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木曽の御嶽山が7年ぶりに噴火したと夕方のニュースで知った。

噴火の兆候があったのか無かったのか情報が錯綜しているようだが、秋の行楽登山で賑わっていた山頂付近では突然の出来事に相当な被害が出ているとのことだ。火山灰の降灰だけでも厄介なのに、火砕流まで発生しているとなれば被害は甚大だろう。被災者が少ないことを祈りたい。

噴火の兆候は火山性地震の回数や大きさで推し量る。マグマが上昇するなどして山体自体が膨張すれば、噴火が近いことが判る。草津白根山も夏頃から火山性地震が頻発して動向が注視されているが、よもや御嶽山が先に噴火するとは気象庁もビックリといったところだろう。

自然災害と縁遠い群馬においても、歴史上過去には浅間山の噴火によって甚大な被害が出ている。中でも天明3年の大噴火では、舞い上がった火山灰が地球規模で影響を及ぼし、間接的にフランス革命の引き金になったとかまことしやかに語られる..その後の研究で同時期のアイスランドの火山説が有力らしいが..ほど激しかったらしい。そしてこの時できたのが、浅間の鬼押出しと呼ばれる溶岩台地である。

そんな浅間山も最近はおとなしいものだが、子供の頃は火山活動が活発だったと記憶していて、高崎界隈でも時々降灰があった。小学校低学年の頃にあった噴火は数ヶ月続いて、実家の屋上に火山灰が結構積もったのを覚えている。

ちなみに、我が赤城高原は赤城山の北西麓に広がる高原だが、地面を掘ると出てくる軽石は、ある層からは浅間山の噴火活動によるものである。時期にもよるが、これは偏西風など風の影響によるところが多く、降灰は西から東へと大きく流れるからである。栃木の鹿沼で産出される軽石が鹿沼土として有名だが、あれは赤城山の噴火で堆積したものである。

20140927

火山活動とは関係ないが、この夏の異常気象の影響なのか、つい一週間ほど前に近所の生け垣のツツジが咲いていたのを思い出した。狂い咲きというやつだが、ツツジの仲間には割とよく見られる現象だ。

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北海道には本州のツキノワグマとは別にエゾヒグマが生息している。ブラキストン線である津軽海峡を挟んで住み分けしているのだが、本州が大陸とつながっていた時代には、本州にもヒグマは生息していたのだ。その名残というか、その当時の生物相は現在のロシア沿海州の森に見ることができる。

先日「ブナの実を好むツキノワグマ」のイメージをステレオタイプと書いたが、実は北海道のヒグマにも「サケやマスを獲って食べる」という典型的なイメージがある。これは特にカメラマンに多く見られる傾向で、世界自然遺産の知床には今の時期は毎日のように大砲抱えたサンデー毎日なカメラマンで賑わっている河川がある。

この9月にヒグマの食性分析について北大の成果発表があったが、それによれば、知床に生息するヒグマ全体の食性に対するサケの貢献度はわずか5%とのことだ。世界自然遺産として保護されている知床でさえその数値なのだから、本州に比べてサケの遡上が多い北海道といえど全道的にはさらに低いことは容易に想像がつく。つまり、サケを獲っている姿はヒグマのほんの一面、それも限られた場所に住む個体に過ぎず、大半のヒグマはツキノワグマ同様に強い雑食性であるということだ。

20140924
左上:知床の河川でサケを捕まえるヒグマ
右上:アラスカ州ブルックス滝周辺でサーモンを狙うグリズリー
下:サケ・マスを狙うクマを狙うカメラマン(最盛期はこの比ではない)

確かに川に入ってサケを捕食する姿は豪快であり、写真として絵にもなりやすいのだが、それはロシアや北米でのイメージ..それとて河川や海岸、湖沼周辺の個体群に限られる..であり、日本のヒグマの正確なイメージを現すものではないのだ。知床に集まっている連中がそんなことまで考えて撮影しているとはもちろん思ってはいないが、見る側も正確な情報を知っておかないと、往々にして上っ面だけ、イメージだけの価値観に囚われてしまい、クマの本質を見失ってしまうだろう。

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20140923

先日、路上に落ちていた青ドングリを写真を撮るために集め、そのまま放置しておいたのだが、今朝通ってみるとキレイに無くなっていた。昨日はクマの話を引き合いに出したが、ドングリの場合はネズミやリス、ムササビにカケスなども好んで食べる。地面に落ちていればタヌキやキツネもしかり。

いずれにせよ誰が食べたか運んだかは不明だが、そのすぐ脇にはクリのいがが一つ置かれていた。防風林脇なのでクリも自生はしているが、現場近くには見当たらないため、あえて置かれていたという表現をしてみた。誰かがクリを運ぶ途中でドングリの小山を見つけ、クリの代わりに運んでいったと考えるのは、そりゃちと出来すぎかな(笑)。

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林野庁の調査によれば、ブナの結実予測ではこの秋は不作なんだそうだ。もっとも昨年は数年の一度の豊作年だったので、この春の調査結果を聞かずとも素人にもその辺は予想がつく。

この手の話がある度に書くことだが、そもそもクマはブナの実だけを好物として食べているわけではない。基本的に何でも食べる雑食である。クマはその時、沢山ある食べ物を、集中的に食べる傾向が強いため、苦労して探しまわった果てに見つけた食べ物に強く執着するのだ。

夏の終わりから秋にかけて、人里に「出没」するとか、大量「発生」するとかの表現をよく耳にするが、クマにしてみれば餌探しの過程でたまたま通りがかり、偶然?そこに食べ物があったので食べていますって感じなのが実情だ。地域によって当然その食性は異なるが、人里周りで柿の実が熟れていれば柿の実を、山際にクリがなっていればクリの実を、山中にドングリが結実していればどんぐりを、養魚場にマスが泳いでればマスを、川にサケが遡上していればサケ(これは特殊な例だが)を、あればあったなりに腹一杯になるまで食べるのである。

何が言いたいのかといえば、すべてのクマがブナの実を欲して動き回っているのではないということだ。クマの食性と餌資源となる植生とは必ずしも一致しないのである。それをステレオタイプに、時にセンセーショナルに騒ぎ立てるのは見ていて滑稽でさえある。

20140922

先週末にちょっと風が強く吹いた影響だろう、農道上に青どんぐりが散乱していた。ブナだけでなくドングリも凶作に近いような話を聞くが、赤城高原では例年とそう変わらない。赤城高原は戦前より開拓で人が入っていたため、薪炭林やほだ木として活用された名残でコナラが多く見られる。写真のドングリもコナラのものだ。

クマがドングリを食べると聞いて、林床に落ちた茶色の成熟したドングリをイメージする人が多いが、クマが好んで食べるのは写真のようにまだ青いドングリである。夏から秋にかけて、ミズナラやコナラなどに登って青ドングリを枝から直接食べるのである。もちろん落ちたドングリも食べるが、まだ枝についた青いうちのほうが水分があって柔らかく、クマにとっては美味いはずである。

ちなみにその青ドングリを食べる過程でバキバキと枝を折って手繰り寄せ、食べ終わると尻の下に敷いて、という動作を一箇所で繰り返し行うため、クマがしばらくいた場所には枝が折り重なってまるで鳥の巣のようになることがある。実際そこでそのまま寝てしまうクマもいるため、それをクマ棚と呼んでいる。

まだ緑が濃い時期にクマ棚を探すのは難しいが、晩秋になって森が落葉し始めると簡単に見つけることができる。青葉がついた状態で枝を折られると、落葉期になっても折られた枝の葉は落ちずにそのまま枯れるため、遠目にも目立つのだ。

UKからスコットランドが独立するか否かで世界が注目していた日、一部の平和な人たちは、新型iPhoneを手にすべくAppleストアに並んでいた。私の周りにもコアなAppleファンはいて、当然のように発売日の当日には手にしていたようだ。昨年の5からドコモも取り扱うようになったため、今年は特にiPhoneの話題を耳にする。

人の欲というのは面白いもので、当初はもてはやされた10インチ前後のタブレットも、大きすぎるという理由で7インチ版が登場したり、当初は4インチ程度で登場したスマホも、大きな画面が欲しいというニーズに答えて大画面化したり。ちなみに画面サイズが5インチ以上7インチ未満を目安に、PhoneとTabletを組み合わせたphablet(ファブレット)と呼ばれている。

スマホの大画面化は、ユーザーのニーズというより、Android陣営の中核をなす液晶メーカーでもあるSAMSUNGが、iPhoneとの差別化を図るために仕掛けた戦略と言われている。それ故に大画面化された今回のiPhone6は、ライバルメーカーの後追いと言われても仕方ない、周回遅れの対応なのではないかと揶揄されたりしている。

確かに大画面化は一度に得られる情報が増え、テキストだけでなく写真や動画を閲覧するにも有利である。だた、SAMSUNGのGALAXYもそうだが、大画面化したために片手で操作できなくなった弊害が出ているのも事実である。手の小さい人など、左手で握ったら絶対に右上のアイコンには指が届くはずもなく、握り直すか両手を使う以外に方法はない。そうすると今度は画面サイズが中途半端な大きさだと、両手で操作するのは狭いということになり、iPhone6 Plusのようにさらなる大画面化に向かうことになる。

そんなことを余所に、大は小を兼ねるということで、iPhone6もPlusにその需要が集まったようだ。実際私の周りで乗り換えた人たちはすべて例外なくPlusにしている。が、そのうち何人かは前述の理由で後悔しているようで、両手でメールは打ちやすくなったが肝心の電話が掛けづらいと一様にボヤいている(苦笑)。

だから言うわけではないが、私はわざわざ掌へ収まりの悪い..言い方を変えれば、シャツの胸ポケットに入らない..大きなスマホを欲しいとは思わない。そもそもすべての要求を満たすなど無理があるのだ。仕事柄、大小タブレットを複数持っているせいもあるが、やはり片手で無理なく操作できるサイズに機能を凝縮してこそ、スマートデバイスと呼ぶにふさわしいと思うのである。個人的には理想の大きさはiPhone4Sが上限だろう。

思うにジョブズが存命だった場合、恐らくiPhone6の大画面化はなかったろう。掌に収まるサイズの小型デバイスで、PCと遜色ない情報のやり取りが行え、大量の楽曲を苦もなく持ち運べ、当然のように電話もできる。そんな夢の様なスマートデバイスを世に送り出したのはまさにジョブズの執念のようなもので、大画面化して片手で操作できなくなったスマホの製品化など許すとは到底思えない。

余談だが、Information at your finger tips(全ての指先に情報を)と唱えたのはMicrosoftの創業者であるビル・ゲイツであるが、最初に現在のスマホの原型ともいうべきPDA(Personal Digital Assistant)を世に送り出したのはAppleであり、それがNewton Message Padと呼ばれる携帯情報端末である。Newtonはジョブズが一度Appleを追い出された後に製品化されたので、ジョブズとは直接関係はないが、iPhoneのベースとなったiPodはジョブスがAppleに復帰してから開発したものである。

20140921

赤城高原に谷川連峰ビューイングが戻ってきた。ヘイズに邪魔されスッキリ見えることが少ない夏と違い、空気が澄み渡ってくる秋は上越国境の山々を望むに良い季節である。水平に流れて行く雲は、ちょうど片品川の上空辺りを漂うガスだ。

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さて、もう一つの出る出る詐欺状態であるのが、EF100-400mmの新型である。今回の7D2と同時に400mm前後の望遠系レンズが発表されると噂されていたのだが、蓋を開けたら400mmF4 DOだったというオチである。

実は旧ヨンヨンDOは以前使っていたことがある。軽量コンパクトで手軽に手持ち撮影ができる、明るい超望遠レンズとしてコンセプトは良かったのだが、その逆光耐性の低さから手放してしまった経緯がある。その後もキヤノンがDOレンズの研究開発を続けていたのは知ってはいたが、ここに来てまさかヨンヨンDOをリニューアルするとは予想外であった。

もちろん新しい技術を製品化する姿勢はあって然るべきなので、ヨンヨンDOの新型自体は良いとは思うが、ただそれを誰が買うのか、ユーザーはそれを欲しているのか、そういった視点で見ると市場の要求とはかなり考えが乖離していると言っていいだろう。何しろ値付けは約90万と強気なのだから。

もっとも、キヤノンもそんなことは百も承知であろう。そう遠くなく100-400の新型が出るのは約束されているのだが、新しいテクノロジーの塊であるヨンヨンDOは、一新された新型7D2と同じ舞台で発表してこそその真価を主張できるというものだ。

裏を返せば、100-400の新型は放っておいても売れる。だがヨンヨンDOはその前に発表しないと一定数の販売は見込めないとも受け取れる。どんなものでも新しもの好きには少しは売れるものだ。

20140919

在りし日のヨンヨンDO。望遠端に難のある100-400の代替を期待したのだが、前述のとおり逆光に弱いというのがネイチャー分野では致命的な欠点であった。新型は作例を見る限りそこをクリアしたようだが、相対的にデジタルカメラの高感度性能が向上した今、その訴求力は低いと言わざるをえない。

ちなみにヨンヨンDOが装着されているのは初代EOS-1D。なので写真は13年前のものということになる。プロ機とはいえたかだか400万画素のカメラに60万も払ったのが、今となっては夢のようである(苦笑)。

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先日キヤノンからカタログが届いたが、まさに満を持しての発表だったEOS7D MarkII。EOS-1D markIV を軽く凌駕するその性能が20万程度で手に入るのだから、待っていた人にその甲斐があるというものだろう。

ここで新型機の仕様を列挙しても仕方がないので割愛するが、1DXまでは手が出ない、5D3でもちょっと厳しい、でも70Dでは物足りない、そんな購買層のハートを撃ち抜くには申し分ない性能だ。AF65点の全点がクロス測距というのも凄いが、中央1点で-3EVの測距性能はさすが。その1点のみなれどF8対応は地味に嬉しい。

1D系もMarkIVまではAPS-Hセンサーを使い、1.3倍のテレコンバーターをつけた程度の望遠効果があって、スポーツ報道や野生動物撮影の分野では重宝されていたが、7D2はちょうどその代替にも適している。旧7DもAFなどは決して悪くはなかったのだが、高感度性能はボロボロでISO1600以上は使い物にならなかった。7D2は常用感度をISO16000まで上げたとメーカーが豪語しているので、ISO6400程度までは使えるものと期待できる。

仕事で使うには5D2でも十分であるし、何より新型7D2の性能がすぐに必要な状況にないので、当面は値が下がるまで様子見だが、1D4の入れ替えには投資も少なく済みそうだ。

ただ、ここまでは写真屋的な見方での話。さらにプラスして動画屋として見た場合どうか、それはもう実につまらんカメラだと言わざるをえない。

早くから4K記録はないというのは聞いていたので、期待はほんのちょっとしかしていなかった(笑)が、それでもようやく1080で60Pかよ、って言うのが正直な感想。スチルカメラであってもインディーズ系には動画カメラとして人気があったので、多少は色を付けるかもと期待していたのだが、見事に裏切られた(笑)。

せめてハイスピードで120Pぐらいイケると面白かった..それなら4K30Pイケる理屈だけどね..のだが、それもなく、70Dで好評のデュアルピクセルCMOS AFを搭載したことが特筆できる程度だ。HDMIから非圧縮動画の出力が可能となっているが、そんなものは我々には蛇足だ。外部機器の接続などワンマンの野外撮影ではナンセンスである。

まあこれでEOSムービー最初の4Kは5D MarkIV であることは明らかだ。やはり4を引っ掛けてくるだろうし(笑)、一眼動画カメラの先鞭をつけたのは5D2であったことから、そういう役割は5Dの系譜に任せるのだろう。当然、4KもGH4のようなナンチャッテ4Kでなく、60Pでイケる本来の仕様通りの4Kであることを期待したい。

しかし、今回のモデルチェンジには実に5年を要した..その間現役だった旧7Dも大したもの..のだが、この7D2もまたしばらくこのままEOSの売れ線になるのだろうか。本来の立ち位置である写真機に回帰したとはいえ、このまま4Kも撮れないカメラが5年も現役でいられるとは思えない今回のタイミング。

一応、2年程度を目安に、ファームアップで4Kが撮れるようになると予想してみようか。旧7Dも大幅なファームアップがあったし、実際キヤノンにはそういう事例がいくつかある。ファームで2Kから4Kになるなんて無理という意見もあろうが、今の時点で既に4K記録可能となっていたとしたらそれはまた話は違うというものだ(ニヤリ)。

ともかく4Kへの移行期である今この時期での発表は、それだけ微妙なタイミングであるということだ。


20140918

朝晩がめっきり涼しくなった。体が慣れてないので寒いと言ってもいいかもしれない。今日は特に昼間の風も晩秋のように冷たく、草刈りしていても汗をかかずに済んだ。

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食欲の秋

2014/9/17

所用で長野へ出掛けてきた。北信といえばリンゴの産地で有名だが、早生のふじだろうか、早々とリンゴ狩りが始まっている農園が目についた。平地..といっても長野市周辺で400m前後あるが..では稲刈りも始まっていて、初秋の気配が十分感じられた。

20140917
北信、特に小布施周辺は栗が特産である。我が赤城高原でも栗は今年も豊作であるが、はぜるのはもう少し先になるので、小布施に立ち寄って噂の栗菓子をいただいてきた。

20140917b
小布施に来ないと食べられない栗菓子、その名も朱雀。採れたての新鮮な栗を蒸して裏ごしし、無添加砂糖不使用の栗あんに盛ってあるのが特徴。例年並ばないと食べられないのだが、今年は平日にチャレンジしてみた。ショートケーキ言えばモンブラン以外ないというほどこの系統が好みなので、実に幸せなのである(笑)。

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帰りは志賀高原を経由して草津に降りた。北海道の大雪が例年より9日も早い初雪だったと伝え聞いたが、志賀はところどころ色づき始めていた程度で、渋峠付近でもまだ本格的な紅葉には少し早い。芳ヶ平も草もみじが始まったばかりである。ちなみに、この夏の火山性地震の影響を引きずってか、草津の湯釜周辺は未だに立入禁止である。

ついでに草津の湯畑前に最近出来た御座之湯に立ち寄る。連休明けとあってさすがの草津も人はまばらで、内湯は貸切状態であった。入浴中に地震があって結構揺れたのには驚いたが(苦笑)、いつ入ってもやはり草津の湯は良い。

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腕時計を手首に巻かなくなってから久しい。

携帯電話を携行するようになり、その画面に表示される時刻だけで事が済むようになったからだが、汗かきゆえにもともと腕に何かを巻くのは好きではなかった、というのもある。時刻を知るためにいちいち携帯を出すのは面倒だと腕時計派は言うが、そこまで時間に追われる生活をしていない..いや時間は守れよ、とかツッコミはなしね(笑)..ので困ることはない。

もっとも、海外に出た時は腕時計はあったほうが良いとは思うので、それだけ海外に出ていないことの裏返しでもあるのだが。

Appleが噂のあったウエアブルタイプのスマートウオッチ(腕時計型情報端末)を発表した。iWatchでなくApple Watchである点で、何でもかんでも頭にiをつければ良いってもんじゃないという主張なのか、それともApple TVのように別のカテゴリに育てるのか、まあそんな意気込みも感じる。

すでにGoogleやSAMSUNGが同様のスマートデバイスを発売しており、事前のリークも激しくて製品の方向性自体に新鮮味はないのだが、デジタル化して以降消滅していた腕時計のリューズ(いわゆる竜頭)というインターフェイスを復活させた辺り、先行するライバルに比べて逆に一歩先行したように思う。

そもそも小さなスクリーンをスマホのようにタッチ操作するのはどう考えても無理がある。同時に発表されたiPhone6 Plusは、ライバルに追随するスマホを大きくするソリューションだが、手首に巻き付けるスマートウオッチは方向性が異なるセグメントになるので、そこはさすがにApple、レガシーインターフェースをうまく流用したものだと感心する。他のメーカーなら、なんで今さらリューズなんだ、スマートデバイスなんだからタッチとジェスチャーで操作するように考えろ、とか何とか商品検討会議で檄を飛ばされるのは必定だ(苦笑)。

自分の中では趣味性の低い位置づけ..腕時計は車やカメラ同様に実用性と嗜好性が真逆に存在する工業製品だ..であり、最初に書いたとおり腕時計をはめる行為自体が好きではない。その為この手のウエアブルタイプのスマートデバイスを使うことはないが、タブレットPC同様に仕事上で今後関わりを持つことになるのは予感としてある。

ガキの頃、マジックで腕時計の絵を腕に書いて、それを顔の前にかざして、「本部応答してください!」「ラジャー!」などと遊んだことがあるだろう。実際腕時計で会話をするかどうかは別にしても、今まさにそんな時代が到来しつつある。すでにそこに当たり前として存在するのではなく、その途上や過程をつぶさに傍観できるのはつくづく幸せだと感じる今日この頃である。

ちなみに、モロボシダンが腕を顔の前にかざしてしゃべっているのに、チキュウボウエングン本部のモニターには背筋を伸ばした上半身から上が映しだされていた点に、子供ながら鋭いツッコミを入れていたのは内緒の話(笑)。

20140911

天候不順で日中でも気温が上がらないので、今更ヒルガオもないものだが、何故か今頃夏の花が狂い咲き。が、そろそろ道脇の雑草群ともども一掃されそうな気配なので、これはこれで見納めかもしれない。

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ちょっと前に関係者に聞いたのだが、うちの裏山(赤城山)で県がシカ駆除用に囲いわなを仕掛けるらしい。前橋市が協力ということで、旧富士見村周辺など南面側のようだ。囲いわなと言っても高さ2.5mで周囲が500m近くあるので、見た目は養鹿場のようになるだろうか。カウンターを装備したゲートを設けて、一定数に達するとゲートが自動的にロックされ、一網打尽になる仕掛けだ。

県内に限らず、もはやシカによる森林や農作物への被害が看過しておけない状況にある。ある程度の数まで増えれば逆に個体数は自然減になるのは間違いないが、その前に山と耕地が荒れ果てるのは必定である。猟師の手で1頭ずつ間引きなどというのは手ぬるいので、一定数を一気に捕獲して駆除するしかないだろう。先の囲いわなはその一つの手でもある。

県北では、日光の足尾周辺から県境を超えてシカが行き来しているのが、捕獲して発信機を付けた個体の行動から明らかになっている。貴重なシラネアオイが食害されている日光白根山周辺や、ミズバショウやニッコウキスゲ、ミツガシワなどが被害にあっている尾瀬周辺も対策は急務だ。夏を彩っていた湿原の花々の被害は、放置しておけば取り返しがつかなくなる。微妙なバランスの上に成り立って形成される自然環境は、一朝一夕に植生回復など見込めない。

シカを捕食する肉食獣が国内にいない以上、人の手で対処するしかないのが現実だ。北米の例を上げてオオカミを放せなどと寝言を言っている輩もいるが、クマ一匹出るだけで大騒ぎする状況で、集団で行動する大型肉食獣などどうして放せようか。そもそも野生のシカを捕食するなどと誰が保証するのだ。ハブ退治を目的に移入された奄美大島のマングースは、ハブでなくアマミノクロウサギを襲っているではないか。オオカミと野良犬が交雑して人を恐れないハイブリッドが台頭して、新たな鳥獣問題を引き起こすのは目に見えている。

シカはカモシカと異なり深雪を苦手としている。明治期の北海道で、大雪と大寒波によって大量のシカ(エゾシカ)が死んだことはよく知られた事実..これが引き金になってエゾオオカミもまた絶滅に向かう..だが、まだ記憶に新しい2月の大豪雪が、少なからずシカの数を減らすことにつながっているとわずかでも期待したいところだ。


20140910

早朝、Nさんちのレタス畑を横切って行くシカの牝を見かけた。食害だけでなく、こうして縦横に歩きまわって株を踏みつけるので、当然これらも被害のうちである。今日はたまたま1頭だけであったが、これから秋深まるまでシカの恋の季節が続くので、電気柵のない畑は要注意である。

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