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しかしテレコンも良し悪しで、予期しないシチュエーションでは足かせ以外の何者でもない、という場面に先日出くわしたばかり。

ロケ立ち会い中にカラ類の混群が姿を見せたので、手持ち無沙汰解消目的で抱えていたE-M1XとED300/4 PRO+MC-20で樹上のエナガなど狙っていたところ、すぐ目の前にキクイタダキがいるのを発見。

35mmフルサイズ用の超望遠レンズなら最短撮影距離が4m以上なんてザラのところ、ED300は1.4mの近接能力なので、1200mm相当ならそれこそ等倍のテレマクロも可能なのである。

が、少しもじっとしていないキクイタダキ相手に1200mmを近接で振り回してもそれは無謀というもので、まあほぼ被写体ブレとピン甘のオンパレード..さすがにAFは諦めてMFだったので..でガックシであった。

こんな時はすぐにテレコン外して600mmで狙うべきだったが、キクイタダキの可愛さに思わず我を忘れてしまったw

OLYMPUS OM-D E-M1X / M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO + MC-20

辛うじてピントが合って..でも甘いけどね..手ブレなし被写体ブレなしのカットw

それにしてもキクイタダキに出会ったのは久しぶりで、ここ10年くらいは見てなかったかも。それが撮影ともなると記憶にあるのは四半世紀前ぐらいの、それこそフィルム時代だったはずだ。

カラ類の混群自体はこの季節から春まではよく目にしているので、恐らくそういった中に今回のように紛れているのだろうが、あまり鳥を真面目に観ていないこともあって、どこかで見逃しているのだろうなぁ。

もう少し真面目に生きものの動きには目を配らんといかんなぁ..

テレコン常用

2019/11/27

我々のようなフィルム世代カメラマンにとって、当時テレコンバーターは緊急時にのみ使用を許可されたいわば飛び道具のようなものだった。

フィルムカメラでは増感しない限りISO100が基本だったので、マスターレンズの開放がF4なら1.4倍テレコンでF5.6、2倍ならF8となり、早朝や夕暮れそれに薄暗い林内での長玉使用では絶望的にシャッター速度が遅くなって、三脚が必須の上にそれこそ手ブレとの闘いだった。

ISO感度はデジタルカメラになって可変となったことで、マイクロフォーサーズ機でもISO1600とかISO3200辺りまでさほど躊躇なく使える..生きもの系の話ね..ようになり、必然的にシャッター速度も稼げるようになったが、テレコン併用は本来設計上は考慮されていない言ってしまえば余計な光学系を挟むことになるので、画質低下は避けられないものであった。

それでも1.4倍は我慢の範疇としても、2倍テレコンなんて以前使っていたキヤノンやニコンの長玉なら、余裕があるから一応2倍テレコンかまして撮っておくか、という程度の代物だったが、オリンパスのMC-20はちょっと次元が違う。

ED300/4 PROと同40-150/2.8にとっては専用設計的なものになっている..どちらもマスターレンズとして優秀だけど..ので、光が回っている状態なら常用していても気にならない、それほどに撮影結果もサイズ感も使用感を感じさせない逸品だ。

iPhone 11 Pro

テレコンの画質の優秀さもさることながら、忘れてならないのが手ブレ補正機能だ。特にオリンパスE-M1Xのそれは今のところ比肩するカメラは存在しないと言ってよいだろう。

E-M1XとED300/4 PROの組み合わせで6段..ED12-100/4なら7.5段分!..の補正能力があり、換算1200mm相当の手持ち撮影など日頃そうそう多用するものでもないが、もしかして付けっぱなしで良いんじゃね?とついぞ思ってしまう。

一応、基本はMC-14常用で840mm、余裕があるならMC-20で1200mm、被写体ブレまで対応したくば素のままで600mmというのがED300/4 PROの使い方としてベストだろう。

OLYMPUS OM-D E-M1X / M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO + MC-20

早朝、1200mm ISO1600 1/30を手持ちで撮影。ジョウビタキはお辞儀しながらテールを上下に振る習性があるので、低速シャッターだと被写体ブレになることがある。

この時はちょっと警戒していて動きが止まったところを撮影できた。

冬型が強まって強い北風が吹いた朝、防風林がいつくかのツグミの群れで賑わっていた。

さすがにダイレクトに北風に乗ってやって来るとは思っていないが、大陸から寒波が来る度に群れでいるところをよく見かけるので、そういうタイミングを選んで季節移動しているのだろう。

そして例のごとくこの連中が赤城高原で越冬するのか、まだ南下していくのかは知る由もない。

OLYMPUS OM-D E-M1X / M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO + MC-14

ツグミは地面を徘徊している印象が強いが、今の時期はまだ木の実の類が残っているので、渡って来たては樹冠をチョロチョロしていることが多い。

地上歩き回って畑を掘り返したり、落ち葉をひっくり返して虫や虫の卵を探す姿は、もっぱら冬から春にかけての行動だ。

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皆で拾い食い

2019/11/10

カケスの団体さんが農道上に降りて、競うように何かを拾って食べていた。確認しようと近づこうとすると、当然のように隣接する防風林に逃げんでしまう。

いつもならジェーと鳴きながら飛び去って戻ってくることはないのだが、この時は少し待っていると再び姿を見せるので、今度はだるまさんが転んだ方式で少しづつ距離を詰めつつ撮影した。

OLYMPUS OM-D E-M1X / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S. / ISO3200
iPhone 11 Pro

彼らが拾い食いしていたのは風で落果したドングリだ。主には先月の台風前後に強く吹いたときのものだが、すでに時間が経過しているので、あらかたは他の生きものたちの胃袋に収まってしまっている。

それでも集団の目の力とばかり、路端に散乱している欠片や残渣、それに草場の陰から残りものを見つけては食べていたようだ。

カケスは単独行動が基本なので、群れているということはまだこれからどこかに移動する..カケスは標高の低いところへ季節移動する漂鳥だ..つもりと思われ、たまたまいい感じにドングリを見つけて立ち寄った、といったところだろう。

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冬型に乗って

2019/11/5

今朝は冬型の気圧配置となった影響で、日の出前で2℃まで下がって今シーズン一番の冷え込みに。少し風があったので霜は降りなかったが、手袋なしでは厳しい寒さだった。

そしてようやく上越国境は冠雪したらしい。したらしいというのは、朝のうちは稜線部が雲の中で様子が分からず、午後になって若干見通せるようになったら解けてしまったようで、すでに白くなかったという状況。

まあ、上州武尊山の川場谷の上部が白かったので、谷川に積雪があったのは間違いないだろうけどね。

OLYMPUS OM-D E-M1X / M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO

OLYMPUS OM-D E-M1X / LEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm F2.8-4.0 ASPH. POWER O.I.S.

今朝の寒気団に乗って南下してきたわけでもないだろうが、ツグミの団体さん御一行様が赤城高原に到着した。

単独ではすでに先月末に初認していたが、防風林のそこかしこでキョキョっと鳴きながら佇む姿は、秋を通り越して冬の到来予感させる。

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時代はヒーフ

2019/10/31

次期C社フラッグシップである1DMk3は従来のJPEGの他にHEIFを採用するとのことである。

HEIF(.heic)はJPEGに変わる新たな画像フォーマット..正確にはHEVC圧縮による複数のファイルを内包するコンテナだけど..として位置付けられており、同じ画像データならJPEGに対し約1/2のファイルサイズで済むので、同じ容量のメディアなら倍のファイルを記録できる理屈になる。

規格の策定に加わっていたAppleはすでにiOS11以降のiPhoneとmacOS High Sierra以降のMacで正式採用しており、Androidは昨年発表の9から、Windows10はストアからコーデックをインストールすれば標準で開ける..但しKaby Lake以降の7thCPUが必須だけど..ようになる。

やれ1億画素だの5000万画素だのとデジタルカメラの記録画素数が「無駄」に増えていくに連れ、問題となるのはその保管場所だ。一時的にプールするSDカードなどリムーバブルメディアにしろ、恒久的に保管しておく固定ストレージにしろ無尽蔵に容量が存在するわけではないので、画質が維持されるのであれば高圧縮でより沢山保管できる方が良い。

以前からJPEGは無駄が多いと言われていたので、素材屋としてはHEIFが標準となるのはありがたい話である。

ちなみに動画も同様にH.265のHEVCが従来のH.264に取って代わることになり、こちらも容量が従来比1/2となるので、フッテージ屋としては素晴らしくウェルカムである。

FUJIFILM X-T3 / XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS / CLASSIC CHROME
昨日の沼田の雲海。都内含め関東平野全域でガスっていたようだ。

今朝、赤城高原でもツグミを確認した。遅々としている季節の進みとは関係なく、例年よりは少し早い渡来である。

ジョウビタキも家の周囲に定着、終日庭先で鳴いて縄張りを主張している。

冬鳥渡来

2019/10/27

赤城高原にも冬鳥がやって来た。

ジョウビタキは一昨日辺りから声だけ聞いていたが、今日は何ヶ所かで姿を確認した。ただ、渡ってきたばかりで各自の縄張りが確定していないようで、警戒心マックスで写真は撮らせてもらえず。

その他にカシラダカとマミチャジナイを確認。マミチャジナイは旅鳥なので国内での越冬例は少なく、この時期に時々移動途中の群れを見掛ける程度だ。

こちらも警戒心が強くてなかなか樹冠から降りてきてくれなかったが、暗い中辛うじてショボい証拠写真だけ押さえた。

FUJIFILM X-T3 / XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS / ETERNA / ISO6400 / カシラダカ

FUJIFILM X-T3 / XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS / ETERNA / ISO6400 / マミチャジナイ

夜は夜でシカのラッティングコールに紛れるようにフクロウが鳴き交わしている。

昨晩は向かいの屋敷林まで来て鳴いていたようで、マメが窓辺でしきりに聞き耳を立てていた。もちろん、興味があったのがシカなのかフクロウなのかは知る由もないが。

檜林の黄

2019/10/24

ほとんど彩りのない薄暗いヒノキ林の林床で、鮮やかな黄色いものが動いているのがチラチラと見えていた。近づいてしばらく待っているとキビタキの雄だと分かった。

8月くらいまでは時折声がしていたが、さすがに先月の早いうちには渡去したはずなので、この個体はエゾビタキノビタキ同様にさらに北から下りてきて、その途上に立ち寄ったと思われる。まだ実が残っているのか、台風で倒れたウワミズザクラの辺りから出たり入ったりを繰り返していた。

こちらの存在は気にしていない様子だったので、もう少し近づけそうな感じはあったが、長旅のトランジットを邪魔しても申し訳ないので、少し距離をおいて証拠写真だけ撮影した。

FUJIFILM X-T3 / XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS / ETERNA

そろそろ赤城高原にもジョウビタキが姿を見せる頃なので、夏鳥の姿もここらで見納めだろう。

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昨日は富士山が初冠雪だったが、これは平年より22日遅い..昨年と比べると26日遅い..という話だ。確かに今年は暑さが収まらずなかなか秋が始まらなかったので、まあそんなものかという気はしている。

寒気が入ったので当然のように今朝は今シーズン最低の寒さであったが、日中は逆に気温が上がって暑いくらいだった。

FUJIFILM X-T3 / XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS / CLASSIC CHROME

朝の上越国境は雲の中で様子は分からず。南に目をやると、約100km先の八ヶ岳が冠雪しているのが望めた。

FUJIFILM X-T3 / XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS / PROVIA

仕事でみなかみに出掛けたので、湯檜曽まで足を延ばす。

オキトマの耳は相変わらずガスの中だったが、上州のマッターホルンと呼ばれる武能岳を見る限り、冠雪していた様子はない。例年だと10月下旬から11月初旬というのが多いので、こちらも日本海側に寒気が入ればそろそろだろう。

そう言えば、湯檜曽の谷の中でジョウビタキとツグミを同時に今シーズン初認した。ジョウビはともかく、ツグミは逆にちょっと早い渡来である。

漂鳥であるカケスの移動時期なので、山から降りてきたカケスで森の中が賑やかである。ここに留まるのかもう少し低地へ移動するのか、皆で寄り合ってそんな相談でもしているかのようだ。

そんなカケスたちを警戒してなのか、朝からガビチョウたちがやたらと鳴き交わしていた。明らかに春先のさえずりとは異なる短いフレーズなのだが、声質は春の時とまったく同じなので、複数個体が一斉に鳴くと賑やかさを通り越してただうるさいw

ガビチョウはこの20〜30年くらいの間に増え始めたいわゆる人為的な篭脱け外来種に当たるので、自分も含め野生の生きもの好きからは敬遠されるカテゴリの鳥だ。

1羽2羽のうちは物珍しさもあったろうが、緩やかながら在来種を凌ぐ勢いで徐々に勢力を拡大しつつあって、北関東の高山帯を除けば、もはや関東圏で見かけない地域は無いと言っていいだろう。

主に地上で餌を探すので、多雪地帯では冬を越せないと言われてきたが、雪の多い群馬北部でも早春に見かけたことがあので、もはやその辺りのハードルは越えつつあると見て良いかも知れない。

今までいなかった外来種が増えると、餌資源で競合する在来種に影響があると言われており、ガビチョウのライバルとなるのは大型ツグミ類と見られているので、夏鳥であるクロツグミやマミジロのみならず、アカハラやシロハラ、それに生息環境が完全に被るトラツグミなどの動向が心配されている。

クロツグミ辺りは今のところ赤城高原でそこまで減った印象はないが、減ったと気がつく時はもう遅い状況なので悩ましい話だ。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.
珍しく藪から出てきて開けた場所に姿を見せたガビチョウ

とは言うものの、その声の賑やかさからもはや関東圏では普通種になりつつあり、同様に大陸から持ち込まれて定着したコジュケイ辺りと感覚的にそう大差なくなるのも時間の問題だろうね。

何より当のガビチョウ自身が悪いわけではなく、後先考えずに人為的に生きものを移動させてしまう人間に大いに問題があるということだ。