驚異の黒魔術12K
昨日だけでも、迷走極まるGoTo某やら、高校生プロ藤井聡太七段の最年少タイトル獲得やらとネタ話豊作だったが、中でも業界のその筋で話題沸騰はブラックマジックデザインだ。
昨日発表されたBlackmagic URSA Mini Pro 12Kはその名の通り12Kで記録できるシネマカメラで、センサーは8000万画素(12288×6480)スーパー35、14ストップのダイナミックレンジの12Kを60fpsで記録できるという代物だ。
しかも8Kなら110fps、クロップされるが4Kスーパー16(UHD)なら220fpsというバケモノ仕様である。
8000万画素という時点ですでに一般的なデジタルカメラの画素数を軽く超えているが、そのデータをRAWで記録できるので、事実上8000万画素のスチル画像を60枚/秒で連写できるのと同意である。
カラーグレーディング..デジタルカメラでいうところのレタッチ..が前提ということになるが、ここまで来るともはやデジタルスチルカメラを含めても最強の性能と言っても過言ではないだろう。
先日発表されたばかりの最新型EOS R5が、ろくに満足に撮れそうにない8Kを喧伝するあたり、いかに同機がいつものスペック番長でしかないことがよく分かる。8K記録というスペックだけ見れば、そこはまったく勝負にもなっていないぞw
しかも驚きはそれだけはない。RAWフォーマットはポスプロで扱いやすいと評判の良い同社自慢のBRAWなので、ノートPC..ここでは恐らく最新型のMacBook Proを想定..でも12K BRAWを編集できるという軽さがウリのようだ。
EOS R5の8Kはi9でも再生が困難という話もあって一般にはほぼ実用的でないようなので、ここにきて独自のBRAWを推し進めてきたブラックマジックデザインの戦略が功を奏していることになる。
映像は撮っただけでは何の意味もない。自在に効率よく編集できてこそ活きてくることを体現できるあたり、長年ポスプロ向けに製品を練ってきた同社の強みが活かされているということにほかならないな。
で、肝心のお値段だが、国内では税込みで約125万ということで、フジの1億画素カメラGFX100の約120万と比べても、動画性能を考えたら破格のバーゲンプライスと言って良い。
何よりEOS R5に8Kを期待して50万も払うのであれば、動画目的の業務用ならURSA Mini Pro 12Kのほうがコストパフォーマンスは高いだろうな。
こうなると月末に発表予定のソニーα7S3がどんな感じで仕上がってくるのか楽しみであるが、昨晩のブラックマジックデザインの発表を見て一番驚いているのは、何よりそのソニーとキヤノン、そしてパナソニックだろう。
昨年あたりからシグマfpとの比較対象として、カートに入れては削除したりを繰り返しているBlackmagic Pocket Cinema Camera 4K。
通称ポケシネ4Kはマイクロフォーサーズのレンズ群がそのまま使えるので、実は登場以来ずーっと気になっている存在だ。
ここにきて品薄も解消され価格もこなれてきているので、DaVinci Resolveでのカラーグレーディングの勉強も兼ねて、いよいよ手を出すことになるか、俄然現実味を帯びてきたぞw