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X-T5はX-H2をベースにしているので、動画も市場に出回っているミラーレス機の中でも平均以上の性能だが、放熱の問題を理由に8K搭載を見送るなどX-H2とは差別化している。

放熱問題へ対応しない代わりに、意匠はT4そのままに小型化してきたのはスゴイ。バッテリーはNP-W235で手ブレ補正も搭載しているのに、サイズ感は初代X-T1に近いのは驚きである。ファインダー周りのデザインもやや野暮ったい印象が強かったT4からスッキリしているのも良い。

さらに動画はやらんぞ写真だけっていうフジが抱えているであろう多くのユーザーの意向を汲んで、3軸チルトに回帰してきたのも喜ばしいことだ。

動画市場に打って出るかのようにX-H1を出しておきながら、その後はX-T系をハイブリッドカメラの如き扱いをしてきたことが、拙者のようなH1ラブの映像作家系からこぞって謎認定されて久しい。

今回のX-T5は、X-H2・H2Sを当初想定していたH1の目指す市場向けに投入できたことで、フジもようやく吹っ切れた感を見せてきたというのが感想になろうか。

X-H2Sはともかくw、H2はそこそこ売れたようだが、X-T5はそれを上回るなかなかのセールスになると想像。35mmフルサイズにこだわらない限り、同時期に発表されたソニーα7R5の56万、キヤノンR6Mk2の40万に比べたら、24万などプライスレスに等しい破格の値ごろ感であろう。

尚、4000万画素に対応していないことを理由に単焦点系のXFレンズの多くを手放しているので、今のところX-T5は静観である。

FUJIFILM X-H2 / XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR / Velvia

初代X-T1から数えて5代目か。フジを使うようになったのはX-T1からで、一応歴代はすべて使ってきたが、手元に残してあるのはT1だけ。

そのT1も久しぶりに動かそうと思ったらバッテリー切れで文鎮状態だった。まあもう実戦で使うことはないので、XF35mmF1.4ともども引き続き防湿庫に留め置くことになるだろう。

X-H2Sは高速連写モデルで、X-H2は高解像モデルである。

よく無印H2のほうを「高画質モデル」的に書いてあるのを見かけるが、画質が良いか悪いかは多分に主観が入るのでw、表現として間違ってはないが正しくはなく、メーカー的には高解像または高画素モデルであろう。

ということでその高解像モデルに続いて、高速連写モデルのH2Sのほうも手に入れることに。後発のH2の登場で日に日に市場価格が下がったおかげで、H2Sも今や無印と遜色ない値頃感となっているのはありがたい。

今やカメラ市場は高画素が絶対正義的なところがあるので、見た目からして兄弟機であるX-H2とH2Sならそりゃ4000万画素機のほうが売れるのは素人でも分かることであり、なぜにSが付くほうが世に先に出てきたかと言えば、そりゃ大人の事情ということになろうw

8Kが撮れるのでH2のほうが動画機として上位と思われているフシがあるが、動画屋として見ればH2Sのほうが動画機としては優秀であることは、ローリングシャッター..いわゆるコンニャク現象ね..への対応を見れば明らかである。H2の8Kもフィックス画なら気にならないが、ジンバルに乗せて手持ちで撮るとなかなか厳しいところがある。

H2Sも30Pながら6.2Kが撮れるので、アップコンすれば8Kとそう遜色なく仕上げられるし、何より4K120Pの威力は動体撮影では絶大なので、動画屋の立場なら8K30Pより4K120Pを選択するのは必定だ。

だが、高解像度の写真が必要なら4000万画素機のH2を選ぶほうが懸命なのは言うまでもない..実際のセールス結果がそれを物語っている..ので、必要に応じてどちらかを選択すれば良い話である。

でそれはつまり、動体動画も撮るし高解像度の撮影も必要なのであれば、X-H2とX-H2S両方を手に入れる事態となり、それはもう富士フイルムの思う壺という話だw

iPhone 13 mini

もともとX-T4を2台使っていたのだが、GFX100Sを併用するようになって1台手放しており、何れXの追加は必要だとは思っていたので、この状況はまあ必然ってことに。

意匠だけならX-T系も嫌いではないが、ダイヤルインターフェイスのX-T4とGFXの併用は今一つだったことと、動画用のGH6をコリメート撮影に固定してしまっているので、フリーで使える4K120P..1.29xクロップは望遠野郎的には歓迎w..の動画機が必要になったというのが実際のところだ。

まあ当初はX-H2Sを先に手に入れていた可能性のほうが高かったのが、順番が変わっただけという見方もあるのでこれはやはり必然だなw

そう言えば、最近になってようやくXマウントのサードパーティ製が増えてきたな。このまま鎖国を続けていくのかと気になっていたので、選択肢の幅が広がるのは良い。

とは言っても個人的に切望していたのは超望遠のカテゴリで、シグマの150-600辺りをXマウント版で期待していたのだが、それもXF150-600の登場でもうどうでも良くなったけどw

それでも今後期待するなら超広角レンズかな。X-H2の4000万画素を開放からフルに活かすにはXF8-16が必要らしく、確かに12mmという画角は魅力的なれど、NDフィルタを装着できない時点で候補にはなりえない。何よりそう滅多に使わないレンジに、あのコストを払う気にはならんし。

ここは一つシグマでもタムロンでもフィルタ装着可能な16mm始まりくらいの4000万画素対応のやつを出して欲しい。

FUJIFILM X-H2 / XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR / CLASSIC CHROME

タムロンと言えば、知らない内にXマウントの150-500mmなんて出してたのね。

一見するとXF150-600と競合しそうな雰囲気を醸し出しているが、APS-Cで望遠端の100mmの差は結構大きいので、絶対的な超望遠を欲する向きには競合しないだろう。このケースで悩むのは価格差..実売で10万くらいある..と大きさだろうね。

画質はMTF見る限りズームとは思えない感じなので、値段を考えれば、100-400と150-600の間での万能感では良い選択になるか。最短撮影距離も広角端で60cmというのも良いし。

何れシグマも似たような焦点域を揃えてくると思われるが、個人的にはちょっと遅きに失するって感じがしないでもない。もう何年かこのムーブメントが早ければ、オリのE-M1系やOMDSのOM-1には手を出してなかっただろう。

X-H2Sはフジの思惑ほどは売れて無さそう。各社恒例となった供給不足アナウンスも一応出ていたようだが、XF150-600共々今はどこも店頭在庫を抱えている様子である。

思うにこの状況の要因は2点あって、そもそもAPS-Cで30万円代に手を出す購買層がフジユーザーには少ない..高い買い物するならGFXと考えているはず..のではないかということと、4000万画素のX-H2を同時に用意していて、それが9月には出ると最初に明かしてしまったことに尽きよう。

個人的にセンサーサイズや画素数でカメラの優劣をつける考えは持っていないが、世間はそうは捉えていないので、フルサイズより小さいAPS-Cに高い金は払わないとか、より高画素のモデルがそう間を空けることなく登場すると知ってしまったら、そりゃ様子見しましょうかとなるに決まっている。

X-H2Sはハイエンド市場をターゲットにしているので、無印H2と合わせてなんぼくらいに考えていると思われるが、フジの場合はかなりの確率でカニバリズムがある..X-ProユーザーはまずX-H系には興味を示さない..のはメーカー側も意識しているはずなので、実施的に他メーカーのハイエンド市場、つまり新規開拓を狙っているのだろう。

ただ、APS-CのR7があの価格帯で出てくるとフジは厳しいだろうね。カメラの基本性能は値段なりにX-H2Sが高いにせよ、世間のAPS-Cに向けられたフルサイズの廉価版的な位置づけをひっくり返すのは並大抵のことではない。

ということでT1以来のXユーザーの拙者でも、今回ばかりは無印H2を見てから判断することにしている。

OM SYSTEM OM-1 / M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO

薄暗い森の中ですぐ目の前までやって来たコガラ。ナナカマドの花に集まる虫を食べに来たようで、朝露に羽毛が濡れていた。

この日は晴れて暑くなると予報が出ていたが、新潟県境で雨が強く降っていた影響で結局気温も上がらず終日どんより。

売る側の思惑

2022/6/13

X-H2Sはなかなかの強気の根付だったな。H1から10万も値上げしてくるとは思わなかったが、よもや昨今の円安の影響ということもあるまい。

OMDSを除く他のメーカーでは35mm版が主力であり、APS-Cは下位モデルまたは普及機的な扱いなので、そのせいで余計に高く思えてしまうというのはあるのかも。

ただ、フジの場合はXは決してGFXの下位モデルではなく、それぞれが別路線の主力ラインナップということになり、この辺りはパナのSとGの関係と同じ構図である。

APS-Cやマイクロフォーサーズが35mm版より下に扱われるのは、センサーを売りたいソニーと35mm版が上位APS-Cは下位をビジネスモデルとするキヤノンの思惑でしかなく、それぞれの広告収益に頼るメディアの影響にほかならない。

特に広告出稿の多いメーカーの提灯記事ばかりのカメラ雑誌など読む気も起きないが、そもそも雑誌自体が軒並み休刊..業界用語で事実上の廃刊を意味する..状態なので、マーケティングに潤沢に予算を割けるメジャーメーカー以外の主戦場はもうユーチューバーなどいわゆるインフルエンサーたちに移っている状況だ。

情弱なカメラジジィはまだカメラ雑誌にしがみついているが、若い子たちはみなインターネットから情報を得ているので、紙媒体でコストかけても大したリターンはないと考えているはず。

そういう目でカメラ雑誌の広告ページの配分など眺めると、特集記事がいかに茶番..「フルサイズで最高画質はどれだ!」的なアレね..であるか判ろうと言うものだ。

Google Pixel 5 / フタリシズカ

件のX-H2Sについて、ダイヤル類が装備されておらずフジらしくなくなったという意見を見たが、その辺の「フジらしさ」はX-ProとX-T系の役目なので、X-H系にそれを求めるのは筋違いだろう。

後発に控える高画素機の無印と違ってSはスピードと動画性能にこだわっているので、あのような意匠になるのは必然であり、GFX100を使っている身からすると特に違和感もない。

それにしても4000万画素と噂される無印のほうの値付けが気になる。海外の噂ではSより安いという話だが、それが事実であれば正当なH1の後継機とも受け取れるが、安い方を先に出すと高いほうが売れないという読みなのか、単純に生産の都合なのか。

これは想像だが、無印は画素数の関係で8Kでも撮れるというだけで、EOSのR5同様にあまりそこは期待しないほうが良いだろう。そうでないとSの立場がないし、Sよりも安いという噂に信憑性が低くなるw

悩ましいH2S

2022/6/5

先日フジX-H1の後継機が4年ぶりに発表された。

情報管制が厳格に敷かれていたのか、用途別に2種類用意されているということ以外、あまり細かい情報が事前に漏れ伝わってこなかったが、昨今フラッグシップモデルでは流行りの積層型センサーの採用など、スペック的には何となく想像できた内容である。

開発上の都合なのかマーケティングの理由なのか定かではないが、スピードと動画重視のX-H2sが先に発表され、無印のX-H2がこの秋に発表という流れなのは不思議である。

X-H2sはフジX使いとして、OM-1とGH6を持ってなかったら真っ先に導入するスペックではあるが、正直なところ個々の機能で両機と丸かぶりになっているので、フィルムシミュレーションが使えるフジXであること以外に導入する動機が今のところない。

X-H1の時からその直線的な意匠と質実剛健な造作はもろに好みなのだが、こと動画性能はGH6で余りあるほど十分であるので、X-H2sの4K/120Pが1.39倍にクロップされるテレコン仕様..一般的にはデメリットと取られるが..と聞いても今のところまだ触手は動かない。

それとご多分にもれず、ようやくフジも物体認識AFを採用してきて、サンプル映像を見る限り最後発だけあってなかなか優秀な印象があるが、OM-1と比べてどの程度のアドバンテージがあるのか気になるところだ。

ただ、フジXはGFX同様にどちらかと言うと写真がメインとなるので、とりあえず秋発表予定の高画素版のX-H2を見てからの検討になるかな。APS-Cで4000万画素となるらしいので、恐らく8K/30Pはイケると予想している。そのための電動ファンが外付けアクセサリーと想像。

と言いながらも先のことは自身でも予想できないところがあるwが、とりあえず同時発表されたインナーズームの150-600mmとパワーズームの18-120mm、それにロードマップに上がった単焦点の8mmは良いね。

Google Pixel 5 / ミネザクラ

2000m級の稜線では冷たい風に揺れながらサクラが咲いていた。

言うほどは超広角レンズを多用するほうではないが、やはり撮れるのと撮れないのとではアングルのバリエーションが違ってくる。

風景を引きで撮るケースで使うことはほぼないが、パースの広がりを意識しつつグッと寄るのが正しい使い方だろう。

FUJIFILM GFX100S / SIGMA 14-24mm F2.8 DG HSM Art / Velvia

FUJIFILM GFX100S / SIGMA 14-24mm F2.8 DG HSM Art / PROVIA
FUJIFILM GFX100S / SIGMA 14-24mm F2.8 DG HSM Art / PROVIA

FUJIFILM GFX100S / SIGMA 14-24mm F2.8 DG HSM Art / Nostalgic Nega.

しかしシグマのレンズの優秀さには舌を巻く。これまでの意識はまさに食わず嫌いとはよく言ったものだ。

中判ミラーレスカメラとしてGFXが市場に出てきて4年が経つ。

そんなGFXも高額商品でニッチマーケットを狙ってきているため、交換レンズのバリエーションが少ない、というよりほとんど無いので選択肢が限られるのがウィークポイントである。

フジも毎年新しいGマウントレンズを発表してきて、35mm版換算で18mmから200mm相当まで一応は一通り揃ってきているが、3本あるうちのズームレンズに超広角ズームがないのが当初より指摘されている問題である。

GF23mmが35mm換算で18mm相当の最広角扱いとなるが、潰しの効かない単焦点であること、作例を見て画質が優れているのは分かるものの、何より貧乏人には本体以上に割高感があるのは否定できないw

そんなGFXであるが、ミラーレスカメラなのでフランジバックが短く、各社一眼レフの交換レンズを流用できる。ただ、センサーサイズが35mm版より1.7倍大きいので、イメージサークルが狭いレンズはクロップなしでは使えないことは先日記事にした通りだ。

そこで登場するのがレンズマウントを変換できるマウントアダプターである。

GFXは中華製を中心に意外にも多数のマウントアダプターが用意されているが、これは前述のメーカー自他ともに認める「交換レンズが少ない」状況を鑑みてのことだろう。

先日の記事ではキヤノンFDマウントだったので、電気接点のないそれこそただの変換リングだったが、 AFであるEFマウントレンズを使いたいので今回はAFが動作する電気接点のあるタイプを所望。

海外含めネットで色々調査した結果、マイクロフォーサーズとEFマウントの変換でもお世話になっているKIPON製をチョイス。

Metabones製が良いというのを海外のサイトで情報を得ているが、今のところ国内では流通していないのと、KIPONは一説にはメーカー毎に各社から個別にインターフェイスの仕様を正規に入手して対応しているという話もあって、とりあえずそこを信じてみることにしてみた次第。

超広角ズームとして選択したのはシグマの14-24mm F2.8(EFマウント版)。画質優先を目指す同社Artブランドである。

仕事仲間に使っている人がいるので実物は見て知ってはいたが、こうしてみると大きさは半端ないサイズである。特に重さが1.2kgもあって結構な重量感だが、まあこの点は他のGFレンズも似たようなものではある。

それにしても、市場は35mmフルサイズ百花繚乱だが、世の中の人はみんなこんなでかいレンズを使っているのかと、生粋のマイクロフォーサーズ・APS-Cユーザーである拙者などは思うのであるw

FUJIFILM GFX100S / SIGMA 14-24mm F2.8 DG HSM Art / PROVIA / 14mm(11mm相当)

まずは広角端の14mmを試す。GFXでは約11mm相当という超の上に超が付きそう広角となるが、想像通り周辺が見事にケラれる。

ただ、これはイメージサークルの不適合からくる周辺減光というよりも、出目金レンズに対応した特徴ある花形フードが原因であることは何となく想像できる。

FUJIFILM GFX100S / SIGMA 14-24mm F2.8 DG HSM Art / PROVIA / 19mm(15mm相当)

ではノーマルのままどこまでズームすればケラれないかであるが、試した限りでは20mm付近より望遠側では問題ないようだ。

写真一枚目のズーム位置通りギリギリ許容できるのは20mmの少し手前で、この位置で撮るとEXIFでは19mmと記録され、35mm版換算で約15mm相当となり、個人的には必要十分な超広角レンズと言える。

余談だが、KIPONが秀逸なのはEXIFへの情報記録が正確な点である。レンズ名は当然のこと、焦点距離は実数と35mm換算の双方が記録される。

FUJIFILM GFX100S / SIGMA 14-24mm F2.8 DG HSM Art / PROVIA / 14mm(35mmフォーマットモード)

どうしても額面通りズームレンジ全域を使いたければ、例の35mmフォーマットモードが有効。画素数が6000万画素に減るものの、このレンズ本来のスペック通りに運用可能だ。

GFX100Sが1億画素カメラなので、6000万画素だと画素数が減ってしまった印象があるが、それでも高画素機であることは間違いないんだけどねw

FUJIFILM GFX100S / SIGMA 14-24mm F2.8 DG HSM Art / PROVIA / 18mm(14mm相当)

個人的イチオシのパノラマモードで65:24だとさらに1mm広げることができるので、35mm版で約14mm相当までイケるかな。

Artの噂通りの高画質は1億画素のハイレゾでもいかんなく発揮されている。直線が真っ直ぐ写るゼロディストーションが謳い文句だが、周辺部まできっちりと解像する様はさすがだ。

正直そこまで期待していなかったのが本音だが、某C社の超広角Lズームよりシグマのほうが優秀というのは、価格差を考えるとすごいことである。

ただ、運用上AFはやや難あり。日中の光が潤沢に回っている状況ではそれほどではないが、朝夕の光量不足の時間帯ではなかなか合焦しないケースが目立つ。

純正レンズでは何の迷いもなくスパッと決まるシーンでも、ジーコジーコとモーター駆動してレンズ群が行ったり来たりするのは精神衛生上あまりよろしくない。もちろんこれは本レンズのAF性能が悪いのではなく、中華製のマウントアダプターを間に挟んでいることで、本来AF測距に必要な情報が不足しているのではないかと推察できる。

迷い出したらすぐにMFに切り替えるか、AFが合焦しやすいところを見つけてそこでピンを合わせておいてから再フレーミングするのが吉。超広角レンズなのでそれが許されるのだし。

最後に余談。これは試していないのでネタということになるが、本レンズはメーカーが用意している公式改造で特徴ある花形フードをそっくり外すことができる。

つまり出目金が完全に露出した状態になるわけで、これはマルチカム対応でレンズ間の干渉を防ぐのが目的であるようだが、同改造でフードを外せば写真二枚目のケラれが無くなるのではないかと想像している。

そうすると35mm版換算で約11mm相当とズーム全域が使える可能性が出てくる。

フジはGマウントレンズのロードマップを公開しているが、そこには記載されていないものの、年内にズームレンズをもう1本発売するような話をしているので、それが超広角ズームであればその広角端次第ではシグマの同改造を受けてみたいと思う。

梅咲き始め

2021/3/21

下界では桜の開花が話題だが、当地では梅がチラホラ咲き始め。ま、春本番にはもう少し時間がかかるかな。

FUJIFILM X-T4 / XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR / PROVIA

このレンズ、これまでのフジのラインナップには無かったスペックで、凄く使い勝手が良い。

XF55-200と大きさほぼ変わらずで、テレコンに対応したのでx1.4で35mm版換算で約630mm相当..x2なら約900mm..になる。x1.4までなら画質的にまったく問題ない。

その上で0.5倍(35mm版相当)のハーフマクロまでこなせるので、花や小さな生きものまで望遠マクロとして狙えることになる。

Xを使っているカメラマンがスナップやポートレートばかりでないことを、メーカーサイドもようやく理解し始めたかな。

フジは新しい機種を出すと併せて新しいフィルムシミュレーションを追加してくるが、GFX100Sにはノスタルジックネガなるモードを追加してきた。

難しいことはよくわからないが、メーカーによればノスタルジックネガは「アメリカン・ニューカラー」なる色調を再現しているらしい。

階調表現は柔らかく、アンバー気味に色を載せているので、ネガフィルムの持つ言葉通りノスタルジックな雰囲気の調子が得られるようである。

似たような語感のクラッシックネガは逆に硬調なトーンなので、名称こそ似てその実は非なるカラーモードと言うことになる。

思うに自然の造形物より人の生活圏で人工的なものを写すほうが適しているように思うので、個人的に主たる撮影対象ではあまり出番はなさそうだが、やたら色を盛る傾向にある昨今の風潮とは対象的な表現方法には好感を持てる。

ちなみにこのクラッシックネガ、1億画素センサーに合わせてチューニングしているらしく、今のところGFX100S専用の扱いとなっている。この辺りの設計思想がフジのこだわりであり、フィルムシミュレーションが他のカメラメーカーのカラーエフェクトの類とは一線を画す所以である。

FUJIFILM GFX100S / GF45-100mmF4 R LM OIS WR / Nostalgic Nega.

近所の廃屋にある資材置き場で試してみたが、確かにどこか懐かしい雰囲気の出る色調だ。併せてこの立体感もスゴイ。