年別アーカイブ : 2016

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ふと、機材の端っこにぶら下げている時計を見ると、おぼろげに記憶の片隅に残るあの時間であることに気づく。正確には少し過ぎてしまっていたが、あの時まだこの時間は揺れが続いていたはずだ。

20160311

いつまでも憶えていたい人、もう忘れてしまいたい人、消えてしまった景色、思い出せない景色、思い出される眺め、忘れ去られた時間、記憶に留まる時間、消し去りたい記憶。時は移ろいやすく、人の記憶は意志に関わりなくひっそりと薄れていく。

時は誰にも平等に流れるが、それは時に非常で強大だ。それに抗うのも人であれば、従うものまた人。人は記憶することで過去を慈しみ、未来を見つめ直す。人は忘れることで悲しみを乗り越え、未来へ旅立つことができる。

時の過ぎゆくまま、時の流れに身をまかせ、過去を振り返ろう。そして明日へ向かって歩き出そう。

カテゴリ:独り言

DJIが先ごろ発表した新型ドローンPhantom4の進化は凄い。風に弱くよく落ちるという小型ドローンの宿命はそのままだが、衝突を回避する技術を低コストにパッケージングしているのは大したものだ。

この手の製品はセンサーに目が行きがちだが、センサーが捉えた情報をどのように処理するかというソフトウエア技術のほうが重要なのだ。DJIはその辺りの投資を積極的に行っているという話で、ハードウエアの開発と生産に拘って没落した日本のメーカーを反面教師とし、その二の舞いを避けているように見える。

とかく我々は中華製について信頼性などとやかく言ってしまう傾向があるが、それは70年代くらいまでの日本も同じで、いつか来た道である。もちろんアリババ辺りで売っている安い製品には、パクリやバッタもんがまだまだ多いのも事実だが、そこは安さとのバーターと考えれば解決する。

例えば液晶テレビとスマホで台頭してきたSAMSUNGも、ハードからソフトに舵を切りつつあるが、もともとが日本のメーカーを手本にしていることもあってか、会社自体がその急激な変化についていけてない感じがある。その点、新興のDJIはApple辺りをモデルにしているらしく、ハードはEMSとODMを上手く使い分けているようだ。

ところで、何でもそうだが、仕事面から見ると新しい道具というのは、実際に広まってしまうとそのアドバンテージはかなり低くなってしまう。ドローンも早くに手を出した業者は重宝がられたものだが、撮影機材としてはいまや珍しいものではなくなってしまったため、プロモーション系の業者なら自社で特機扱いで常備していて、逆に空撮できないことのほうが驚かれる。

個人的な趣向もあって昔から空撮には興味があり、Phantomの初号機はすぐにでも手に入れる勢いだったが、搭載カメラが2K止まりだったことあって、その後も機材自体には手を出さずに様子見..羊さんに意気地なしとなじられそうだが(笑)..している。昨年山間地の空撮仕事を頼まれ、その時にPhantom3を手に入れようと算盤はじいて目論んだのは事実だが、結局その際も借りて事は済んでしまった。

昨年のマイαブームは7RIIの導入で決着を見たので、次はドローンの導入が目下の検討事案になりつつある。一番問題視していた解像度は、一応前モデルから4K撮れるようになってはいるものの、自分自身が動いて撮影するだけに60Pであることに越したことはない。今のDJIならすぐに4K60Pにしてくれそうなのだが、元年と言われる今年であっても年内は無理かな..

20160309

今日は雨。気温はさほど低くはないが、お天道さまが出ていないので肌寒い。餌台に集まる鳥たちも心なしか少ないようだ。

カテゴリ:写真・カメラ

某国営放送はこともあろうに、生きもの系の看板番組であるワイルドライフでもやらかしてくれた。

今週はイギリス北部のスペイ川の話で、ストーリーはサケを中心としたものであった。スコットランドが舞台ということもあって、天狗様が出るのではないか期待していたところ、ユキウサギの場面で空からの捕食者として登場した。

が、確かにユキウサギのシーンの前後に繋いだ個体は若いイヌワシであったが、最後に飛び去るシーンでは思いっきりオジロワシの若鳥であった。オイオイそれはちゃうやんけとツッコミの後、さすがにこれは許せんとばかりに前橋放送局..何故前橋だ(笑)..に文句を言おうとしたが、そこは大人げないので止めておいた。

イギリスの話だったのでいつものようにBBC辺りから買ったのかと思ったが、エンドロールを見る限りBBCではなかった。天狗様本家のお膝元であるBBCでそんなミスはないだろうから、日本語訳の段階で間違えたか、そもそもメタデータが間違っていたか。何やってんだかねぇ..

20160308

今日は日中は暖かかった、いや、暑かったというべきか。この季節はまだ手放せないアンダーウエアも、今日はさすがに必要なかった。

朝のニュースで東京は朝霧に包まれていたが、それは利根沼田も同じ。赤城高原から下は雲海の底に沈んでいた。

カテゴリ:ほ乳類, 映画・映像|タグ:

真田丸は戦国時代を舞台とした大河ドラマであるため、鷹狩目的と思われるオオタカがよく登場する。ドラマではさすがに日本産を使うわけにはいかないだろうから、大陸系の白っぽい大きな個体であることが多い。さしずめどこかの鷹匠か、動物プロダクションの所属なのだろう。

今宵も小道具の一つとして場面場面によく映っていたが、場面転換で飛んでいるシーンではノスリに変わったり、事もあろうに今宵はトビになったりして、動物番組を抱えているNHKとは到底思えない、いい加減な扱われ方であった。

オオタカの飛翔シーンなど得意のアーカイブスにいくらでも収蔵されているであろうに、いかに制作現場の横のつながりが無いかがよく判るというものだ。時代考証も然り、セリフ回しは方言指導など専門的な分野の人が付いているのだから、生きものの扱いもそれなりに考証してほしい限りである。

そう言えば、何回か前の真田の里のシーンでは、主人公の背後でガビチョウが鳴いていたことがあった。今はアフレコより現場で同録が多いので、さすがに籠抜け飼鳥が鳴いたからといってNGを出すわけにもいかないだろうが、それ以前にそもそも環境音としてそのまま使っている辺りは、単に知らないだけなのだろう。

あ、そうそう、ついでに言うと、ミンミンゼミが鳴いているような季節に、フクロウがゴロスケホーコーと鳴くのもおかしいぞ(笑)。

20160306

啓蟄も過ぎ、こんな景色が見られるのももう最後だろう。そう言えば今年はほとんどダウンを着ることがなかったなぁ。

カテゴリ:映画・映像|タグ:

イノシシやシカなど野生動物は人の匂いには敏感で、猟師の仕掛けたワナに露骨に人の匂い付いていたりするとすぐに見破るという。

しかし人工物などは抵抗なくむしろ積極的に利用しているフシがある。タヌキは廃屋を、ハクビシンやムササビは山小屋や神社仏閣などを、ツバメやスズメなら人が住んでいる家に巣を造るといった具合に。

ハヤブサの仲間が都市部の高層建築物に営巣する例は世界的にも以前から知られているが、同じワシタカなど猛禽類には人工物を積極的に利用して生活している種が多い。

トビなどは休息のために鉄塔..高圧線の支柱や橋の欄干、携帯アンテナなど..によく留まるが、オオタカやハヤブサそれにノスリなどは、ハンティング行為の一部として探餌を行う際に頻繁に鉄塔に留まる。営巣地が近ければ誇示行動の一部でも同様だ。

ワシタカの仲間は、飛びながら餌を探すタイプと待ち伏せして餌を探すタイプに分けられる。例として挙げた鉄塔の類を利用するのはどちらかと言うと後者に多く見られ、チュウヒなど草原性のタカはほとんど鉄塔などに留まることはない。

もちろん何事にも例外はあり、ハイタカ属のハイタカやツミはオオタカほどは人工物に留まることは少ない。同じ待ち伏せ猟をするにしても、目立つ場所に留まるのではなく、どちらかと言うと雑木林の林縁部など枝先でひっそりと探餌することが多いようだ。

20160302

山間部を通る高圧線の鉄塔に留まって探餌するクマタカ。

クマタカは日本産のタカの仲間では最大で、その昔は深山幽谷にすむ希少な生きものと考えられていたが、実際は意外に人里周辺でも生活していることが知られている。

さらに鉄塔大好き猛禽と言っても言い過ぎではないほど、鉄塔に留まる姿を季節を問わずよく見かける。餌を探すのも鉄塔、巣を見張るのも鉄塔、交尾をするのも鉄塔、休息するのも鉄塔だったりして、まったく人工物に頓着しない..ただしダムやスキー場などの構造物にはほとんど近づかない..性格なのである。

これに対して徹底的に人工物を嫌うのが天狗様ことイヌワシだ。テリトリー内の見晴らしの良い場所に探餌に都合の良い鉄塔が立っていても、わざわざ近くの尾根上の枯松に留まっていることが多い。

北米のイヌワシには風発の風車に留まる強者がいるらしいので、イヌワシといえど絶対という話ではないのだが、そこら辺は土地柄お国柄の違いなのか、よく判っていない。

と言うことで、一部の種を除けば、野生動物といえど人工物を積極的に利用するのである。天敵ともいうべき人の手による人工物とどこまで認識して、背に腹は代えられないとばかりに割り切っているのか、そもそも我々が思うほどは無機物、有機物の別け隔てがないのか、その辺りは定かで無い。

で、我々は今日もまた、視界に入る鉄塔を端から順に眺めることになる..

カテゴリ:猛禽|タグ:,

いやはや歳を取ると時の経つのを早く感じるわけで、今年も早くも暦の上では春となってしまった。年度末の波に飲まれて首の回らない時期に突入、気持ちの上で余裕が無くなってきているぞ(汗)。

20160301

北海道ほどではないが、本州の日本海側も夜のうちから結構な降雪となった。現在車を修理中でその代車がセダンなのだが、除雪もしてない田舎道はスタックしそうで怖い。

地元のオバアに話を聞いたら、この冬は雪が少なくて楽させてもらったのに、今日がこの冬一番の積雪だと宣っていた。

カテゴリ:季節感

CP+あれこれ

2016/2/28

某サービスより毎年招待状はもらうのだが、近年まったく行く機会に恵まれないCP+。そんな中、行ってきた友人知人の話の中で気になった製品をいくつか。

まず、シグマがメーカー純正?的なEF-Eマウントアダプタを販売するようで、噂通りAF速度も精度も純正の性能を維持するようであれば、値段次第だがソニーEマウント使用者には朗報だろう。m4/3も出してくれると嬉しい限りだが、シグマはm4/3には妙に冷たいので難しいかな。

さらに同アダプターの老舗的なKIPONでは、アダプタにとうとうドロップインでフィルターを挿せるタイプを出すようだ。可変NDが同梱されるらしく、これはかなり魅力的。実際に発売されれば是非とも手に入れたい。

レンズでは中華製のLAOWAという初耳の製品があり、中でも気になったのは15mm F4 WideMacroだ。ワーキングディスタンスが18mmの1:1等倍撮影ができ、さらに上下方向に6mmのシフトも可能となっている。どんな絵が撮れるか気になるところであり、是非とも動画撮影にも使ってみたい。

そして実際に日本で発売されるのか気になっているのが、超小型4KカムコーダーZ CAMERA E1だ。昨年クラウドファンディングのKickstarterで出資を募集していて、プロジェクトは開始されたと海外のサイトでは情報を得ていたが、日本では技適の問題があってどうかと気になっていたのだ。

Z CAMERA E1
https://ksr-video.imgix.net/projects/1834352/video-549605-h264_high.mp4

今回CP+に出品されていたということは、無事に製品化にこぎつけたのだろう。ドローンに搭載することを目的とした4Kカメラではあるが、操作すべてをスマホやタブレットから行えるので、それ以外の用途でも使いみちは十分にある。何よりm4/3マウントを採用したレンズ交換タイプであるというのが素晴らしい。これは映像クリエーターであれば間違いなく買いだ。

20160226

そろそろ冬鳥の春の移動の時期ということもあって、シメに混ざってアトリが2羽..雌雄なのでペアなのかな..我が家の餌台に立ち寄っている。アトリといえば万羽の単位の大群で有名だが、たった?2羽というのも新鮮だ。

スズメにいじめられながらももう一週間ほど滞在しているが、来週暖かくなれば北を目指して旅立っていくことだろう。来年またお越しを願いたいものだ。

訃報

2016/2/25

また、偉大なる先輩が一人旅立たれた。

一昨日、月夜野在住の植物写真家である埴沙萠先生がお亡くなりになられた。闘病されていたのは知っていたが、体調が戻った際には一緒に仕事をしていただける話も進んでいただけに、公私共に実に残念な知らせである。

私ごとき若輩が何やかや言うものおこがましいネイチャー写真の大先達。日頃からお付き合いの深かったマサ先輩の心中や如何ばかりか。重ね重ねご冥福をお祈りします。

20160225

まだ2月なので季節外れというわけではないが、南関東の山間地では春の降雪に見舞われた。

寒さが身にしみたのは、何も早春の寒気が流れ込んだばかりではなかろう。人が逝くということもまた、心に隙間風が吹くことに他ならない。

カテゴリ:写真家

と言っても地元ではなく南関東での話。慣らし運転さながらに、朝も早よからホーホケキョとやや遠慮がちにあちこちで鳴いていた。

20160224

アオジと一緒に藪をうろつくところを何個体か見かけたが、朝早かったので写真は撮れず。替わりに梅でご勘弁。

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空き地

2016/2/23

我々の世代で近所の空き地といえば、藤子不二雄やちばてつやの世界観そのままに、三角ベースができる程度の広さがある草っぱらで、土管が3本積まれているのが定番である。

何故に土管が3本なのかといえば、空き地を管理する土建屋の資材調達の余りという見方もできるが、恐らく子供が登って腰掛けられる程度の高さで且つ安定した配置が期待できるという理由に他ならないだろう。

などという戯れ言を真面目に考察しても詮なきことではあるが、昔の空き地はそれが私有地であっても子供たちには共有財産的なところがあって、管理する側も出入りをむやみに制限するようなことはなかった。

長らく放置された空き地は小動物の宝庫である。特にバッタや蝶などはいたるところで採り放題だし、雑木林が隣接していれば、セミやカブトムシも期待できた。ウズラやヒバリもよく見かけたものだ。

まあそれも時代の流れでそんなことを言ってもいられなくなり、事故が起きれば管理者責任を問われるなど面倒なことになるのは必定、今や空き地は立看板と厳重な杭に囲まれ、足を踏み入れることは憚られるのが現実だったりするのである。

20160223

以前は宅地であったと思われる空き地で、重機がせわしなく地面を整地していた。「ご不便をお掛けします」の上っ面だけ腰の低い立看板の前では、昔と変わらずヒバリが春の準備に余念がない。

バブル期ほどではないにせよ、空き地がいつまでも空き地のままであることはなく、ヒバリがピーチクパーチク囀っていられるのも、ここは今年が最後かもしれない。

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