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うだるような地上の暑さをよそに、尾瀬の池塘ではアカハライモリが涼しそうに泳いでいた。

トカゲ同様に九州以北ではイモリは本種だけなので、一般的にイモリといえば本種のことを指す。和名の漢字表記では「井守」で、この場合の「井」は水田を指す。

アカハラの名の通り腹側に派手な赤い模様があるが、上から見ている限りそれをうかがい知るのは難しい。

止水域を好むので条件が合えば平野部の池や沼地などにも生息している。子供の頃は田んぼにもいたが、農薬の多用など近年はなかなかお目にかかれないず、今や準絶滅危惧に指定されている。

今頃の尾瀬では写真のように池塘で泳いでいるところをよく見かけるが、これは春のカエル合戦と同じで繁殖行動をしているところ。幼生は脚が生えるまで水中で過ごすが、成体になって成熟するまでの数年は森の中など地上で過ごす。

欠損した部位が再生する脊椎動物としてトカゲが有名だが、トカゲの場合は尻尾だけでそれも骨までは再生されない。その点イモリの再生能力は半端じゃなく、尻尾のみならず脚も骨を含め完全に再生できる。

ちなみに似たような姿形で名前の語感もよく似ている生きものにヤモリがいて、よく双方互換で間違われるが、ヤモリは爬虫類でイモリは両性類である。

OM SYSTEM OM-1 / M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO

意外に知られていないが、イモリは少量ながらフグと同じテトロドトキシンを体内に持っているので、体液に触れた手で口や目に触れるとただでは済まないので要注意だ。子供の頃もイモリだけは触らなかったな。

そんな毒があるからなのか昔から精力剤として重用されていたらしく、千と千尋の神隠しでも小道具としてイモリの黒焼きが使われていた。

ちなみに我が県の観光大使に井森美幸がいるが、イモリとはなんの関係もないし、これはただ言ってみただけw

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