portfolio

遺伝か学習か

2019/6/21

林道脇で小休止してのんびりコーヒーなど飲んでいると、気が付けば周囲をサルに囲まれていた。

奥山のサルは微妙な距離感を持って付かず離れずなところがあるが、人里に近い群れは案外人を警戒しない。もちろん、猿害で追い払いされていれば話は別で、そんな場所では一目散に逃げていく。

FUJIFILM X-T3 / XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS / PROVIA

この時、サルがヤマツツジの花を食べていた(写真3枚目)が、ヤマツツジには毒がないということを知っているのだろう。

同じツツジ科のレンゲツツジの蜜が有毒なのはよく知られていて、山間の放牧場でレンゲツツジの群落が目立つのは、牛も有毒であることを知っていて手を出さないからである。

何を食べることができ、何が食べられないのか。我々人は口語や書物を元に学習して覚えていくが、言葉も文字も持たない彼らが、どうやってそういう事実が子孫に受け継がれていくのか、なかなか興味深いものがある。

遺伝的に伝播する情報も当然あるだろうが、すべての事象を遺伝情報だけでは伝えきれないと思われ、やはりサルのように集団生活をする生きものは、親や仲間が食べているものを経験的に学習していくのだろうか。

カテゴリ:ほ乳類|タグ:

敵意

2019/6/20

どんなに姿勢を低くしても、遮蔽物のない農道では姿丸見えだ。

どうにもシマッタしくじったという顔をしつつも、明らかにむき出しの敵意しか感じないぞその視線にはw

FUJIFILM X-H1 / XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS / ETERNA

某猫写真家の影響で世の中は猫写真ブームだが、そうそう気前よく人懐っこいヤツばかりではない。

そもそも、厳冬期には氷点下10℃を下回る標高700mの耕作地をうろついている時点で、野良ならぬバリバリの野生動物である。

間違っても人に媚びることなどせず、己の力のみで生き延びる術を持っているということだ。

カテゴリ:ほ乳類|タグ:

梅雨の晴れ間は1日と持たず、今日のみちのく奥山は再び雨模様で視界なし..

FUJIFILM X-H1 / XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS / ETERNA

しかも昨晩は久しぶりに早寝しようと思っていたところを、スマホの緊急地震速報に叩き置きされる始末..

カテゴリ:季節感

昨日は結構激しい雨模様であったが、今日は打って変わっての快晴で、時ならぬ大遠望日和となった。

iPhone 6

LUMIX G9 PRO / KOWA PROMINAR TSN-884

はるか8km先の大雪渓を渡るクマを見つけた。この距離でもなかなかの大物であることが判る。

カテゴリ:ほ乳類, 季節感|タグ:

逆光で

2019/6/17

ちょっとバタバタと忙しいので、馴染みのホオジロの旦那にご登場願おう。

FUJIFILM X-H1 / XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS / ETERNA

この時は逆光で狙ってみたが、ETERNAはいいね。シャドウが潰れずしっかりディティールが残る。

カテゴリ:|タグ:

のぞき込む

2019/6/16

梅雨の時期を迎えて山の緑は一層の深みを増している。

眼下に轟々と流れ下る渓流をのぞき見つつ、近くで鳴き交わすアカショウビンの声に聞き入り、雪国の奥山にも遅い初夏が訪れたことを感じ入る。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / Velvia

ドローンを飛ばさずとも、谷を渡る橋の上から俯瞰で撮影できることもある。奥山の深い谷でそれなりの高さがあればベストだ。

業務で飛ばすことが多いので、昨今は以前のように安易にドローンを飛ばすのは憚れる..なるべく関係各所に許可を取りたいので..場面が多いため、こういう場所はありがたい。

カテゴリ:季節感

今月5日、あまりニュースになることもなくひっそりと改正国有林野管理経営法が可決・成立した。

この法案がどんなものか簡単に言うと、国有林の伐採の裁量をある程度民間業者に認めるというもので、各地で木材の利用を促す目的があるものだ。

戦後、国主導で行ってきた林業政策であるが、国内従事者の賃金の高騰や、輸入材の台頭による国産材の需要の低下など、国内の林業は衰退の一途をたどっている。

そこで、民間業者による大規模伐採を認めることで、採算の取れる林業を目指すことになったのだが、伐採後の再造林について事実上制約がないため、伐るだけ伐って植林しないとか、植林後の手入れが行き届かなくなるとか、外資による参入など森林荒廃への道を作ってしまったのではないかと、専門家の間では懸念と批判が多い。

国内の森林環境に適応して細々と生き延びてきた我らが天狗様ことイヌワシの悲観的な繁殖状況を考えたとき、伐採地が広がることで餌場環境が提供される点では望ましい。

だが問題は伐採後の再造林、つまり森林の再利用が循環して行われない限り、伐採地はその後の自然再生によって有効利用できるのは1回限りの可能性が高いのである。温帯湿潤な日本の気候において、自然植生の回復は意外に早いのだ。

伐採後、植林して手入れを行い、半世紀後に再び伐採という循環が起きて、定期的に餌場環境が創出される状況こそが、イヌワシにとっては理想的な環境と言えるのである。

そしてその時こそ、東南アジアや北欧、北米など海外の森林から無用に資源を調達する必要もなくなり、国内林業の再生という本来の目的が達成されるはずである。

政府の話では「売れる林業」を目指すということらしいが、絵に描いた餅に終わるか、さらなる問題を引き起こすのか、注視していく必要があるだろう。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / ACROSS

昨秋の台風で荒れ放題だった村内の植林地に、ようやく春頃から手入れが入り始めた。予定された伐採ではないため、恐らく間伐材として利用されることになるだろう。

カテゴリ:鳥獣・環境問題

灰鷹

2019/6/14

谷に面した林道を歩きつつ双眼鏡で対岸の斜面を眺めていたところ、こちらに向かってキジバトが飛んでくるのが見えた。

当然のようにキジバトはこちらの手前で角度を変えて背後の森のなかに消えていったのだが、実はそれを最後まで見届けていたわけではない。

キジバトの後を追うようにハイタカも一緒に現れ、コース的にこちらのすぐ頭上を飛びそうだったため、双眼鏡を肩から下げていたカメラに持ち替えて、AF-Cで数カット連写した。

想像したよりは早めにコースを変えてこちらから離れたが、スピード落とさず背後のブナ林に入っていったので、そのままキジバトを追っていったのかもしれない。

ズームを引いてキジバトも一緒にフレームに収めたかったが、どちらも意外に飛翔速度が早かったので、無駄の操作は避けた。

FUJIFILM X-H1 / XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS / PROVIA

ハイタカ属の仲間は大きさが小さくなるに連れて気性が荒くなる傾向にあるが、ハイタカの雄は大きさがあまり変わらないハトの仲間を狩ることがあるので、雌なら尚更のことだろう。

それにしてもキジバトの飛翔速度はなかなかもので、空高く一直線に飛んでいるところを襲うのは難しそうだが、障害物のある林内ならハイタカのほうが機動性が高く、狩りを有利に運べるのだろう。

カテゴリ:猛禽|タグ:

マガモの親子

2019/6/13

北東北の某河川でのことだが、撮影した時は「ああ、カルガモの親子ね」と思っていたのが、あとで親をよくよく見るとマガモの雌のようである。

基本的にマガモは冬鳥で、北海道には繁殖個体がいることは知られているが、東北では聞いたことがなかった。本州でも奥日光の戦場ヶ原では少数が繁殖しているので、より北の東北で繁殖していてもおかしな話ではないけどね。

鳥を識別し始めて30年以上経つが、以前と比べるとこういった図鑑通りの生態に必ずしも当てはまらない種が増えてきたように思う。

FUJIFILM X-T3 / XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS / PROVIA

子供の数が4羽というのはカモの仲間にしては少ないが、キツネやタヌキの他、河川敷内を複数のノラネコがうろついていたので、常に捕食者に狙われているのは間違いない。

成鳥になる前に相当数が他の生きものの餌になってしまうのは、これ食物連鎖の必定なり。

カテゴリ:|タグ:

Sに死角なし

2019/6/12

発表されたソニーのロクヨンと200-600はなかなかの意欲作だね。

まずロクヨンだが、C社の新型とほぼ同じスペックで、MTFのグラフなど線を書き忘れたかのような見事な数値である。重さは先行して発表されたC社よりほんの少しだけ軽いようだが、最軽量ロクヨンの称号を得るべく、どこか見えないところを必死で削ったのではないだろうかw

ロクヨンにはまったく興味が湧かないが、200-600はなかなか良いのではないだろうか。最初聞いた時は中身は某T社のOEMだろうと思っていたが、インナーズームと聞いてその線は消えた。超望遠ズームなどほぼ望遠端しか使われないので、全長が変化しないというのは良い。ただ、インナーズームになったからと言ってコンパクトになったわけではなく、望遠側にズームした状態で設計されているので、携行時は結構かさばりそうな感じだ。

画質面はすでに発売されている100-400が驚異的な写りなので、専用設計であれば200-600も同様に期待できるのではないだろうか。

東京五輪を前にヨンニッパとロクヨン、それに使い勝手の良さそうな望遠ズームが揃って、これで噂のα9とα7sの後継機が出揃えば、ソニーは盤石の体制でスポーツの祭典に望めるのではないだろうか。そしてそれらの機材はそのままワイルドライフ撮影の分野でも歓迎されるだろう。

もう何というか、ソニーに死角が無くなってきているのは間違いない。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / ETERNA

レタスが巻けばキャベツも巻く。赤城高原のキャベツは嬬恋村よりひと足早く出荷が始まる。