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雨は少し前に上がっていて、もしかして西陽が入るかと撤収せずに待機していると、谷間からガスが巻いて立ち昇り、そこにタイミング良く陽が差し込む。神々しいなどとは風景写真家がよく使う言い回しで陳腐だが、現場にいれば言い得て妙ではある。

写真は撮る技術以上にそこに居合わせるという運のようなものも必要だろう。もっと言えばその運を引き寄せる事前の下調べ、それに勘所も必要だろうね。

などと書くと、さも景色を撮っていたように聞こえるが、別に美しい景色を狙っていたわけではなく、天狗様の観察で見晴らしの良い林道に上がっていた結果論だが、実はこの話で本当にグッドタイミングだったのは、一度稜線の向こうに消えていたアノ人が戻ってきたこと。

この時間帯に谷の奥へと入っていくのは大抵ねぐらへ向かうことが多く、ほぼ戻ってくる可能性は低いのだが、目の前の景色が前述のとおりだったこともあって、待機していたことが2つの偶然を生んだことになる。

FUJIFILM X-T2 / XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS WR

中央付近の小さな鳥影がアノ人。当然、4K超望遠で動画も楽しい絵を撮らせてもらった。

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