ズームだろうが単焦点だろうが結果は一緒
「高倍率ズームを使うと写真が雑駁になるのでダメ」みたいな話がSNSで流れてきたが、未だにそんなカビ臭いことを言っている年寄りが評論家界隈の御意見番には散見される。
高倍率ズームと断ってはいるが、ズームレンズに倍率が高いも低いもないので、明らかに言説はズームレンズを貶めていると思われ、あの手の評論家がよく口にする「単焦点レンズを使って足で撮れ」みたいな論であり、言葉は悪いが言ってしまえばまあ生きた化石見たいなカメラ爺ということ。
まあ言わせて貰えば笑止千万、単焦点レンズだろうがズームレンズだろうが取り立ててその撮影結果に違いなどなく、どっちが良いとか悪いとかみたなネタにするべき問題ではない。
何かを切りたかったらナイフを、ワインのコルクを抜きたかったらコルク抜きを、ネジを回したかったらドライバーを、それぞれ目的に応じて使えば良い話である。常に工具箱を持ち歩けないのであれば、アーミーナイフのようなマルチツールを使えば良いのである。
同様にカメラもレンズも道具に過ぎない。焦点距離とそれが結果に影響するパース、それにレンズの明るさぐらいしか直接的な影響はないので、ズームレンズの50mmで撮ろうが単焦点の50mmで撮ろうが、そこには撮影者以外には情報として何の意味もないのである。
もちろん、精密ネジを回すのにガーバーのマルチツールでは無理があるので、専用の精密ドライバーセットを使うことになろう。同じように至近距離で背景をボカすためにF1.4の明るさが必要であれば、最初から50mmF1.4の単焦点レンズを使う選択肢になるわけで、マルチツールか精密ドライバーセットかという論にはそもそもなりようがないのは自明の理だ。
先の評論家も雑駁などという一見それらしい言葉で己の言説を高尚っぽく取り繕ってはいるが、弘法は筆を選ばずという言葉のもう一つの意味を知っておいた方が良いぞ。
望遠ズームレンズにテレコンバーターなどという、界隈の年寄りカメラマンが聞いたら卒倒しそうな組み合わせwで、モルゲンロートに映えるマナイタグラを30km離れた赤城高原から狙う。
XF70-300mmは今時のレンズなので、テレコン使っても画質劣化を感じさせない優秀さである。「テレコン=画質が落ちる」も「ズームレンズ=手抜き」同様、カビ臭い論で一刀両断だ。