うちの手伝いをしてくれている若いスタッフT君とのチャットの会話の中で、先日の記事にあったラップトップPCって何ですか?という質問があった。
文字通り訳せば膝の上..物理的には股の上だが..となり、デスクトップPCに対する意味を多分に含んでいるのだが、それならそれはノートPCではないですか?というのがT君の質問の主旨であった。
ノートPCという言葉は実は日本オリジナルであって、グローバルではまず通用しない。MacBookもVAIOも、日本で言うところの「ノートパソコン」というジャンルは、世界的にはラップトップPCにカテゴライズされる製品なのである。
世界初の真のラップトップPC..ポータブル運用可能な可搬性の高いPCはそれ以前にもあったが実用的ではなかった..は、1986年に発表された東芝のT-3100(国内モデルはJ-3100)シリーズで、アラン・ケイが1970年代前半に提唱したDynaBook構想から取って「Dynabook」と命名された。
さすがに本家の米国ではDynaBookを名乗るはおこがましい?と判断されたのか、海外ブランド名はT-3100のままであったが、それでも当時の米国市場ではかなりの引き合いがあった..ペンタゴン(国防総省)が数千台の単位で発注して貿易問題にまで発展した..のは事実である。
当時の国内PC市場は、NECのPC-98シリーズの天下であった。多い時で国内シェアの80%を占めていた時期もある、知る人ぞ知る名機?である。そんなガリバー98が東芝に遅れること2年、ようやく市場に送り出されたのがいわゆる「98ノート」である。
なぜノートなのか。理由は簡単である。先行する東芝がブック型パソコンという言い方をしていたため、王者NECがそれに従うことは許されず、うちのはノート型パソコンだと強弁した..当時の業界的にはこんな厚いノートは無いと揶揄された..のが、今のノートPCの始まりなのである。
その後、実際にノートの厚みとみなされるほど薄いラップトップPCが登場するのは、AppleのMacBook Air(2008年)まで待つことになる。製品発表会でスティーブ・ジョブズが封筒の中からMacBook Airを取り出したのには誰もが驚かされ、そのプレゼンは今でも記憶に新しい。
出張で南関東に降りてきた。都心ではないのでさすが桜が咲くまでには至ってないが、菜の花はもとより、ホトケノザやオオイヌノフグリに混じってタンポポもちらほら咲き始めていた。