弁足
2020/2/21
水鳥の仲間は、飛んだり歩いたりする以外に、水面や水中を泳いで移動することが出来る特徴がある。
カモの仲間が地上にいる時に、扇のような表面積の大きい足をしているのを見たことがあると思うが、あの趾の間の水かき状の膜を蹼膜(ぼくまく)と言って、その蹼膜のある足を蹼足と呼ぶ。
水面に浮いて両脚を交互に動かしながら泳ぐわけだが、脚を前方に振り出す際に水の抵抗が少なくなるよう趾を閉じるために膜状になっているので、逆に後方に蹴り出す際には蹼膜を開くことで推進力を得られるわけだ。
結果的に同じ目的を果たすのだが、その蹼足とは異なる弁足(べんそく)と呼ばれる構造の脚を持つ水鳥がいる。カイツブリやオオバン、それにヒレアシシギの仲間がそれに当たる。
弁足には弁膜と呼ばれるやはり水かき状のものが付いているのだが、弁膜は蹼膜と違って閉じるようにはできていないため、脚を前方に振り出す際に90度ひねって水の抵抗を減らすという技を使う。そのため、前述の鳥たちが高速で泳ぐ際は、両脚がさながら船のスクリューのような動きに見えるのである。
LUMIX G9 PRO / M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO + MC-14 / オオバン
LUMIX G9 PRO / M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO + MC-14 / オオバン
LUMIX G9 PRO / M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO + MC-14 / オオバン
LUMIX G9 PRO / M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO + MC-20 / カイツブリ
実際に池などでオオバンが泳いでいるところを見ると分かりやすい。3枚目の写真に弁膜が写っている。
すべてというわけではないが、弁足を持つ水鳥は脚が体のより後部に位置しており、潜水して採餌行動する種に多いとも言える。
オオバンもカイツブリも脚を後ろに投げ出しているように見えるが、それが通常の状態である。