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ブーメラン

2016/8/17

撮影の合間、モデルさんたちが空を指差して何やらヒソヒソ話。空を見上げるとアマツバメの仲間であるハリオアマツバメの一群が飛び交っているのが判る。

ハリオアマツバメは夏鳥として日本に渡来するが、本州では高山の森林地帯の樹洞..北海道では平野部で繁殖..などで営巣するため、山屋さんでもない限り目にする機会は少ないだろう。タカの渡りなど観察していると、同じような時期に山間地を通り過ぎていくので、そんなタイミングでも出会いはある。

名前にツバメと付くがいわゆるツバメの仲間ではなく、アマツバメと一緒にアマツバメ科を形成する。大きさは体長20cm前後とツグミやムクドリよりも小さいが、翼開長は40cm前後もあって、近くで聞くとその風切音は迫力ある。

よく一番早く飛ぶ鳥は何ですか?と聞かれることがある。質問者の期待を裏切らずに答えればハヤブサとなるのだが、ハヤブサは自重を利用した落下速度で最速..300km/h以上になるらしい..なのであって、決して純粋な飛行速度ではない。

自らの力で飛ぶ鳥でとなれば、それは時速100マイルは出るとされるこのアマツバメの仲間が最速であろう。

20160817

仕事で撮影中であったため、焦点距離の短いレンズで証拠写真程度をパチリ。場所は県西部でそんなに標高が低いところではなかったが、高山という高さではないので珍しい。

先のモデルさんたちの会話では「ブーメランみたいね」ということであったが、トンボでも獲っているのか、右に左にヒラリヒラリと旋回しつつ、時折錐揉みしてみせる身の軽さはさすがアマツバメの仲間であり、さもありなんといった風情だ。

ついでに動画も撮ったが、手持ち撮影ではとても視られたものではない(苦笑)。

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シン・ゴジラ

2016/8/16

遅まきながらようやく劇場に足を運び、噂の「シン・ゴジラ」を観てきたが、いや実に面白い作品である。SFでありながらここまで突っ込みどころの少ない作品も珍しい。

フルCGのゴジラは日本の本家では初めてらしいが、逆にお家芸の被り物ではここまでリアリティは出せなかったろう。

いつも思うことだが、大半の邦画はカット割りが今一つの作品が多い。その点、総監督である庵野秀明は漫画も書くアニメータなので、1カット1カットがしっかり作り込まれており、違和感なく安心して見ていられた。

エンドロールを見ていて編集にも庵野の名前があって、その点はやはりねと裏付けられた形である。

その他、ネタバレはご法度なので当り障りのない点だけ言うと、ジャニタレ、AKB、EXILEが一切出ていないのは◎。チャラチャラした家族愛や恋愛絡みが一切無いのも◎。1カット数カットしか登場シーンがないにもかかわらず、チョイ役的に出演していた脇役陣が◎。しかもそれらが友情出演でないのも◎。

事前の情報通り、シン・ゴジラは怪獣映画の類でなく、社会派政治群像劇という出来栄えである。しかし、ネット上にはネタバレ情報が散乱しており、それらに触れないようにするのに苦労した(笑)。

20160816

家の前の電線でツバメが集団で休んでいる。

ちょっと前まで子供が親に餌をねだる姿が見られたが、もうそれも見ることもない。南へ渡る前に下界へ降りるのももうすぐだ。

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夜烏

2016/8/8

この季節、夜に窓を開け放って仕事をしていると、家の上空を「クワッ」とか「グワッ」とかそんな声を発しながら通過していく奴がいる。

声の主は夜行性のゴイサギ。日中はねぐらにしている池の畔で休んでいて、日が暮れると採餌のために三々五々、餌場としている河川・湖沼に移動しているのである。

白目に当たる部分が赤いため、よく徹夜明けだからとウケ狙いで説明することがあるが、日中でも普通に行動するので、ヨタカやフクロウの仲間のアオバズクのように完全な夜行性というわけでもないようだ。

前述のように闇夜に紛れて飛んでいる割にはよく鳴いているので、「夜烏」と呼ばれることもある。

20160808

ゴイサギと入れ替わるように、同じく家の上空を飛んで行くのはアオサギ。こいつらも「クワッ」とか「グワッ」と言いながら飛んでいるが、ゴイサギほどは鳴かない。

夜間に飛んでいるゴイサギを撮るのは至難の業だが、日の出前とはいえこの程度の明るさなら、m4/3の体たらくな高感度性能でも証拠写真程度なら何とか撮れる。

白鷺いと珍し

2016/6/25

北関東のそれも北部ともなれば、アオサギは普通種..水不足で話題の矢木沢ダムの水際にさえいる..なれど、シラサギの仲間はほとんど見かけない。それが水田や河川、湿地帯の無い我が赤城高原では尚更の話である。

しかし、南関東の水田地帯まで下ってくると、さすがにシラサギの仲間はよく見掛ける。その昔、平野部に住んでいた頃は珍しくもなかったコサギやチュウサギだが、ここ10年久しくマジマジ見ていないため、目の前をフワフワ飛んでいる..サギの仲間は総じてそういう表現がピッタリな飛び方をする..と、ついつい目で追ってしまう。

昔はダイサギが田んぼに突っ立っているだけで、ツルがいるなどと騒がれた時代もあった。さすがに情報で溢れかえるこの時代、サギとツルを間違える人も見掛けなくなったが、鮮やかな初夏の緑に佇む姿はどこから見てもよく目立つ。

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アオサギは確実に個体数を増やしている種だが、コサギやアマサギなどは逆に減っていると言われている。悪食で何でも食べるのはどちらも似たような食性なのに、何故シラサギの仲間だけが減っているのかは謎である。何れ白いサギは珍しいなどと言われる日も案外近いかもしれない。

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巣立ちっ子

2016/6/20

家の周囲は鳥の巣立ちラッシュを迎え、そこかしこに巣立ち雛の姿がこれでもかというくらい沢山見られる。

ザッと見回すとスズメ、ヒヨドリ、シジュウカラ、ヤマガラ、エナガ、カワラヒワ、ヒバリ、ホオジロ、モズ、セグロセキレイ、ハクセキレイ、ムクドリ、サンショウクイ、そしてツバメ。

とにかく終日ピーピー、チーチー、ピーチクパーチク、あーでもないこーでもないと、親が東に行けば東に、西に行けば西に、兄弟、従兄弟、ご近所さんが渾然一体となって一堂にワラワラと動き回っているので、とにかく賑やかというかうるさいというか。

全員が無事に成長できるほど自然界は甘くはないが、この調子はひと夏過ぎて秋まで続く。

20160620

飛び回るのに疲れたのか、庭の杭に珍しくツバメの子が休んでいたので、コリメートの最大望遠で動画撮影。

野良ネコが多いので、親がこのような低い場所に留まるのはなかなか見ないが、世間知らずな子どもはそんなことにはお構いなしだ。

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一筆啓上

2016/6/16

鳥は鳴くことで何らかの意思表示を行っており、鳴く理由としては求愛、誇示、警戒が挙げられる。

中でも、鳥の特徴の一つであるのがさえずりであるが、朗々と歌い上げるタイプや、短い調子を繰り返すタイプなどがいて、歌い手として美声がよく知られた種も多い。特にウグイス、オオルリ、コマドリの3種は、日本三鳴鳥として古くから日本人に親しまれてきている。

鳴くことで意思表示を行うとは言うものの、時々何故今頃、または何故このタイミングで鳴くのか、という疑問になるケースも散見される。

繁殖の前期に鳴けば求愛であることが多く、繁殖中であれば警戒と言った判断もあるが、繁殖も一段落したあとでも縄張りと思しきソングポストで朝から延々とさえずっている種もいる。

繁殖に失敗したか、ペアリング出来ずに独り身を嘆くのか定かではないが、聞いている側からすると求愛期のそれと変わらないので、何とも心情がうかがい知れずだ。

20160616

子育てが一段落したホオジロが、朝から林縁で「イッピツケイジョーツカマツリソーロー(一筆啓上仕り候)」と鳴いている。

ホオジロは夏の盛りのうちでもよく鳴いているので、求愛とか警戒とかそんな理屈とは別の理由があるように思えてならない。

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今年も電線カッコウの季節がやって来た。例のごとく朝から枕元で「カカカカッコー」「ピョポポポポー」などといやはや何ともやかましいことこの上ない。

そのトケン類の托卵シーンを撮影したいと思って、庭先や隣家の生け垣に巣を構えるモズとセグロセキレイを毎年注意して観察している。しかし、終日監視しているわけにもいかず、GoProやロボットカメラでも仕掛けないと人力ではまず無理だろう。

今日も庭先でモズに追いかけられて右往左往している姿を何度か見かけた。逃げまわっているようでいて、実はそれは雄による陽動であり、そんなタイミングで留守になった仮親の巣に雌が産卵するのがカッコウの作戦のようである。

20160609

誰を狙って、そしていつ任務遂行されるのか、それはカッコウのみぞ知るということか。

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今日はあるものを狙って裏山に上がったのだが、風が強くて撮影は断念。適度な風なら一つのエレメントと言えるが、それも程度の問題。やはり何事も過ぎたるは及ばざるが如しだ。

20160601

恐らくもう2回めの繁殖だと思うが、忙しそうにせっせと巣に餌を運んで目の前を行き交うシジュウカラ。

その動きはランナバウトでトリッキーだが、時々不意に考え事でもするかのように動きを止めることがある。ま、働き過ぎもよくないので、時々は息抜きも大事だよね。

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マルチドリ

2016/5/28

20160528

サトイモ畑に張られたマルチの上を歩くコチドリ1羽。

右に左にとおぼつかない足取りを千鳥足に例えるが、雨上がりのマルチの上をそんな足取りで歩く奴はいない。件のコチドリも、足元しっかり真っ直ぐ畝1列を駆け抜けて行った。

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赤城高原にもようやくホトトギスがやって来た。朝早くから「トッキョキョカキョク、特許許可局」と数ヶ所で盛大に鳴いている。

家人によれば昨日到着とのことで、これでツツドリ、ジュウイチ、カッコウ、ホトトギスのトケン4種他、夏鳥はほぼ揃ったことになる。例年に比べ一週間近く遅い感じだが、まあそんな年もあるということで。

20160526

近所の牧草地もすかり丈が伸びてしまい、キツネの動向を知るのはかなり困難になってしまった。

これらが刈られる頃には一家揃って巣穴を移動してしまうので、今シーズンはこの辺りでお終いということになる。

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