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LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm F2.8-4.0 ASPH. POWER O.I.S

春から3ヶ月ほどX-H1を使ってきて、製品コンセプト含め画質・基本性能面には満足するものがあり、今やX-T2に代わってメイン機の立ち位置を任せるに至っている。

が、X-T2から性格付けが変わって、タフなフィールド系カメラとして付き合う以上、特に操作周りに関しては微妙に難があるので、そこは一言言っておかねばなるまい。

こんな場末を通り越した田舎もんのブログなど、天下の富士フイルムが見ているとは思わないが、耳障りの良い褒めネタはそう労せずしてネットで拾えるし、カメラ雑誌の提灯記事ではないので、手放しで褒めるというものでもないしね。

以下、番号に特に事の大小の意味はないので念の為。

Qボタンここじゃない
X-T2は位置的に意図して触れない限り見て見ぬふりできたが、X-H1は割と指が掛かる位置にあるので、突然見慣れない表示が現れてビックリすことがある。そもそもクイックメニューなんて使い方が取説読んでも意味不明(誰か便利な使い方教えてケロ)。ネットでググってもほとんど情報がないところ見ると、誰も使ってねぇんじゃねぇの?と勘ぐりたくなる。ここはせめて「使わない(押しても反応しない)」という設定がほしい。
2018/9/5 その後に無事使い道を見出した
EVFを覗きながらハイライトトーンとシャドウトーンのパラメータをいじれることに気が付き、その場で感じた通りに色を調整できるのは便利かも。時間が経ってからレタッチするよりは的確なのでね。
AF-ONボタンが小さすぎて押し辛い
世界のケン・ワタナベではないが「フジのカメラのボタンは小さすぎて押せなーい!」と叫びたくなるほど小さい。段差を付けて差別をしていると思われるが、隣のAE-Lボタンのほうが突出していて押しやすい点で意味不明。取り敢えずAEロックなどまったく使わないので、こっちにもAF-ONを割り当ててどちらを押してもAF駆動するように設定している。
フォーカスレバーの位置が微妙
X-T2も同様だが、位置が微妙によろしくない。ここは絶対AF-ONボタンの「すぐ下」が正しい。そういう意味でAF-ONボタンの位置ももう少し右に寄るのがベターだろうね。
セレクターボタンが深すぎて押し辛い
お前の指が太いとか言わないでくれ。とにかくボディに埋め込み過ぎで押し辛いことこの上ない。特に冬場に手袋していると操作はなかなか厳しい。それに素手だと右手親指にあかぎれが起きやすいwので痛いのである。ここは明らかにX-T2から退化しているぞ。
視度調節ダイヤルがすぐ回っちまう
カメラバッグから出し入れする際に勝手に動いている時がある。もうホントこれは何とかしろと声を大きくして言いたい。他のダイヤルにはロックが付いているのに、何故視度調節ダイヤルにはないのだ。こんなもの一度調節すれば頻繁に動かすもんでも無かろうに。X-T1からまったく対処されてないのが理解不能。 仕方ないので今回も引き続きパーマセルのお世話になっているぞ。
アイカップ無駄にデカ過ぎ
アイカップだけの問題ではないが、LCDを起こしてローポジションまたはローアングルに構える時、ライブビュー映像が見えにくくなるのがイマイチ。そもそも眼鏡使い..ハ◯キルーペではないぞw..にこんなデカイ遮光は効果ないし、押し付けないと全視野が見えづらい。カメラバッグにしまう時も引っ掛かって邪魔。取り敢えずX-T2のもの(EC-XT M)に交換することで対応しているが、デカイ方をオプションにしてくれやい。
フロントコマンドダイヤルそこじゃないっしょ
EOSとパナに慣れているせいか、この位置だと通常の撮影時に操作するのはほぼ不可能だと思うが、他の人はどうなんだろうか。どうせ配置するならEOSやパナのようにシャッターボタンの手前でしょ。但し、縦位置に構える時にグリップ側を下にした際には操作できるので、リアコマンドダイヤルと同様に露出補正を割り当てると、それはそれで便利ではあるけどね。
フォーカスモード切換レバーもそこじゃねぇし
Xシリーズ共通なのだが、シングルAF(S)とコンティニュアスAF(C)の切り替えレバーがボディ前面の向かって右下にあるのが理解不能だ。モードを切り替えるのにいちいち左手を使わないとならないとはこれ如何に。確かナイコンも同じ位置にあった..写真はF4だが確かに同じであった..と思ったが、撮影中に交互に切り替えるとかそういう操作をまったく想定していないのが不思議だ。モード切り替えはパナのように右手親指で操作できる位置にあるべきだろう。想像だが、フジはデジタルカメラ黎明期にFマウント互換機を造っていたので、その時の名残じゃないかと勘ぐってみたりして。

ちなみにもっとふざけた操作を要求するのが天下のプロ機EOS-1Dだ。左手でボタン2つを同時に押して尚且右手でダイヤル操作で選択という「ctrl+shift+option+commandでさらに英字のPを押す」みたいな操作だったはず。もうアホちゃいますかって感じだったねw

バッテリー容量少なすぎ
Xシリーズ系は今に始まった話ではないが、とにかくバッテリーが保たない。X-T1の頃から型番が変わってなくて..多少容量はアップしているが..使い回しができるのはありがたいのだが、1本フル充電でも1日300枚も撮れないのは何とかして欲しい。メーカーのソリューションとしてバッテリーグリップを付ければ3本のバッテリーで運用できるというのがあるが、いやいやそれじゃせっかくのミラーレス機が重くなっちまうでしょ、と声を大きくして言いたい。X-H1でバッテリーの仕様を刷新する良い機会だっただけに、実に惜しい話である。

まあ、すでに慣れてしまって今のままでも現状問題ないものもあるが、少しパナのG9 PROを見習えって感じがしないでもない。G9 PROは..GH3以降のGH系も同様..AF関係の操作系が1ヶ所に集められていて、カメラ構えてファインダー覗きながらでも右手親指で操作できるので使いやすいのだ。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR

個人的な好みもあるが、パナは昔から業務用カムコーダーを作っているだけあって、フィールド系カメラとしての操作系はいちいち理にかなっている。

デザイン性を優先するのはX-ProとX-Tに任せて、X-Hはフィールド系カメラとしてもっと操作性に重きをおいて設計して欲しいね。フジとしてX-H1にそういう設計思想を込めているのはよく判るので、次機種ではさらなる現場志向を目指して欲しいぞ。

朝も早からカッコー、カッコーの連呼に叩き起こされた。やたら音源が近いので眠い目を擦りつつ窓辺から探すと、隣家の長老宅のヒノキのてっぺんで鳴いているようだ。

というのもこの時点では暗くてよく見えていない。それもそのはず、まだ朝4時の日の出前..東に赤城山を背負った赤城高原の日の出は平野部より1時間遅い..であった。そのまま寝ようと思ったものの、三拍子の調子にすっかり覚醒してしまったので、仕方なく朝のデスクワークへと向かった。

窓を開けていると、カッコウの大きな声が仕事場に流れ込んでくるが、しばしその初夏を告げる三拍子に聞き入る。程なく、今度はそれに負けじと近くの雑木林からホトトギスの声も聞こえてきた。どうやら赤城高原にも渡ってきたようである。

という事で、赤城高原でのカッコウとホトトギスの今シーズン初認は家の中でコンプリートw

ちなみにカッコウは例年より2〜4日程度、ホトトギスに至っては一週間近く早い渡来だ。ツバメやサンショウクイ、キビタキなどはそう変わりはなかったが、トケン類に関しては動きが早いようだ。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

カッコウは一旦去ってしばらく遠くで鳴いていたが、5時頃に戻ってきて再びヒノキで目覚まし時計を始めた。

ホトトギスを除く他のトケン類同様、カッコウは鳴く時にあまり長い間嘴を開かない。なかなかそこを狙って撮影するのは人の反応速度では難しいが、連写番長のG9 PROで20コマを連写すれば、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる式に撮ることが可能だ。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

例によって手持ち動画も押さえておく。結構見上げだったが、窓辺を利用できたので800mm相当でもそこそこ揺れを抑えることができた。

G9 PROの動画のノイズ処理はGH5と同等だ。逆光なのでプラス3補正を加えているが、静止画の場合ほどノイズは目立たない。

連休明けてから連日雨模様で、先週末は夏日だったのが嘘のように気温もグッと下がって朝は特に寒い。さすがにこの季節に10℃を下回ると、ストーブとフリースの出番復活である。

近所のヤエザクラも連休前に満開になっていたため、ここ数日の雨のせいもあってほとんど散ってしまった。写真はまだ勢いがある時のものだ。

FUJIFILM X-H1 / XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS / Velvia

G9 PROやX-H1は、従来機に比べて大きくなったとの評..良くも悪くもね..を耳にするが、撮影はカメラボディだけで完結するものではない。交換レンズあっての写真なのである。

よく比較対象になるソニーα7シリーズがいくら小型..驚くことにフルサイズなんだよね..と言っても、その性能を引き出すためのレンズはどれもこれも巨大なものばかり。結局レンズを含めた撮影時の総量で比べれば、αはかなりガサのある巨大なシステムなのである。

昔のウォークマンなど見ていれば判るが、ソニーはデバイスメーカーの側面もあって、小さいスペースに可能な限りメカやエレキを詰め込むことに妙な使命感とも自負とも判らない挟持があるようだが、人が手で操作する道具には下限があるということを判ってない。

それに4K/60Pが求められるこの時代において、α7はスペースをすべて潰してしまったことで放熱問題をクリアできていない。しかも設計に余裕が無いのかシーリングも中途半端で、雨天の使用時に雨の侵入を許すという、カタログに踊る防塵防滴性能が何とも虚しい看板倒れ状態だ。

ちなみに某C社の場合、最初のミラーレス機であるEOS Mを出した時、何を勘違いしたかフルサイズレンズが装着できることを、あろうことかTVCMで喧伝して失笑を買っていた。そりゃそうだ、小型化が求められているミラーレス機に、何が悲しくて巨大なレンズを装着しなければならないのかw

道具は必要以上に小型化すれば必然的に使いづらくなるのは自明の理。ミラーレス機を牽引してきたパナやAPS-Cが主力のフジだが、どちらもいつか来た道とばかり、G9 PROとX-H1で路線を正しく戻してきた。もちろん小型ボディをそれぞれラインナップした上でね。

小さくすべきは小さくあるべきだが、意味のない小型化はユーザーに恩恵はないに等しい。何が何でも小さければ良いってもんじゃないって話だ。

日本の季節の進みが早いからと言って、東南アジア方面から渡ってくる夏鳥がその分早いか言えばそんなこともなく、そこはまあ平年並みだ。

ただ、今年はキビタキが多い気がするが、全国的にはどうなんだろうか。SNS上でも特筆するほどそんな話も聞かないので、上州の県北に限った状況なのかもしれない。

うちの近所の森でもキビタキの姿はよく目に付き、未だ縄張り争いに決着がついてない個体もいて、連休中は賑やかだった。以下の3枚は何れもうちの近所だが、撮った日時も場所も別である。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

林縁にヤエザクラが咲く森に渡ってくる個体がいて、何とか花と一緒に写し込みたいと毎年狙っていたが、今年は背景に一緒に収めることができた。

本当はもう一段絞り込みたかった..花がちょっとボケ過ぎなので..が、そもそも暗い上に縄張り争い中の刹那だったので、これ以上は望むべくもなしだった。まだまだ精進が必要だね。

G9 PROは高感度の処理が良くなったようで、GH5と比べてもISOを一段高く設定できる。所詮はマイクロフォーサーズなので好んでISOを上げたいとは思はないが、ISO6400までなら何とかイケるかという感じである。

ちなみにGH5sなら高感度も余裕だろうという声もあろうが、結局GH5sの導入は見送り決定である。業務的に暗所での動画の需要があるわけでもなく、写真が1000万画素しか撮れない時点でどう考えても足が出そうな機材なのでね。

それより残りのGH5を映像撮影チームに払い下げて、予備機含め2台共G9 PROにしてしまおうか画策中。別に映画を撮るわけではないので、G9 PROの動画性能でもまったく問題なく必要十分であるし、そもそも写真撮影に関してはG9 PROに慣れてしまって、もうGH5に戻れない体になってしまったw

おとなしい

2018/5/1

標高1100m少々の谷筋を歩いていて、その左岸側の斜面をトラバースしようとしてばったり遭遇。

大体このくらいの距離感だと威嚇されることが多いのだが、この個体は意外におとなしく、こちらを気にする様子はあるものの、写真撮影の後に三脚を立てて動画まで撮らせてくれた。

虫の居所が良かったのかもね。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

換算600mmぐらいでの撮影。早朝で林内にはまだ陽も差し込まず薄暗い状況だったが、G9 PROの強力な手ブレ補正で、ISOを無駄に上げることなく1/200秒程度でも難なく手持ち撮影。

ま、そもそもカモシカも反芻中で動きがないので、そういう意味では相乗効果だけどねw

サクラヒガラ

2018/4/17

先々週、某所での撮影の立ち会いの間、近くに巣でも構えているのかソメイヨシノに頻繁にヒガラがやって来ていた。ただ待っているのはヒマだったので、車からG9 PROを降ろしてきてサクッと撮影してみた。

カラ類なので例のごとくひと所にジッとすることなくトリッキーな動きだったが、連写番長たるG9 PROの面目躍如で、ひたすら先読みして連写で挑んだ。

もちろん、横では撮影業務が進行中だったので、電子シャッターによる音無しの構えだったのは言うまでもない。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

パナライカの100-400は換算800mmという長焦点にも関わらず非常にコンパクトで、こういう人目のある場所で使用するには都合が良い。

よく都市公園で三脚に載せた巨大な白レンズ..黒レンズもいるが..の使用者を見かけるが、よくもまあこんなところでご苦労さんとしか言えないね。

ちなみに4枚目はメジロ、5枚目はシジュウカラ。都市公園の桜の季節はメジロ写真が多く出回るが、この日のメジロは時間内には低いところに下りてきてくれなかった。

オートフォーカス(以下AF)の黎明期はフィルムカメラの時代まで遡る。ミノルタのαショックはある年代の人から上の層なら記憶にあるだろう。

当時のAFは文字通り人の手から機械へピント合わせという行為を移譲することだったので、シャッターボタンの押下と連動していたのは自然の成り行きだった。

ただ、今のようにAF測距点が多点でなく中央1点、多くても横並びに5点程度だったので、中央で主題にピントを合わせてからフォーカスをロック(以下AF-L)し、フレーミングし直すという一つ余計な作業が必要であった。

そこで、記憶では最初はC社EOS-1..1989年発売の当時世界最速AFのフィルムカメラ..だったと思うが、カスタムセッティングでシャッターボタン押下とAF動作を切り離し、背面にあったAEロックボタンにAF動作を割り当てられるようにしたのである。

この件は某風景写真の大家が関係しているとかいないとか聞き及んでいるが、何れにせよ該当ボタンがカメラを握った右手親指で押す位置にあったことから、以降この動作を親指AFと呼ぶようになったのである。

FUJIFILM X-T2 / XF35mm F1.4 R

うちに現存するC社最後のフィルムカメラであるEOS-1Vの背面。1や1nの時代はAEロックボタンが兼用であったが、1Vから専用ボタン(左側のボタン)に変わった。

親指AFは静物写真である風景の分野で喜ばれたのは言うまでもないが、生きものを撮るカメラマンにもこの動作はすんなり受け入れられた。そしてその後は現在に至るまで、ほぼすべてのメーカーのカメラに独立したAFボタンが装備されている。

ただ、近年その右手親指は色々忙しいのである。最たるものはAF測距点の多点化に伴い用意されたフォーカスレバー的なUIであるが、それ以外にも露出補正やAEロック、フジならばフィルムシミュレーションの選択など、撮影前または撮影時に様々な役割が増えてきているのだ。

それら一連の行為をファインダーを覗きながら一気に行えるのは便利この上ないのだが、それにも増して親指は忙しい。しかもメーカーが異なるとボタンやレバーの位置も違えば役割自体逆のこともあり、ピントを合わせようとして別の機能が呼び出されたりしてしまうことも自ずから増えてきているので厄介だ。

FUJIFILM X-T2 / XF35mm F1.4 R

フジのX-Tシリーズにはカメラを握る右手中指の当たる位置に、ファンクションボタンが用意されている。写真はX-H1だがこれはX-T1の時代から引き継がれてきているものだ。

他メーカーにも同じ位置にボタンがあるカメラはあるが、フジの場合ここにカスタムセッティングでAF作動を割り当てることができる。つまり、AF作動を中指の専任担当とし、親指は露出周りの別の仕事に専念させることで、撮影に至る一連のシーケンスを分業化で一気呵成に行えるのである。

EOS時代、AFボタンとサブ電子ダイヤルを行ったり来たりして過労死寸前だった右手親指だったが、フジのXシリーズを使うようになってからはほぼ露出補正担当、時々AF測距点選択他という役割に落ち着いている。

と、こうなるとうちの場合はパナのGH系が異端児化してしまうことになる。GH4以降はほぼ動画専用機と捉えているので問題ないと言えばそうなのだが、正直なところGH5でも中指AFが欲しいのが本音ではあった..

FUJIFILM X-T2 / XF35mm F1.4 R

それがどうだろう、ユーザーの声が届いたのかどうかは別にして、G9 PROには右手中指の当たる位置にFnボタンが装備されたのである。しかもカスタムセッティングには相当のこだわりがあるパナなので、当然ここにAF作動を割り当てることができる。

FUJIFILM X-T2 / XF10-24mmF4 R OIS

直前まで望遠ズーム付きX-H1で撮影していて、目の前に来たところで首から下げていたX-T2にスイッチしてスローシャッターで流し撮り。右手親指で露出補正しつつ、中指AFでワイドトラッキングAFを使って撮影。露出補正もAF作動も親指だけでは同時にできない例。

とは言え、フジもパナも親指AFはそのまま使えるようにしているので、状況に応じて中指AFと使い分けるようにしている。過去の習慣もあるので今のところ使用率は半々だと思うが、中指AFができるかできないかは、その便利さを知ってしまった今では結構重要な要素になった。

FUJIFILM X-H1

2018/3/7

これまでX-Pro2やX-T2など、これぞカメラ然とした風情のクラシカルなデザインが特徴だったフジのミラーレス一眼だが、ここに来てマーケットをいわゆるニッチなフジファンより外へと広げようとしているようだ。

先日発売されたX-H1は、昨年発売の中判ミラーレス機GFX50Sと路線を同じくしており、趣味性の高いものからより実用性重視に振ったモデルに仕上がっている。

FUJIFILM X-T2 / XF35mm F1.4 R

噂では早くもX-T2の後継機か?などと言われていたが、蓋を開けてみればまったく別のニューカマーである。ファインダー部の形状とフジのカメラとしては異様に大きく目立つグリップが、パッと見はGFX50Sを思わせる意匠だ。

フジはX-Pro2とX-T2でダブルフラッグシップと言われていて、X-H1の登場でトリプルフラッグシップになるのかという話もあるが、そもそもフジのカメラはベイヤーを除くX-Transセンサーを使うモデルには画質面でのヒエラルキーが存在しない、稀有なメーカーである。画質面に性能差を付けず、それぞれに特徴的な意匠やそれに見合うメカやギミックを搭載することで、様々なユーザーニーズに応えているのである。

そういう意味でX-H1は今までのフジのユーザー層よりは、どちらかと言えばこれまでフジのカメラに興味を示してこなかった他のメーカーのユーザーや、ハードな業務で使うプロユーザーの取り込みを狙っていると思われる。

APC-C機としては大柄と言われるX-T2だが、フルサイズ機に比べれば容積も重量も小さく軽い。が、デザインを重視しているせいで、XF50-140やXF100-400など大柄な望遠系レンズを装着した際に、どうしてもバランスが悪くなってしまうのが難点であった。特に長年C社のEOSを使ってきた身からすると、グリップ部が無いのがいただけない。特にXF100-400との組合せでは、ボディ側のマウント部の剛性が低いのがよく判るのだ。

X-H1はそういったヘビーユーザーからの要求、つまりはプロユースを意識した造りになっているのが特徴である。もともとX-T2は防塵防滴耐低温で定評があったが、シーリングの数を増やしてさらに耐候性を高め、塗装も引っかき硬度は従来比の二倍のコーティングとのこと。握りやすさを目的として突出した大型のグリップを設けたり、ボディの厚さをX-T2に比べて最大25%アップして、特にマウント周りの剛性を高めている。

そういったヘビーデューティさを追求した結果、X-T2より大きく重くなったため、ミニマムな高性能ミラーレス機を求めていたコアなフジユーザーにはどうもコレジャナイ感が漂っているようだが、グリップ部を含めない比較では実は思ったほどサイズアップしているわけではない。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm F2.8-4.0 ASPH. POWER O.I.S

X-T2との比較。もちろん全体的に大きくなっているのは確かだが、グリップ部を見なければさほどでもないのである。それより保持した時の剛性感が半端なくイイ感じである。

FUJIFILM X-T2 / XF16-55mm F2.8 R LM WR

ついでにG9 PROとも比較してみたが、これがまたサイズ感がまったく同じなのである。どうも性能を追求していくとこの程度の大きさは必要になるかもしれない。

GH5も同様だが、両機に共通していることとして、ボディ内手ブレ補正と4K撮影の放熱用にヒートシンクを内部に実装しているので、従来機に比べれば厚みが増すのは致し方ないことだろう。

啓蟄のその日、未だ盛況な賑わいを見せるヒマワリレストランを横目に、せっせと虫やその卵を探して歩くエナガ達。

毎日ではないが、数日おきくらいに我家の庭にも十数羽で巡回してくるので、そのタイミングに居合わせるとフレンドリーな性格もあって、お互いストレスフリーで撮影できる。

日本産鳥類の中では最小クラスのエナガだが、その軽量級は枝移りの際にいかんなく発揮され、まるでそこに重力がないかの如き動きを見せる。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

ただ、1秒とジッとしていることがないので、AFで追いかけるのは大変だ。ピントが合ったと思ったらシャッター切る前にファインダーからは姿を消している。

そんな重量級且つ俊敏さのかけらもないおっさんカメラマンにとって、G9 PROのプリ連写機能は何とも筆舌につくし難いものがある。良い時代になったもんだとしみじみ思うねぇ..

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正面顔

2018/2/20

地上に限った話だが、食肉目や猛禽類など食う側の生きものは、獲物との距離感を正確に割り出すのに立体視を必要とするので、目が顔の正面寄りに配置されている。

それに対し食われる側の生きものは、捕食者の接近を察知するのにより広範囲の視界を得る必要があるため、顔の側面に目が配置されている。

例えるなら、前者が望遠寄りのズームレンズを装備しているのに対し、後者は広角レンズといった感じだろうか。実際どのように見えるのかは知る由もないが、明らかに顔は向こうを向いているのに、すぐにこちらに気付いて飛んでいってしまうというのは、人生もう何度も遭遇している場面である。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

オナガガモに限らず、食われる側の水鳥の仲間を正面から見ると、少なからずこんなふうな顔をしている。

こちらがレンズを向けているのでこの個体は明らかに拙者を見ていると思われるが、くちばしをこちらに向けているから必ず手前を見ているとは限らないのがこの連中の常だ。この場面でも背後から近づけば間違いなく逃げていくだろう。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

人間的に考えればこのケースでは左方向を見ていると思うだろうが、いやいやそれは大いなる勘違いで、ここでも間違いなく撮影者である拙者のことを気にしているのである。

G9 PROとVARIO-ELMAR100-400の解像力テストというかテクスチャ表現テストというか、何かそんな感じになっているが、最近のローパスフィルターレスのデジカメの解像感は凄いね。こういう被写体では旧態然としたローパスフィルター装備のデジカメ、うちで言えばGH4とかEOS 5Dとか以前の画像はちょっと使う気にならない。