X-T3の動体AF性能
メインで使用しているX-H1は、フジXシリーズ機では最上位機の立ち位置にある。
が、ヒエラルキーを無視した遠慮ないフジの商品企画により、X-H1自身が持つアイデンティティであるその堅牢性やIBISを除けば、後発であるX-T3のほうがカメラとしての基本性能は上である。
画質面ではその差を看破するのは難しいほど仔細の差..高感度域では結構差がある..ではあるが、ことAF性能に関しては完全にX-T3のほうが上というのは使ってみればすぐに判る。
特に像面位相差AFの測距点が画面内の99%、つまりほぼ全面に配置されているため、AF-C&ワイド/トラッキング時における動体の捕捉能力がかなり向上している。
そこにダイサギが居るのは判っていたが、この連中は漁をしている時はいつ飛び立つか予測は難しい。というか目的の対象ではないのでずーっと観ているわけにもいかない。
が、飛び立とうする時の動作は経験上判る。意識の外にはあったものの何となく視野の隅でそんな気配を感じ、X-T3を掴んで構えようとした途端に飛び立ったので、AF-C&ワイド/トラッキングの840mm相当で流し気味に連写した。
連写20コマほどの中でピンが背景に抜けたカットはゼロ、全コマでダイサギに合焦している。通常X-H1だと、この手の背景ではピンを持っていかれる場合があり、その都度AFを駆動させるクセがついているが、X-T3ではその辺りはかなり改善していると言って良い。
ちなみにこの時はメカシャッターだった..普段はほぼ電子シャッターに設定している..ので、ローリングシャッター現象も出ていない。
突然低空で現れて眼の前を通過していったトビを、この時はAF-S&ゾーンで一枚だけ。こんな感じに至近距離でコントラストがハッキリしているケースは雑作もない。
ソニーやオリンパスにはまだ追いつかない場面があるものの、フジのAFも結構良い線来ているのをヒシヒシと感じる。来年のオリンピックイヤーに出るであろうX-H1の後継機..X-H2?..には期待したいところだ。