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NIKON Zの発表を受けて、業界で目下の話題はキヤノンがEFマウント..正確には言えばここではEFレンズの意..を変えてくるかどうかということ。

EFマウントは口径が54mm..ナイコンのZマウントが55mmなのは1mmでもキヤノンを超えたかったからだろうw..とすでに十分な大きさがあり、ナイコンのようにレガシーに縛られること無く完全電子マウントなので、実はそのままでも大きな問題はない。

ただ、現行のEFレンズ群はミラーがあることを前提に設計されているため、少しでもボディの厚みを抑えてミラーレスカメラの恩恵を受けたくば、EF-Mのようにショートフランジバックに設計し直す必要があり、何よりレンズ設計の面でもその恩恵は計り知れない。ナイコンが開発発表している「NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct」などはその良い例..他に先に作るレンズあるだろう!って突っ込まれているけど..だろう。

ここでキヤノンのジレンマは、たとえEFマウントのままであってもショートフランジバックに設計し直したのでは、今まさにナイコンがZマウントで直面しているマーケティング上の問題..当面専用レンズをラインナップできない..と同じ悩みを抱えることになる。

キヤノンはナイコンと異なり、すでに先行してEF-Mマウントのミラーレス機を市場に投入している..あ、ニコワンは黒歴史らしいので見なかったことにw..が、同社の一眼レフ機に遠慮したかのような仕様であること、センサーがAPS-Cということで、プロやハイアマをターゲットとしていないことは明白であるため、自社の製品ヒエラルキーの思想からしても、ナイコン同様にフルサイズミラーレス機を投入する必要がある。

ちなみにそのEF-MマウントにEFレンズを装着するためにマウントアダプター EF-EOS Mが用意されており、そこはナイコンと同じというか、メーカーとしてマーケティング的に当たり前のことであるが、前述の通りAPS-Cであることと、そもそもマウントアダプタは強度的な制約など所詮は付け焼き刃的なものなので、いつまでもそんな子供騙しでユーザーを大人しくさせておくことは不可能だ。

30年前、FDマウントからEFマウントへドラスティックに変更し、ユーザー切り捨てとか未来を見据えての英断とか、その酸いも甘いも噛み分けてきたキヤノンだけに、果たしてどのように英断を下すのか、お手並み拝見である。

FDマウント最後のカメラはT-90だが、どちらかと言うとT-90はその後のEOSへのチェンジを暗示するようなカメラで、個人的にはこのNew F-1を挙げたい。

と言いつつ、装着されているレンズがLEICA ELMARIT-R 28mm/f2.8というのはご愛嬌。New F-1は高校時代にアルバイトで苦労して手に入れたカメラで、拙者が所有するカメラでは最も古いものである。

New FD500mm F4.5Lや同800mm F5.6Lと一緒に日本各地を旅して鳥の撮影に活躍してくれたが、EOSがメインになってから現在に至るまで、 LEICAやZEISSレンズの母艦として余生を過ごしている。

カテゴリ:写真・カメラ