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お知らせで案内した須藤一成氏制作(編集:宮原徹)のDVD『ツキノワグマ』では、環境音楽家の小松正史氏のCDタイトル『コヨミウタ』『Innocence』より楽曲の提供を受け、これを背景音楽として収録している。

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小松正史氏(京都精華大学人文学部教授)は、音を「聴くこと」の重要性を伝えるために、音の教育・研究・表現活動を行っている映像/環境音楽家で、音響生態学(サウンドスケープ論)や環境心理学の研究、音育(音のきき方についての教育)をテーマとしたワークショップの開催、作曲活動やピアノCDアルバム制作の傍ら、音楽ホールだけではない音空間でライブ活動を行っている。また、京都タワー展望室をはじめとした公共空間の音環境デザインなども手がけている。

小松氏の楽曲を初めて聞いたのは『コヨミウタ』であり、須藤氏から今回のDVD制作の依頼を受けたのと同時期なのだが、実は一発でその旋律に惚れてしまった。そう、まさに一目惚れならぬ一聴き惚れなのである。

ピアノソロというのが個人的な好みだったりするのも大きいが、小松氏の考え方の一つにある、観ることや思考を妨げることなく環境に同化しつつ、それでいて心に沁みる音楽の制作というのが、この田舎者の映像制作者の心に響くのである。業務上、主張することなく印象深くみせるヒーリング系の映像制作を行うことが多いが、小松氏の楽曲はまさにその音楽版とも言うべきもので、目指す世界観に符号するものがあるのだ。

聞くところによれば、小松氏は映像を見ただけでその場でそのイメージに沿った曲を即興で弾けるらしい。その話を聞いた時には正直驚いたものだが、世の中には類まれな才能の持ち主というのがいるわけで、私のような凡人(学生時代にエレキを爪弾いていたことは暗黒史だ)には到底計り知れない世界だとも理解している。

そんな凡人の失礼千万なお願い聞き入れ、楽曲使用を快く承諾してくれた小松氏には感謝しており、逆に氏の素晴らしい旋律に見合う映像作品を制作していく難しさを痛感するこの頃でもある。

小松氏の最近の状況やライブ活動、著作物などは、同氏オフィシャルサイトを参照あれ。また、YouTubeで『小松正史』で検索すると多数の映像がヒットするので、併せてご覧いただくことをお薦めする。

小松正史オフィシャルサイトはこちら

 
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