する。もしかして、と思い拡大望遠でそのうを確認するが、さきほどのクマタカが食われた痕跡は認められなかった..

大型猛禽類の中では比較的翼が幅広で短いクマタカは、林内をすり抜けるように移動するのが得意である。それに対しイヌワシはグライダーのごとく翼が長いため、開けた空間での行動を得意とする。と、杓子定規に語ればまあそんな感じなのだが、実際はイヌワシもヘビなど小動物を狩ることがあるため、一般に考えられている以上に林内を利用するようである。

ただやはり、狭小空間は本来好む主戦場ではないため、形勢は危うかった可能性もあったが、今回のケースでは明らかにクマタカが不利のように見えてしまったのもまた事実。襲うものと襲われるもの、その立場の違いも大きく影響していたのかもしれない。

カテゴリ:猛禽|タグ:,

山道を歩いていると、視野の隅に大きな影が動くのが見えた。

休憩がてら道脇に装備一式降ろし、ホルスターから望遠レンズ付きのカメラを取り出す。

山道は尾根筋に付いているため、覗き降ろすように谷側の斜面にゆっくり顔を出すと、大型のけものが尻をこちらに向けて佇んでいるのが見えた。とっくにこちらには気付いているはずだが、我関せずとばかり、下を向いて食事に夢中である。

登坂で荒くなった息を静めて、最小限の足音で背後からゆっくり忍び寄る。するとおもむろに顔を上げてこちらを睨む。同時にこちらも動きを止める。

そんな達磨さんが転んだを数回繰り返し、10mほどに近づいたところで倒木に腰を下ろす。今度はあっちも顔を降ろさず身じろぎもしない。

そっとカメラを構え、数枚シャッターを切る。構図を変えようと縦位置に構え直す動作で、ようやく静々と歩き出した。

5mほど歩き出してから、それまでののんびりとした動きがウソのようにダッシュで藪をかき分け、隣接する杉林へと消えていった..

フィールドでよく出会うけものの筆頭は、サルとこのカモシカだ。蹄系ではシカもそれなりに見掛けはするが、冬季の積雪の関係でやはりカモシカが多い。

ここも一ヶ月もしないうちに辺り一面白く覆われ、厳冬期には2mの積雪となる。

先日初雪となった我が家の駄犬でさえ衣替えを済ませているが、今日出会ったこの山親爺も、立派なその体躯にすでに冬毛をまとって準備万端のようだ。

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初雪

2012/12/1

例年に比べて半月以上遅れての降雪だ。

準備して出掛けようとした途端、みるみる雪雲に覆われて視界不良。

仕方ないので出撃は見合わせてデスクワークを小一時間。

気が付けば目的の方向には青空が広がっており、再びバタバタと準備して出撃。

北東北の山中より戻って以来、続けてイベント撮影など慌ただしかったが、

この季節は県内各所の天狗様巡りに1日でも時間が惜しい。

カテゴリ:季節感|タグ:

真新しい足跡

2012/11/21

北東北の寒村に滞在中。

昨日は車がひっくり返るのではないかというぐらいの猛烈な強風に冷や汗もんだった。小用を済ませようと車外に出て、風上に背を向け下腹部に神経を集中させると、そのまま前のめりに歩き出してしまうのには参った。うっかりすると自分でシャワーを浴びそうで怖い(苦笑)。

今日もかなり風が強く、とても定点をする気にはならなかったので、見晴の利く新たな場所を探してブナ林の開けた尾根筋をうろついた。

鉄塔巡視路沿いの笹帯を歩いていると、昨日降ったばかりの雪が積もっており、すでに先客の真新しい足跡が点々と続いていた。巡視路の入口にはクマ注意の看板があったが、残念ながら足跡の主はカモシカとテン、それにタヌキのようであった。

この辺りのクマは、もう冬ごもりに入っただろうか。

カテゴリ:ほ乳類|タグ:

初冬の落日

2012/11/19

今朝は冷え込んだ。この秋、いや取り敢えずこの冬一番か。8時の時点で2℃だったので、日の出前は0℃だったかもしれない。そろそろ駄犬の水バケツが凍りそうだな。

先週、仕事中に突然ストロボ1台が発光しなくなった。一瞬チャージ音らしき音はするものの、レリーズしても光らないのである。カメラ側はストロボと通信していないことになっているので、当然露出不足になっている。まあ壊れたものをとやかく言っても仕方ないが、常用機材は予備機含め最低2台は必要なので、追加購入を検討。

職業柄ストロボはそれなりに所有しているが、現在のメインはキヤノンの580EX..ストロボは登録商標なのでキヤノンではスピードライトという..である。最新の現行型番は600EXとなっているが、物撮り時はモノブロックを使用するので、クリップオンにそこまでの性能は必要ない。そこで一つ前の型落ちである580EX IIを狙ったものの、意外に600EXとの値段差がないことが判り、仕方なくネットオークションで物色。結局、あまり使い込んで無さそうな程度の良い580EXに落ち着いた。仕事の道具をケチっても経験的に良いことはないが、まあ安く済むのに越したことはない。

と言うことで、昨晩のうちにみちのくへ出立する予定だったのが、落札したストロボが届くのが本日となってしまったため、出立を1日ずらすことに。早く手に入れるために即決価格で落としたのに、発送が遅いってどうなのよ、まったく。しかも予期せぬ仕事も入ってきて..

カテゴリ:写真・カメラ

木枯らし1号

2012/11/18

三峰が赤く染まる季節だ。

上越国境から吹きつける風が強くそして冷たい。東京では木枯らし1号となったらしいが、昨年より20日以上遅いらしい。さらに北海道の平地での初雪は、観測史上一二を争う遅さだとか。確実に冬が近づいているのは確かだが、さてこれが年末前後に帳尻が合うかどうか。

さて、残っていた編集2本に飛び込み1本もようやく完了して、何とか今月末の業務上の帳尻は合わせることができた。これで明日から憂うことなく?出掛けることができる。

一週間ほど北東北に私用で出張ることになるが、現地ではすでに積雪になったとか。これから春まで山行きは天気との相談だ..

カテゴリ:季節感
20121114

言うまでもなく鳥は空を飛ぶ生きものである。

鳥はその大小にかかわらず、身体的な特徴として両腕を2枚の大きな翼として利用できるように進化してきた。そしてその2枚の翼を用いて、地球上の大空を自身の力のみで自由に移動できる点で、地べたを四肢で移動する以外に手段のない他の生きものとは大きな違いがある。鳥好きのその多くは、空を飛ぶことができるという能力にその魅力を見いだす人は多いはずだ。

飛ぶことがある意味当たり前な鳥にあって、空を飛ぶことで主たる生活の糧をえる種類には、高速で飛ぶもの、長距離を移動するもの、水中に潜るものなど、その能力がひときわ長けた仲間が当然のごとくいる。とりわけ、他の生きものを直接襲って餌とする猛禽類の飛翔能力の高さは、鳥の仲間の中でも特筆すべきものがある。

学名の Aquila verreauxii からも判るとおり、ブラックイーグル(現地での呼び名)はAquila属、つまり旧北区を中心に日本にも生息するイヌワシの仲間である。英名はVerreaux’s Eagle(日本名コシジロイヌワシ)で、生息地はアフリカ大陸。大きさやフォルム、それに生態はまさにイヌワシのそれとうり二つであり、全身黒色の羽衣に覆われ、背中から腰に掛けて和名の由来でもあるワンポイントの白が美しい。

写真集「GoldenEagle イヌワシ(平凡社)」の著者である、滋賀県在住の写真家須藤一成氏の撮り下ろしになる本作品では、そのブラックイーグルの巧みな飛行術を、余すところなく見事なカメラワークで捉えている。

猛禽類は小型になるほどその敏捷性は増す傾向にあるが、翼開長がゆうに2mを越す大型のワシが、空の高みから地表すれすれまで、重力を無視したかのようにアクロバティックでダイナミックな動きを見せるのは圧巻である。常にペアで行動すると形容されるほど楽しげに舞うディスプレイフライトや、餌の大半を占めるダッシー(ハイラックスの現地名)との攻防、そしてハンティングシーンなど。特筆は大型のワシではまず見られない宙返り飛行である。

撮影地であるジンバブエのマトボヒルズは、世界遺産にも登録されている貴重な場所だ。本作品では、その奇峰奇岩の太古の風景をバックに、悠然としてそれでいて力強い飛翔能力を魅せるブラックイーグルの姿を堪能できるはずだ。

The most beautiful flyer in the world.

世界で最も美しき飛行家。サブタイトルにある上記フレーズは、本作品で編集とDVDオーサリング、それにパッケージデザインを担当させてもらった私が贈った言葉だ。飛ぶことがすなわち生きることを体現する飛行術の先輩である鳥に対し、敬意を現す意味で、人類初の飛行に成功したライト兄弟の機体からお借りした言葉でもある。

空を飛ぶ生きもののその完成された美しい姿を、ワシ好きや鳥好きにとどまらず広くご覧頂ければ幸いだ。

冷たい雨

2012/11/13

意外にも雪国の奥山は冬を迎える準備が始まったばかり。

ブナの森はまだその大半が落葉していなかった。

そして昨日から冷たい雨が森に落ちている。

ツグミがキョキョっと鳴きながら目の前を横切っていく以外、生きものの姿は少ない。

午後からはさらに風も強まり、夜にはちょっとした雷雨になるらしい。

寒気が入れば高いところでは雪になるかもしれない。

カテゴリ:花・植物|タグ:

HERO3

2012/11/8

何と言っても今欲しいガジェットはGoPro HERO3。現在仕事で使っているGoProはもういつ壊れてもおかしくない状況で、すぐにでもHERO2を手に入れなければならないが、できることなら先日発表された新作HERO3が欲しいところ。

すでに個人輸入で手に入れた人たちの情報が色々で回っているが、15fpsの4Kはまあオマケだとしても、30Pで2.7Kとか、1080の60P対応..720なら120p!..とか、あのサイズで何かもうスゲーって感じ。それにWi-Fiバックパックがビルトインされたのも素晴らしい。ただ残念ながらそれがあだになって、国内正式販売にはまだ時間が掛かりそうだけどね。

昨今はレンズ交換式のDSLRでビデオが撮れるので、フィシュアイ含め超広角レンズが使えるようになり、ワイドなシーンにも簡単に対応できるようになった。ただ、GoProシリーズはそれをあのサイズで実現してしまうわけで、ここにきて4Kだの2.7Kだのと言われれば、ヘタな家庭用ビデオカメラよりもキレイな絵が撮れてしまう可能性が高いのだ。間違いなく現在最強のワイドビデオカメラと言っていいい。

GoProシリーズの映像はすでに巷にあふれている。くだらないバラエティ番組で売れない芸人が頭に付けていたりする、あの小さなカメラがほぼ100%、GoProである。性能はもちろんのこと、うん百万もする高価なぼったくりカメラに比べて、そのコストパフォーマンスは抜群だ。来週幕張で行われるInterBEE(国際放送機器展)にも出展するらしいから、もはや立派な放送用機材の仲間入りである。

で、どんな凄い映像が撮れるかは以下のPVで一目瞭然。個人的にはトラップカメラへの応用に大注目。是非とも720/120Pでアレを狙ってみたい、なと。

 
 

風がない朝はすっかり霜がスタンダードの赤城高原。まだ寒さに体が慣れていないので、朝布団から出るのが辛い今日この頃。そろそろ誘惑に負けて股引着用かな..

カテゴリ:写真・カメラ

谷川冠雪

2012/11/4

なかなか雲が晴れずに姿を見せなかった上越国境。

浅間山から草津のお釜に苗場山、仙ノ倉に万太郎にオキノ耳トマノ耳、上州武尊山に日光白根、そして赤城山。今日はだいぶ白くなってきているのが判る。

溶けて降ってまた積ってを繰り返し、少しずつ厚化粧になっていくことになる。

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