狐は有益な隣人なり
2015/6/1
同じイヌ科の仲間でも、より雑食性の強いタヌキと異なり、キツネが農作物を荒らすことはほとんど無いと言ってよい。キツネの主食はハタネズミなどノネズミ類であり、畦に穴を穿ったり穀類を食い荒らすネズミを捕食してくれるので、農家にとってはどちらかと言えば益獣になる。農業の神でもある稲荷神社の使いが、狛犬の代わりにキツネであることはよく知られたことであろう。
キツネは古来より大神(ニホンオオカミ)などと同様に山神の一種として崇められてきた。そのような意識は、全国各地にキツネにまつわる伝説や口語伝承が残ることからも見て取れる。狐に化かされる的な昔話などはその代表格であり、擬人化することでより人間社会との強い関係性が判るというものだ。
ちなみに群馬には、年老いた翁に化けたキツネが将来起こる吉凶禍福..幸いと災いのこと..を伝え歩く「コウアンギツネ」という妖怪伝説が残っている。
■ホンドキツネ毒殺
http://asianaturevision.com/?p=13583
しかし何を勘違いしているのか、田舎では時々キツネを害獣のように扱ってしまうこともある。これは間違いなく別の生きもの..例えばハクビシンやタヌキ..の何らかの仕業を取り違えているに違いないが、往々にして田舎の因業な輩には、その理屈が通じないのである。いやはや困ったもんだ..
今年も昨年と同じ資材置き場の隅っこでキツネが子育てをしている。巣穴からの出入りを昨年とは変えていたので、しばらく気が付かなかったが、明るくなるまで親ギツネが頻繁に動き回っているので、まず間違いないだろう。