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日本ではほとんど報道されていないが、アマゾンの森林火災がかなり深刻なようである。

その状態は衛星画像でも見て取れるほど広範囲に及び、2500km以上離れたサンパウロでは日中でも暗くなるほどの煙害が広がっているとのこと。

以前から農地や放牧地を増やすために現地の部族たちが無計画な野焼きをやって来ており、常々そういった行為が今回のような延焼騒ぎを起こしているらしいが、今年入ってからの森林消失ペースは異常なほど早いようだ。

何しろ地球上の酸素の20%がアマゾンのジャングルで作り出されているという説もあるので、その深刻さの度合は推して知るべしだろう。

酸素を生み出す場所が無くなることイコール、それは同時に二酸化炭素を吸収する場所が無くなることを意味する。それどころかそこに人の生活圏が広がって生産活動が生まれ、さらに牧畜が行われれば二酸化炭素の排出量が逆に増えるので、地球温暖化に拍車がかかることにもつながる。

さらにまだ未発見の種を含め、熱帯雨林には世界の生きものと植物の半分が生息しているとも言われているので、世界の熱帯雨林の半分を占めるアマゾンの森が消失することで、どれだけの希少な種が失われるのか想像できない。

だからと言って我々に何かができるわけではないのだが、高速道であおり運転しているバカのことなど呑気に報じてる場合ではないことだけは言える。

Canon EOS-1n / EF24-70mm F2.8L USM / PROVIA

その昔、米アラスカ州を訪れた際、フェアバンクスからデルタジャンクションへ向かう途中で広大な広さの森林火災跡を見かけた。少し高いところへ上がってみたが、言葉通り見渡す限り焼け野原が広がっていて驚いたものである。

米の西海岸も森林火災の多いところだが、彼の地は国土面積が広いせいか燃えるに任せ、人家に近づかない限りは自然鎮火を待つらしい。国土が狭くそれこそ人が密集して生活している日本では信じられない話だが、所変わればということだ。

LEICA R6.2 / APO MACRO ELMARIT-R 100mm f/2.8 / fortia

森林火災は落雷などで自然発火するケースも多く、それ自体は自然界に織り込まれているようで、火災後にだけ芽吹く植物も多く見られる。Fire weedの名で呼ばれるヤナギランもそういった種の一つだ。