ナイコンの今年度末の希望退職者が1200人近くになると報道で知った。基幹事業であるステッパーと社の代名詞でもあるカメラ事業が低迷して、リストラクチャリングを余儀なくされているらしい。
そう言えば割りと反響のあったはずの高級コンパクトのDLシリーズも、発表から1年を経て市場で日の目を見ること無く販売中止といういうから、傍から見ているよりは事態は深刻なのだろう。
カメラは歴史的に見ても古いジャンルの工業製品であり、フィルム時代に一度成熟期を終えているが、デジタル化の波に乗って再び最盛期に差し掛かり、写真文化と共に第二の成熟期を迎えている。
デジカメ黎明期、フィルム代が掛からないからデジタルは安上がりだ、という冗談のような意見も散見されたが、デジタルガジェットの宿命というか日進月歩の技術革新により、実際は数年で買い替えをさせられることになっている。
別に買い替えをしなくても今使っているカメラの性能が悪くなるものでもないのだが、そこは消費者心理を突いたメーカー戦略に踊らされる人が多く、一頃のインテル入ってるのPCのように、新型が出る度に買い換えることとなる。
が、PCがそうであったように、やがてその技術の進歩も頭打ちになり、新旧モデルで目に見える目立った差が無くなってくると、デフレ時代の到来もあって、消費の奴隷となることを拒む人も現れ始め、それが消費の低迷につながるわけである。別に今のカメラで十分じゃんってね。
定期的にカメラを買い替えてもらえうことを前提としたビジネスモデルに甘んじるメーカーの末路は厳しい。よく言われることだが、良いものが必ずしも売れるというものでもない。消費者が欲しいと思うものを、適切な価格でタイムリーに市場に投入してこそ、そこに商機が生まれ、売上増につながるのである。
厳しい投資家を横目に、マーケットの動向、消費者のニーズ、そういったマーチャンダイズにしっかり取りんでいる企業だけが生き残れる、今はそういう世知辛い時代なのである。
光学とデジタルの技術融合は、衰退の一途をたどる日本の工業製品の中において、世界に誇る突出した分野だ。もしかしたら最後の牙城かもしれない。今回のナイコンに限った話ではないが、是非とも日本のカメラメーカーには踏ん張って欲しいものである。
寒い季節はこたつノマドが一番。もう10年選手の古い液晶モニターを引っ張り出し、こたつの上に設置して仕事場としている。
街のスタバでノマドも良いが、田舎暮らしの山人間ゆえ人々の喧騒の中に身を置くのはどうにも馴染めず、仕事に集中できない。
頭が煮詰まってきたら、コーヒーすすりつつ餌台を訪れる小鳥たちの姿を愛でるも良し、窓の隙間から望遠レンズを出して撮影するも良し。
ああ、なんて素敵な日本のこたつ文化。ニッポン人でよかったねぇ..